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株式会社富士キメラ総研は、液晶テレビや有機ELテレビ、デジタルレコーダなど、コンシューマ向けAV機器50品目における国内市場規模を調査。17日にその報告書をまとめた。薄型テレビやレコーダの低価格化が進むことで、市場規模は2007年の1兆8,189億円(前年比102.6%)から、2012年に1兆6,908億円('07年比93%)に減少すると予測している。 この調査は、富士キメラの調査対象先や関連企業への取材、データベースの活用などにより導き出されたもので、調査期間は2008年4月~5月。50品目には薄型テレビ、レコーダ、シアターシステム、スピーカー、アンプなどに加え、カーナビ、PNDなども含まれている。
■ AV機器 テレビ市場では、2007年で93%の薄型テレビ比率が、2010年に100%に達すると予測。牽引する液晶テレビは2007年で6,300億円(前年比112.5%)、プラズマは1,350億円(同103.8%)と市場が拡大しているが、低価格化も進んでいることから、2010年に金額ベースで縮小に転じると予測。2012年には台数ベースでも縮小し、薄型テレビ全体で約1,000万台規模に落ち着くと予想。金額も液晶が5,050億円(2007年比80.2%)、プラズマが880億円(同65.2%)とする。 有機ELはサイズや歩留まりの問題から生産数量が限られ、市場が限定的だが、「技術革新により大型化や歩留まりが向上。さらにサムスン電子や東芝などの参入メーカーが出揃うこともあり2010年頃から徐々に市場が拡大していく」と予想。市場規模は2007年は3億円だが、2012年には300億円と、100倍の規模になるとしており、数量ベースでも20万台になるとしている。 レコーダでは、Blu-rayに規格が統一されたことで買い控えをしていたユーザーを中心に需要が増え、順調に市場が拡大。2007年のBDとHD DVDレコーダを合わせた市場規模は285億円(前年比4.1倍)だが、2012年には2,450億円となり、2007年と比べ8.6倍になるとする。プレーヤーも9億円(前年比9倍)から、2012年には123億円(2007年比13.7倍)と予想している。 なお、2007年におけるDVDレコーダ/プレーヤーの市場は625万台、1,590億円だが、2012年のBlu-rayレコーダは360万台で、2,450億円。プレーヤーは35万台/123億円と予想され、合計すると395万台/2,573億円となり、金額では2007年のDVDを抜くことになる。 単体ワンセグテレビは防水仕様の浴室テレビなどを中心に増加しているが、携帯電話や携帯ゲーム機、ポータブルプレーヤーでのワンセグ対応が進んでいることから、単体での市場拡大は難しいと判断。2007年の12億円に対し、2012年には47億円と、2007年比3.9倍に止まるとする。
■ 携帯電話やゲーム機など 50品目のAV機器に加え、携帯電話やゲーム機、デスクトップ/ノートPC、メモリーカードなど、10品目についても調査。全体の市場規模は2007年の3兆2,228億円(前年比107.7%)から、2012年は2兆6,538億円(2007年比82.3%)と予測している。
現在同市場の約60%を占める携帯電話については、端末割賦販売の導入により買い替えサイクルが長期化を予想。デジタルフォトフレームはカメラ系量販店でのコーナー設置増加により認知度が拡大し、市場も拡大。結婚や出産などでのプレゼント需要が見込めるほか、2008年以降は新規参入メーカーの増加や取り扱い店舗の増加などにより市場拡大が継続。2007年の7億円から、2012年には42億円と、6倍になるとしている。
□富士キメラ総研のホームページ
(2008年6月17日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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