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TSUTAYAグループは、株式会社アクトビラの運営するデジタルテレビ向けビデオ・オン・デマンド(VOD)サービス「アクトビラ ビデオ」における、TSUTAYAの配信サービス「TSUTAYA TV」のコンテンツを6月6日より拡充し、同日午前8時よりリニューアルすると発表した。
これまで「TSUTAYA TV」では劇場映画の予告編や、ランキング情報など無料コンテンツのみ配信していたが、新たにパラマウント・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザース、NBC ユニバーサル・インターナショナル・テレビジョン・ディストリビューションのハリウッドメジャー4社の作品を6月6日より有料配信し、海外ドラマなどを含め計100作品がラインナップに加わる。 なお、「アクトビラ ビデオ」では既にソニー・ピクチャーズとFOXの作品が配信されているため、TSUTAYA TVで上記4社が追加されることにより、6大ハリウッドメジャー作品がそろうことになる。 TSUTAYA TVの視聴料金は、1作品315円~735円で、視聴期間は48時間または72時間。テレビシリーズの第1話は無料となるほか、4話以上の購入で割安となるパックプランも用意する。
初日に配信される作品は、ドラマの「HEROES」シーズン1(出演のマシ・オカ単独インタビュー含む)、「LOST」シーズン1、「デスパレートな妻たち」シーズン1。映画では「トランスフォーマー」や「オーシャンズ13」、「幸せのレシピ」などが配信。その後、順次「ブレイブ ワン」、「ボーン・アルティメイタム」などのタイトルが追加される。配信時期は、基本的に各作品のDVD発売後3カ月前後(コンテンツ提供元のレギュレーションから)となることから、同社は“新作”ではなく“新着コンテンツ”と呼んでいる。
タイトル数は、6月で約200タイトル、うち約7割の134タイトルをハイビジョンの「アクトビラ ビデオ・フル」コンテンツとなる予定。開始後約1年間で、約2,000タイトルを目指す。 また、決済には、通常のクレジットカードに加え、TSUTAYA会員の「Tポイント」でのコンテンツ購入にも対応。テレビ画面でポイント残高も確認できる。 コンテンツ拡充に合わせ、6日からはUI画面もリニューアル。検索性の向上を図り、上下方向の移動だけでなく、左右(次ページ/前ページ)にジャンプすることも可能となっている。また、TSUTAYAの一部店舗でもセル/レンタルを行なっているBlu-ray Discビデオ作品の紹介ページも新設。ページ内にQRコードを表示し、携帯電話のサイトからBDビデオを購入できるようになる。今後は、テレビで直接購入する手段についても検討しているという。
■ BDを含め“ハイデフの年”に
今回のコンテンツ拡充は、デジタルテレビ向け配信の本格展開と位置づけられており、TSUTAYAグループでデジタルコンテンツの供給事業を行なう株式会社TSUTAYA BBの執行役社長、渡邉健氏は配信事業やBDレンタル/販売などを含めたコンセプト「TSUTAYA 's YEAR of Hi Def」について説明。 「全国2,717万人のTSUTAYA会員に向け、Hi Def映像やBlu-rayディスクの素晴らしさを伝えるために全てのプラットフォームを活用する」としており、リアル店舗と、ネット配信/レンタル、テレビ向け配信の想定ユーザーを年代別で訴求する方針。 リアル店舗とケータイ向けはTSUTAYA会員数が最も多い20代中心、オンライン配信/レンタルなどは、(ネット会員である)「TSUTAYA DISCUS」会員の構成比が多い30代中心、TSUTAYA TVは(現状では比較的ハイエンド向けである)アクトビラ対応テレビの所有が多いと想定される40代中心にカバーするという。
TSUTAYA TVの目標会員数は「今期中5万人。(発表会が行なわれた)TSUTAYA TOKYO ROPPONGIの会員である7万3,000人に満たない規模だが、ハイデフにこだわったプレミアム感の高いサービスにしたい」と意気込みを語った。 テレビ向け配信を進める一方で、既に店舗でレンタル/セルを開始しているBDビデオとの棲み分けも明確にする方針。MPEG-4 AVC/H.264で約6Mbpsというアクトビラビデオ・フル配信を「地上デジタル放送とDVDの間の画質」との位置づけをユーザーに周知させた上で、「デジタル放送で満足されることは喜ばしい事態ではなく、高画質を求めるユーザーにBDを訴求することは至上命題」としている。 アクトビラ代表取締役副社長の久松龍一郎氏は、「昨秋よりスタートしたアクトビラ・ビデオは、半年で5大テレビメーカーにおいて計23(発売予定含む)の対応製品がそろった」とし、TSUTAYA TVについては「基本はHDだらけ」とコンテンツの充実を歓迎した。 一方、アクトビラのレギュレーションにより、1画面で5作品までの表示に限定されている点に対しては「現状約2,000タイトルほどあるアクトビラビデオの作品は既に探しにくくなっている」と認め、「例えばレコメンドエンジンの採用や、ユーザーごとのカスタマイズなど、UIを使いやすく、分かりやすくすることは計画している」と改善の方向性も示した。
□TSUTAYAのホームページ ( 2008年6月5日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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