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NECは、PCベースのホームサーバーを中心に、蓄積したコンテンツを遠隔視聴できる専用端末を組み合わせたソリューション「Lui(ルイ)」を発表した。ホームサーバーPC「Lui SX」2機種と、クライアントの専用端末「PCリモーター」2モデルを4月24日に発売する。PCリモーター用サーバーとしても機能するデスクトップPCも同時発売。価格はいずれもオープンプライス。直販価格は下表の通り。
Luiは「Life with Ubiqitous Integrated solutions」の略。DLNAに対応し、DTCP-IPもサポート。サーバーPCはデジタルダブルチューナを内蔵したHDD部とPC部で構成。テレビ接続を前提としており、HDMI出力を1系統備えている。上位モデルは1TBのレコーダ用HDDとBDドライブを内蔵。下位モデルも含めてデジタル放送の2番組同時録画と、2番組の同時配信が行なえる。
DLNA対応クライアントに映像などを配信するだけでなく、サーバーPCの画面と音声を、独自形式にリアルタイム圧縮し、家庭内や外出先にある「PCリモーター」と呼ばれる小型クライアント端末に送信することも可能。
端末はノートPCタイプと、PDAライクなポケット型の2つを用意。Windows CE 5.0を搭載したPDA的な小型/軽量ハードウェアだが、その液晶画面にはリモート接続したサーバーPCの画面が表示され、遠隔操作できる。そのため、長時間動作が可能なPCリモーターでありながら、サーバーPCの処理能力を活かした快適なコンピューティングが行なえるという。PCリモーターは無線/有線LAN接続(有線はノート型のみ)に対応。リモート接続を介して映像や音楽を観賞することもできる。ただし、デジタル放送を録画したものや、DVD/BDソフトなど、著作権保護が施された動画コンテンツは観賞できない。
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■ 「他社とも連携してLuiワールドの拡大を」
NECパーソナルプロダクツの高須英世社長は、98MULTi CanBeや、simplem、MobileGearなど、これまでの同社PCの歩みを振り返りながら「NECは時代を先取りし、ライフスタイルに合わせて革新的なPCを投入してきた。2009年に登場するWiMAXなど、モバイルブロードバンドの環境が整い、本格的なユビキタス時代が幕開けする。そこにNECはLuiを提案していく」と宣言。DLNAサーバー機能やPCリモーターなどの機能を紹介し、その革新性をアピールした。
続いて登壇したユビキタス事業部の栗本浩一開発本部長は、「LuiはNEC 1社の閉じた製品ではない」と訴え、NTT東/西日本やドコモ、マイクロソフト、バッファロー、アイ・オー・データなど、合計19社が、Luiの発売にあたって賛同を表明していることを発表。NECアクセステクニカ、NECエレクトロニクス、NECディスプレイソリューションズなどとも協力しながら「Luiワールドを拡大していく」という。 具体的な展開としては、PC周辺機器メーカーが投入しているDLNAやDTCP-IP対応のネットワークメディアプレーヤーや、DLNA対応のNAS、ネットワークカメラ、HDMI入力を備えたディスプレイ(変換ケーブルを介したDVI接続含む)などを、Lui対応予定製品として展示。発表会の時点では“対応意向の表明”というレベルだが、今後NECのチェックなどを経て、各製品の製品紹介などで「Luiとも連携可能」とアピールしていく。
また、PCリモーター用サーバーの機能を集約した単体ボードを組み込んだ、他社製PCも参考展示されている。展示を行なったのはKOUZIROとマウスコンピューター。価格などはどちらも未定だが、マウスコンピューターは「6月頃の発売を予定している」という。なお、ボード単品での販売は2007年12月の「Luiブランド」発表時にアナウンスされていたが、第1弾モデルとしては内蔵PCのみのリリースとなった。第2弾以降で単品販売を予定しているという。
PCリモーターの利用には、公衆無線LANサービスの利用可能地域の拡大が重要な条件となるが、MzoneやBBモバイルポイント、フレッツスポットなど、サービスを実施している事業者に向けても対応地域の拡大を要請。無線LANルータやモバイル無線LANルータなどでも、ロジテックやバッファローなど、対応意向を表明している企業を紹介した。会場では、それらの製品を合わせて展示。ミヤビックスがPCリモーター用のケースを展示したほか、エレコムはポケット型PCリモーター用のUSB外付けキーボードなども参考展示した。
■ 玉木宏「写真整理に使いたい」
発表会にはLuiのイメージキャラクターを努め、CMにも出演する俳優の玉木宏さんが登場。CM監督も交えたトークセッションも行なった。CM制作に必要な資料や音楽などが頻繁にメールで送られ来るという監督は、「必要なのでノートPCを持ち歩いているが、重いので極力携帯したくない。でもLuiならば話は別。説明を聞いて、こんなに凄いPCが出るんだ、生活が変わるぞと思った。そういったメッセージもCMに取り入れている」という。
監督のように仕事でPCを使うことは少ないという玉木さんだが、カメラが趣味とのことで、デジタルカメラで撮影した画像の管理などにPCを使用しているようだ。「Luiがあれば、ロケ先からでも、家にあるHDD内の画像を整理できて、良いですね」とPCリモーターの機能に興味津々の様子。記者団から「デートで恋人の撮影は?」などの質問が飛ぶが「撮影は風景専門です」と答えていた。
□NECのホームページ
(2008年4月15日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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