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社団法人日本民間放送連盟(民放連)は20日、3月に実施した「地上デジタルテレビ放送世帯普及状況調査」の結果を発表。対応受信機の世帯普及率は43.3%となった。 調査は、全国の2人以上の普通世帯18,000世帯を対象に行ない、回収された14,443世帯からの回答を集計。地上デジタルテレビ放送対応受信機を所有する世帯は43.3%で、アンテナなどが接続され、実際に視聴可能な世帯は全体の34.8%だった。 世帯年収別に見ると、年収1,000万円以上の世帯では所有世帯が61%、視聴可能世帯が51%となった一方、199万円以下の世帯では所有世帯24.2%、視聴可能世帯19%で、年収の高い世帯ほど割合が高い。 住居形態別での所有率は持家戸建が46.7%、分譲マンションが49.4%と半数近いのに対し、賃貸戸建は31.6%、賃貸マンション・アパートでは33.2%と、3割程度となっている。所有世帯に占める視聴可能世帯の割合でも、賃貸に比べ持家の方が比率が高く、賃貸では受信機を所有していても設備などの関係で実際は見られないという割合が比較的高いと見られる。 調査したテレビのうち、地デジ対応は23.6%。実際に視聴できるテレビは全体の18.8%だった。なお、不明(無回答)は12%で、所有するテレビの対応/非対応が判断できないケースも少なくないことが分かる。また、パソコン(各世帯2台まで)では地デジ対応が9.5%で、実際に視聴可能なパソコンは全体の5.6%。 入手時期別でのテレビの地デジ対応状況は、10年以上前に入手した場合は4.4%だったが、2007年9月以降に入手した製品では88.8%が対応。ただし、2007年9月以降に入手した場合でも7.7%は地デジ非対応となっている。 テレビで視聴可能な世帯を受信形態別(複数回答)で見ると、個別UHFアンテナが37.5%、集合住宅の共同アンテナが17.2%、受信障害対策用の共同アンテナが1.9%、CATV経由が40%、その他が2.6%。個別UHFアンテナという回答のうち、既設のアンテナをそのまま利用したケースは46.2%。既設のアンテナを調整したという回答は8.6%で、39.8%は新たにアンテナを設置した。 ■ 視聴できない理由の42%はアンテナ
対応テレビを所有しているが視聴できない1,120世帯にその理由を尋ねると、「放送エリア内だがアンテナが未対応」という回答が42.9%。「放送エリア外」は10.8%、「ケーブルテレビ未対応」は8.4%。なお、「その他」が22%と多かったほか、「不明」も15.9%となっており、詳細な実態は見えにくい状況となっている。 現在受信機を所有していない(不明含む)世帯の購入意向は、「1年以内に購入したい」が29.1%。この世帯が実際に購入すると、2008年度末には世帯普及が6割程度に達すると見込まれる。未所有世帯の38%は「将来(1年後以降)に購入したい」と回答しており、これらの世帯も購入した場合は普及率が8割程度に達するという。 一方で、未所有世帯の32.9%(全世帯の18.7%)は購入意向を持っていない。特に年収が低い世帯では購入意向が低く、民放連は「今後の周知広報や支援などによるデジタル化促進策が重要になる」としている。 地域別では、世帯普及率が最も高いのは信越(50.6%)で、東海(48.3%)、北陸(46.9%)が続いている。視聴可能率も同じく信越(43.2%)、北陸(39.6%)、東海(38.3%)が高い。一方、最も低いのは沖縄で、普及率は28.2%、視聴可能率は19.7%となっている。
□民放連のホームページ ( 2008年6月20日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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