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ソニー、東芝松下、シャープなどが大型有機ELを共同開発
-2010年代後半に40型フルHDで40W以下。材料/製造メーカーも


7月10日発表


 ソニー東芝松下ディスプレイテクノロジーシャープ出光興産など11社/研究所は10日、大型有機ELディスプレイの基盤技術を共同で開発することを明らかにした。40型のフルHDパネルで、消費電力40W以下など、2010年代後半に40型以上で、低消費電力の有機ELを量産実用化することを目指す。研究開発期間は2008年から2012年までの5年間。事業費は年間約7億円を目安としている。

 これは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)が手掛ける、「次世代大型有機ELディスプレイ基盤技術の開発(グリーンITプロジェクト)」事業として実施される。同プロジェクトの実施にあたり、NEDOは4月11日~5月20日の間に公募を実施。審査の結果、ソニー、東芝松下ディスプレイテクノロジー、シャープのパネルメーカー3社や、材料メーカーの住友化学、出光興産、製造機器メーカーの大日本スクリーン製造などに委託することが決定した。

 【参加企業/研究所】

  • ソニー株式会社
  • 東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社
  • シャープ株式会社
  • 住友化学株式会社
  • 出光興産株式会社
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
  • 長州産業株式会社
  • JSR株式会社
  • 株式会社島津製作所
  • 大日本スクリーン製造株式会社
  • 日立造船株式会社
 プロジェクトの目的は環境問題の側面から、ディスプレイの消費電力低減を目指すことにあるため「グリーンITプロジェクト」と名付けられている。しかし、有機ELディスプレイは消費電力が少ないものの、現状では大型化の製造技術は開発されておらず、各社が独自に開発するには、巨額の投資が必要という問題点があった。そこで、基盤技術を共同開発することで、開発研究費の負担低減や、早期実用化を実現する狙いがある。

 具体的に研究/開発される事項は以下の通り。

  • 低損傷大面積電極形成技術の開発
    • 有機膜に損傷を与えずに、可視光損失率が低く、かつ、シート抵抗値の低い電極を、大面積にわたって均質に形成するための材料技術・製造プロセス技術
  • 大面積透明封止技術の開発
    • 有機膜や電極に損傷を与えずに、可視光損失率が低く、かつ、有機膜の発光特性の経時安定性を保つために、高いバリア性を有する封止膜の材料・構造、製造プロセス技術
  • 大面積有機製膜技術の開発
    • 高い発光効率を示す有機EL素子用材料に対して、大面積であっても高精細なパターニングの可能性を有し、さらに、画素内および画素間にわたる高度な均質性が得られる有機膜製造プロセス技術
  • 大型ディスプレイ製造に向けた検証
    • これらの個別要素技術の統合を通じて、フルHD 40型以上の有機ELディスプレイに対して想定される消費電力が40W以下となること、および、開発した各基盤技術がG6サイズ(1,500×1,850mm)以上の基板に対して適用可能で高生産性を実現できること、を客観的な技術データをもって示す

□NEDO技術開発機構のホームページ
http://www.nedo.go.jp/
□ニュースリリース
https://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/koubo/EA/nedokoubo.2008-06-30.4382574656/

(2008年7月10日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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