|
株式会社KDDI研究所は15日、ケーブルテレビやIPTV事業者向けに、MPEG-2形式の映像とH.264形式の映像をシームレスに切り替え、復号再生する技術を開発したと発表した。 デジタル放送では番組の圧縮方式にMPEG-2形式を採用。一方でケーブルテレビやIPTVなど、ネットワーク回線を利用した番組配信では、多チャンネル化に向けて、MPEG-2よりも圧縮率の高いH.264方式の需要が高まっている。 ところが、現在の配信技術では、MPEG-2とH.264といった異なる圧縮方式が混在する場合、全ての映像をMPEG-2、またはH.264に統一する必要があり、再符号化に伴うオペレータの手間や画質劣化、処理遅延などの問題が発生してしまうという。 そこで、同社では新たに「異種ビットストリーム対応スプライシング」と「異種ビットストリーム対応シームレス複合再生」の2種類の技術を開発。これらを導入することで、MPEG-2番組とH.264番組が混在したままでも、再変換することなく配信が行なえるようになる。 異種ビットストリーム対応スプライシングでは、バッファ制御技術とピクチャ変換技術の確立により、圧縮方式の異なる2つの番組の切替点も画像が乱れることなく、連続した再生が行なえる。切替点周辺のみのビットストリーム操作を行なうことで、画質劣化、処理遅延を最小に抑え、従来方式のように、圧縮形式を統一する必要がなくなるとしている。 異種ビットストリーム対応シームレス複合再生では、共通化した復号処理を用いることで、復号装置のリソースを最小限とした。 同社では現在、同技術による異種形式間の切替に関する制御信号フォーマット及び、出力映像ストリームに対する制約条件をITU-Tに勧告案として提案している。 □KDDI研究所のホームページ ( 2008年4月16日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|