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東レ株式会社は7日、世界最高レベルの高効率/高純度発光を実現するという有機ELディスプレイ用青色発光材料を開発したと発表。早期実用化に向けて開発を加速するとしている。 同社はこれまで低駆動電圧で高効率発光が可能な赤色発光材料と電子輸送材料を開発・量産しており、複数のパネルメーカーにおいて採用。同社の電子輸送材料は低消費電力化を可能にする材料として用いられていたが、三原色のうち青色との組み合わせでは、使用する青色発光材料によって発光特性が低下する課題があった。 そこで、低駆動電圧と高い発光特性を両立するという独自の青色発光材料(ホスト、ドーパント材料)の開発を進め、独自の分子設計とナノ分散技術により、電極から注入される電気エネルギーを最大限に利用することで、発光効率が6cd/A(カンデラ/アンペア) 、色純度がCIE(x,y)=(0.14,0.10)となる青色発光材料の開発に成功。 さらに、従来の青色発光素子では低駆動電圧と長寿命の両立を困難としていたが、新材料では、駆動電圧を維持したままで長寿命化を実現。電子輸送材料を三原色全ての発光層に使用する共通電子輸送層化が可能となり、ディスプレイの低消費電力化やプロセスコストの低減が期待できるという。 そのほか、開発を進めている緑色発光材料についても、赤/青色発光材料で培った知見を活かし、色純度がCIE(x,y)=(0.22,0.72)となるドーパント材料の基本骨格を確立。材料やプロセスの研究開発を進め、有機ELディスプレイにおけるキー部材・キー技術のトータルでの提供を目指すとしている。
□東レのホームページ ( 2008年3月10日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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