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株式会社東芝は、2007年度の通期連結決算を発表した。売上高は前年比8%増の7兆6,681億円、営業利益は8%減の2,381億円、純利益は7%減の1,274億円。増収ではあるが、損益は3年ぶりの減益となった。 減益の大きな要因となったのは、HD DVD事業終息にともなう損失計上や、NANDフラッシュメモリ価格下落による、半導体の営業損益の悪化。一方、PC事業や社会インフラ部門は大幅増益となっている。 ■ デジタルプロダクツはPC好調で増収。HD DVDの損失は1,085億円 デジタルプロダクツ部門については、売上高が5%増の2兆9,512億円、営業利益は8億円減少し、150億円。パソコン事業が国内外の販売増により増収となったほか、デジタルメディア事業において、テレビの売り上げが伸長した。テレビについては、「下期は黒字を確保した(村岡富美雄 代表執行役専務)」という。
減益の大きな要因はHD DVD事業。同事業は、2007年度をもって終息しているが、同年度に1,085億円の税引き前損失を計上した。内訳は、営業損益が602億円で、さらに、終息費用として483億円を計上した。なお、2007年度の売上は274億円。また、2006年度は売上高140億円、税引き前損益が340億円の損失であった。 村岡富美雄 代表執行役専務は、「当初予測では、1,100億円のマイナスの見込みとしていたが、その範囲内で終息を終えている」とした。なお、2008年度にも保守やサービスなどで、数10億円の損失を予想しているが、デジタルプロダクツ事業からは切り離して計上する。 パソコンは大幅な増収となり、売上高は7%増の1兆404億円、営業利益は343億円増の412億円。販売増に加え、コスト削減施策の実施などにより増益となった。なお、「HDDは減収だが3ケタ億円の利益、携帯も2ケタの利益」という。 2008年のデジタルプロダクツ部門の業績見通しは、前年比1,488億円増の3兆1,000億円、営業利益は550億円増の700億円を見込んでいる。HD DVD関連の損失がなくなることで、損益は改善し、テレビについては「若干の黒字を予想している」という。 なお、パソコンについては、112億円減益の営業利益300億円となる見込み。「パネルやメモリの値段が上がっていることや、市場の状況を慎重にみているため」としている。 ■ 半導体も価格下落が響き、減益に デジタルプロダクツ以外の部門においては、半導体や液晶を含む、電子デバイスが売上高5%増の1兆7,385億円、営業損益が456億円減の741億円。半導体においては、売上高は7%増の1兆3,919億円となったが、NANDフラッシュメモリの価格下落により、営業利益は393億円減少し、890億円となった。 社会インフラ部門は、売上高が前年比17%増の2兆4,190億円、営業利益は1,313億円。家庭電器は3%増の7,743億円で、営業利益は58億円減の39億円。社会インフラにおける電子システム事業は、海外を中心とした火力、電力系統などが好調で増収。家庭電器は、空調機器や冷蔵庫が好調だったが、建築基準法の改正や白物家電などの価格下落などにより、営業利益が減少した。 2008年度の連結業績予想は、売上高が前年比3,319億円増の8兆円、営業損益が同519億円増の2,900億円、純利益は同26億円増の1,300億円としている。 □東芝のホームページ ( 2008年4月25日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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