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ブラザー工業株式会社は、眼鏡型の網膜走査ディスプレイ(RID)の試作機を開発したと発表した。
RID(Retinal Imaging Display)は、目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速で動かすことによる残像効果を利用した映像投影技術。網膜に投影された映像は、あたかも目の前に存在しているよう、視覚されるという。 同社では2005年の愛・地球博にRIDアトラクションを展示するなど、技術開発を進めてきたが、今回大幅な小型化を実現し、眼鏡型のRIDの試作機を開発した。解像度は800×600ドットで、フレームレートは約60Hz、メガネ部を除く本体の重量は約25g、体積は約20cc。 RIDは光源モジュールと光走査モジュール、接眼モジュールの3つのモジュールで構成される。今回の試作機では光MEMS(高速ミラーデバイス)スキャナによる光操作モジュールの開発や、接眼モジュールの小型化により、体積比で同社従来試作機の1,000分の1にまで小型/軽量化した。 同社では、インクジェット方式のプリンティング技術を使った圧電方式のMEMS技術や独自の薄膜アクチュエータを開発。これらの技術を応用して光MEMSの自社開発に成功したという。MEMSのミラー径は約1mmで、光学振角は約20度、周波数は約30kHz。 同社でも今後も光源モジュールの小型化を図り、ウェアラブルなRIDの開発を進めていくとしている。 □ブラザーのホームページ ( 2008年4月16日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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