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「MM総研大賞」でソニーの有機ELテレビ「XEL-1」が大賞に
-都内で表彰式。「iPod touch」、「初音ミク」も受賞


大賞の楯を受け取るソニーの業務執行役員SVPディスプレイ開発本部長・占部哲夫氏

7月8日開催


 MM総研は、7月8日、「MM総研大賞2008」の表彰式を、東京・白金台のシェラトン都ホテル東京で開催した。

 MM総研大賞は、IT分野において、新商品、新市場の開拓に積極的に取り組んでいるベンダーを表彰するもので、2004年の創設以来、今年が5回目となる。

 コンシューマ、ビジネスの両分野から「最優秀部門賞」4製品を選ぶほか、IT産業に大きなインパクトを与え、話題を集めた製品/サービスに対して「MM総研大賞話題賞」を選出。さらに、昨年から創設したモノづくり分野における代表的な商品を表彰する「ものづくり優秀賞」を選出した。

 また、選出された最優秀部門賞4、ものづくり優秀賞2、話題賞8の合計14商品のなかから、IT産業の発展に最も寄与した製品・サービスを、「MM総研大賞」として表彰した。

XEL-1

 大賞となったのは、ソニーの有機ELテレビ「XEL-1」。同製品は「ものづくり優秀賞」でも表彰されている。

 MM総研では、表彰理由として、「XEL-1は商用製品としては、世界初の有機ELテレビで、有機EL技術、積層基板技術、高密度実装技術といったソニーのものづくり力の高さを証明したこと」をあげている。

 表彰式で挨拶したソニーの業務執行役員SVPディスプレイ開発本部長・占部哲夫氏は、「ここに来るまで長い道のりがあった。ソニーは、1994年から有機ELの開発に着手したが、最初は、ちゃんとした色が出なかった。それをディスプレイとして開発しようと決めたのが98年。2001年には、試作品が完成したが そこから、昨年12月に商品として出すまで6年を要した。試作品を1台作るのと、商品を作るのとでは天と地ほどの差がある。有機ELの材料、装置開発、商品として成り立たせるための社内のセット部門との協業の積み重ねによって、初めて商品として出すことができた」と振り返る。

挨拶するソニーの業務執行役員SVPディスプレイ開発本部長・占部哲夫氏

 続けて「我々は、有機ELが持つ潜在力に魅せられて、夢を持ってやってきた。これが世界初の商品として、市場に出すことができた原動力となっている。商品として出すことによって、有機ELという言葉をこれまで耳にしなかったような、お茶の間の人が知ってくれたことでは意味があった。ディスプレイ技術は、日本がダントツであったが、いまでは、台湾、韓国、中国といった国が台頭してきている。ソニーは、有機ELで、モノづくりをリードしていく立場を確立し、有機EL産業を日本のなかに定着させたい。日本は材料メーカー、装置メーカーも優秀であり、こうしたメーカーと一致団結して、日本の先進性を保ち、日本のなかから、強いモノづくりによる商品を出し続けていく」とした。

 一方、最優秀部門賞には、ブルーレイディスクレコーダー部門では、松下電器産業のブルーレイDIGA「DMR-BW900」が、ユビキタス端末部門では、アップルの「iPod touch」が、ISPサービス(FTTH)部門では、NTTコミュニケーションズの「OCN 光サービス」が、運用管理ソフトウェア部門では、日立製作所の統合システム運用管理「JP1」が、それぞれ選ばれた。

 また、ものづくり優秀賞では、ソニーの有機ELテレビ「XEL-1」のほか、NECの超小型マイクロ波通信システム「PASOLINK」が選ばれたのに加え、話題賞では、NTTグループの「NGNサービス」、ウォルト・ディズニー・ジャパンの「ディズニー・モバイル」、パナソニックモバイルコミュニケーションズの「VIERAケータイ」、工人舎の「KOHJINSHA SHシリーズ」、ニワンゴの「ニコニコ動画」、クリプトン・フューチャー・メディアの「初音ミク」、富士通の安心安全ソリューション「SafetyValue」、ビジネスオンラインの「ネット de 会計」が、それぞれ選ばれた。


DMR-BW900 iPod touch 初音ミク

審査委員長を務めた東京大学・石田晴久名誉教授

 審査委員長を務めた東京大学・石田晴久名誉教授は、「審査委員の審議だけでなく、MM総研の膨大な調査をもとに選定したものである。審査を通じて感じたのは、日本のものづくりは衰えていない、世界に冠たるものがあるという点。日本のものづくりの前途にも明るいものを感じた」とした一方で、「ユビキタス端末部門で最優秀賞となったアップルのiPod touchは海外メーカーの製品ではあるが、日本の企業の部品が数多く使われており、日本の技術力がないとできないもの。ただし、デザインは学ぶところがある」などとした。

 審査は、製品およびサービスの「認知度」、「信頼性」、「親しみ易さ」、「使い易さ」、「多機能性」、「革新性」、「独創性」、「企業の取り組み」などを総合的に評価。さらに、2,000人の個人消費者やビジネスユーザーを対象にしたアンケートを通じて評価し、審査委員会にて最終選定する。

 なお、審査委員会は、審査委員長の東京大学・石田晴久名誉教授のほか、審査委員として、富士通総研経済研究所客員研究員であり、国際大学グローバルコミュニケーションセンター主幹研究員の前川徹氏、シンクタンク・ソフィアバンク副代表であり、法政大学大学院 客員教授の藤沢久美氏、商品ジャーナリストの北村森氏、MM総研・横田英明取締役の各氏で構成している。

 MM総研代表取締役の中島洋所長は、「MM総研大賞は、ユビキタス社会のなかで、成長のある、元気のある製品、サービスを表彰しようということから始めたものである。ものづくりに関連した領域において、競争力が出てきたことは喜ばしい。大賞を獲得したソニーの有機ELテレビのXEL-1は、驚愕するような、画像品質を誇るものである。次の世界をリードする製品ともいえる。一方、話題賞のなかでもキラキラするものが出てきたことがうれしい。来年以降、話題賞のなかから、大賞を受賞するものが出てくることになるのではと期待している」と挨拶した。


MM総研代表取締役の中島洋所長 表彰式に出席した受賞者


□MM総研のホームページ
http://www.m2ri.jp/
□「MM総研大賞2008」審査結果
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120080612500

( 2008年7月8日 )

[Reported by 大河原克行]


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