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日本電信電話株式会社(NTT)は22日、動画投稿サイトなど、インターネット上のコンテンツに対して、特定の音楽や映像が含まれるかを検索する技術「ロバストメディア探索」を開発したと発表した。4月22日16時より、米BayTSPと共同で実証実験を開始。実験期間は9月30日まで。 実証実験では、BayTSPが、コンテンツホルダから預託された映像データに対し、NTTの特徴抽出技術を利用して特徴データを収集。また、BayTSPは動画投稿サイトなどにアップロードされた動画ファイルの一部を収集し、それらの動画ファイルからNTTが同様に特徴データを抽出して、データベース化。それらデータを照合して、NTTがコンテンツの特定作業を行なう。 今回の実証実験で著作権違反の動画などが発見された場合は、BayTSPが映像データを預託したコンテンツホルダに通達する。同社では、今回の実証実験結果を元に、今後のサービス事業化などの検討を進めるとしている。 ロバストメディア探索では、2種類の動画からそれぞれ特徴を抽出し、それらを照合して同じ動画かを特定する。 従来の技術では、映像の1コマを細かいブロックに分けて、各ブロックごとに計算した細かい特長数値を並べることで、長い数値列を生成。数値列同士を比較することで照合していたが、画質が圧縮などにより劣化した場合や、編集や、テロップ付与などの加工が行なわれた場合に、これら数値が大きく異なってしまうため、動画を特定することが困難だった。 今回開発したロバストメディア探索技術では、映像の1コマを粗いブロックに分けて、特徴に乏しい領域を除外。各ブロックの特徴数値を粗めに設定し、特徴データの一貫性を判定することで照合するため、精度が大幅に向上した。さらに映像の歪みなどにも対応できるため、映画館などで無断で撮影された映画の映像などでも、特定することができるという。 特徴抽出データの圧縮などにより、処理速度も向上。今回の実証実験では、1日数万件の処理要求に対応できる。特定に必要な映像の長さについては、内容により異なるが、特徴的なシーンを含む映像であれば最短2秒分で特定が可能としている。 音声についても、編集や加工に対する高い耐性を実現。複数の音楽をミックスしたり、原音に吹き替えなどの別音声を重ねた場合でも、それぞれを個別に検出できる。
NTTコミュニケーション科学基礎研究所の外村佳伸所長は、今回の技術について「動画投稿サイトが人気で、毎日数万件のアップロードがあるが、著作権違反の動画も多く投稿されている。こうした動画投稿サイトに自動で対応できるように、今回の技術を開発した」と説明した。
□NTTのホームページ ( 2008年4月22日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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