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シャープ株式会社は21日、Blu-ray Discの2層メディアへの最大6倍速記録を実現する250mWパルス出力が可能な青紫色半導体レーザーの技術説明会を開催した。 ノートパソコン用の薄型ドライブへの搭載を想定する3.3mm径の小型パッケージ「GH04P25A4G」と、BDレコーダやデスクトップPC用の5インチドライブなどに対応する5.6mm径パッケージ「GH04P25A2G」を用意。4月から量産を開始し、サンプル価格は各5万円。 また、DVD記録/再生用の赤色半導体レーザーの新製品として、400mW出力に対応し、最大20倍速記録を実現する1.8mm厚のフレームパッケージ「GH16P40A8C」も4月から量産出荷を開始。サンプル価格は1,000円。 ■ 2010年に多層メディア対応レーザーを開発
説明会では、同社の電子部品事業本部 化合物半導体システム事業部 副事業部長の種谷元隆氏が、半導体レーザーの技術などについて解説した。 GH04P25A4G/A2Gは、BD記録/再生に対応する高出力青紫色レーザー。2007年5月出荷の「GH04P21A2G」は最大210mWパルス出力、2層メディアを含む最大4倍速記録に対応していたが、新モジュールでは出力を250mWパルスに増加し、最大6倍速記録にも対応可能となった。 従来の4倍速記録では、HDDから片面1層BDディスク(25GB)へのダビングに約45分かかっていたが、これを約30分にまで短縮が可能となる。新たに3.3mm径パッケージも用意したことで、ノートPC用の記録型BDドライブの開発が容易になったとしている。
青紫色レーザー素子は、光を発生し、縦方向に閉じ込める「結晶成長」、光を横方向へ閉じ込める「リッジ形成」、光を前後に閉じ込めて、増幅する「端面形成」の3つの要素技術から成り立っている。 今回開発した新モジュールでは、結晶成長を最適化することで、消費電力を低減したほか、端面形成の改善/最適化により高出力化を実現している。 同社では、今後も青紫色レーザーの高出力化を進め、2008年後半には300mW出力/2層8倍速記録が可能な高出力レーザーを開発。2010年には2層以上の多層メディアに対応可能な400mWパルス出力の達成を目指して、開発を進めるとした。
■ DVD用赤色レーザーの最終形態
GH16P40A8Cは、DVD記録/再生用の高出力赤色レーザー。2006年出荷開始のモジュールでは350mWパルスだった出力を400mWパルスに増加し、最大20倍速記録に対応が可能となった。 1.8mm厚のフレームパッケージを採用し、パッケージ内のレーザーチップは、幅0.1mm、共振器長2mm。発光部の基板が自身のレーザーにより破壊されないように、基板部の耐性を高めることで、高出力化を実現した。 なお、同モジュールは赤色レーザーモジュールの最終形態であるとしており、出力は400mWで打ち止めとしている。
□シャープのホームページ ( 2008年3月21日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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