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株式会社ディーアンドエムホールディングス(D&M)と、米国の投資会社Bain Capitalは20日、Bain Capitalが新たに設立する特別目的会社を通じ、D&Mの全株式取得を目指す公開買い付け(TOB)を実施することで合意したと発表した。7月25日までに、1株当たり510円で買い付けを開始する予定。順調に進んだ場合、D&MはBain Capitalの完全子会社化し、上場廃止となる見込み。 2008年5月31日時点のD&Mの発行済株式総数は93,437,714株であるため、買収総額は476億円程度になる見込み。D&Mは、2002年5月にデノンと日本マランツの経営統合により誕生。買収などによりマッキントッシュ、ボストン・アコースティックス、スネル・アコースティックス、エシェントなどを傘下に持っている。 D&Mの取締役会会長兼CEOのエリック・シー・エヴァンズ氏は今回のTOBについて、「戦略的オプションを徹底的に精査した結果、Bain Capitalとの取引が、総合的に見て、株主にとってベストであると判断した。優れた投資実績をもつBain Capitalとの強力な連携の下で、更なる成長を目指した積極的な事業展開が可能になる」とコメント。今後はコンシューマー/コマーシャル/車載用事業において、「更なる買収と成長を追求していく」としている。 一方のBain Capitalは、総額8兆2,000億円以上の資産を運用している投資会社で、バーガーキング、トイザらス、ワーナー・ミュージック・グループ、センサータ・テクノロジーズなど、累計300社以上への投資/支援、追加買収などを行なっている。今回のTOBにあたっては、D&Mの現在の親会社であり、全株式の48.5%(45,323,160株)を保有しているRHJインターナショナルSAも公開買い付けに応じる予定。今回のTOBで取得に至らなかった株については、二段階買付も行なう予定で、Bain CapitalはD&Mの全株式取得を目指している。
■ ケンウッドは出資報道を否定
なお、この件に関しては、6月21日付けの一部報道で「買収完了後に、ケンウッドがBain CapitalからD&M株を取得。最大10億円を出資する」と報じられたが、同日にケンウッドは「現時点で具体的に決まったことは無い。日本ビクターとの経営統合により企業価値を高めることが最重要課題と考え、最大限の努力を行なっているところ」というコメントを発表している。
□D&Mのホームページ
(2008年6月23日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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