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ビクター、YouTubeアップロード機能付きビデオカメラ
-キーボードに触らずアップロード可能。実売5万円


7月中旬発売

標準価格:オープンプライス


 日本ビクター株式会社は、ビデオカメラ「Everio」(エブリオ)の新ラインナップとして、撮影した動画を手軽にYouTubeへアップロードできる機能を備えた「GZ-MS100」を7月中旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後の見込み。

 記録媒体はSDカードのみ。SDカードは別売で、16GBまでのSDHCカードに対応している。基本は、MPEG-2 PS、音声はドルビーデジタルのステレオで録画するビデオカメラだが、YouTubeへの「ワンタッチアップロード機能」を備えているのが特徴。

 付属の変換/アップロード機能を備えた付属ソフト「PowerCinema NE for Everio」をPCにインストール。ビデオカメラを使用中に、「これから撮影する動画はYouTubeにアップロードしたい」という場合に、本体に備えた「UPLOAD」を押すと、液晶モニターに10分のカウントダウン表示が現れ、YouTubeアップロード時の1ファイル長さ制限である10分以内の動画が撮影できる。

本体側面に備えた「UPLOAD」ボタン ONにすると、撮影時間が10分以内に制限される

 撮影された動画ファイルには「YouTubeアップロード用に撮影されたファイル」というフラグ情報が付与される。次に、ビデオカメラをPCとUSB接続すると、前述の変換/アップロードソフトが自動起動。フラグを読み取り、YouTube用に撮影された動画のみがリストアップされる。アップロードしたいファイルにチェックを付け、アップロードボタンを押せば掲載完了。「多数の動画が保存されていてもYouTube用の動画を手軽に見つけ出せる。最後までキーボードを使わずにアップロードできる手軽さにこだわった」という。

 そのため、動画のタイトルは「MOV00A(ファイル名)」、説明文には「Everio Videos」、タグには「Everio」と自動的に入力され、アップロードされる。変更したい場合はアップロード後にWebブラウザからYouTubeにログオンし、変更する。

PCとUSB接続すると、あらかじめインストールしておいたアップロード用ソフトを起動できる YouTube掲載用フラグのある動画のみがリストアップされる ログイン情報も、一度入力しておけば次回から入力せずに済む
掲載するカテゴリや、公開するか否かなどを指定する。タイトルや説明文などは自動的に挿入されている アップロード中の画面。アップロードだけでなく、ファイル変換も行なわれている アップロードされた動画

 なお、カメラの「YouTubeアップロード用ボタン」を押しても、撮影フォーマットはMPEG-2 PS/ドルビーデジタルステレオ音声から変更されず、ビットレートモードもボタンを押す前のものと変わらない。同ボタンの機能は「1ファイルの撮影時間を10分以内に制限すること」と「フラグ情報を付与」することのみで、アップロード時にソフトウェア側で映像はWMVの640×480ドット、音声はWMAのファイルに変換しながらアップロードされる。YouTube側の制限に沿って、ファイルサイズは100MB以内、同時アップロード可能なファイルは10個となる。

 録画モードはウルトラファイン(720×480ドット/9Mbps)、ファイン(720×480ドット/6Mbps)、ノーマル(720×480ドット)、エコノミー(352×240ドット)を用意。720×480ドットだけでなく、352×240ドットの動画も640×480ドットのWMVに変換/アップロードされる。

 撮影時にYouTubeが推奨するフォーマット/解像度で録画せず、アップロード時にソフトウェア変換する理由について、カムコーダー事業部商品企画部室の武富浩一郎主席は「YouTube用に特化するのではなく、まずはビデオカメラとしての基本性能をしっかり装備したかった。撮影時にYouTube用のファイルのみしか作らないと、後でDVDビデオなどにする場合に様々な解像度/画質のファイルが混在することにもなる」と説明。基本はビデオカメラであり、付加価値としてYouTubeへの手軽なアップロードを支援するという基本コンセプトをアピールした。

 なお、「PowerCinema NE for Everio」は変換/アップロード機能以外も持っているが、編集機能は備えておらず、再生やDVDへのライティング機能のみとなる。そのため、10分以上ある動画を後からYouTubeにアップロードしたい場合は、別途他の編集ソフトなどを使う必要がある。付属ソフトの対応OSはWindows XP/Vista。


■ ビデオカメラとしての機能性能

 外形寸法54×111×68mm(幅×奥行き×高さ)、バッテリを含む重量は約270gと、現行の小型HDDムービー「GZ-MG330」と比べても約30%の軽量化を実現。USB端子に加え、ミニプラグを介したAV出力にも対応。Everio専用DVDライターである「CU-VD3」との連携も可能で、PCレスでのDVDビデオ作成も行なえる。

外形寸法54×111×68mm(幅×奥行き×高さ) 上部から見たところ
底面にSDカードスロットを備える 付属のバッテリ 画面脇のバーに触れるだけで操作が可能な「レーザータッチオペレーション」

レンズはコニカミノルタ製

 撮像素子は1/6型の68万画素CCDで、有効画素は動画(4:3)/静止画のどちらも34万画素、16:9の動画時は38万画素。レンズはコニカミノルタ製で、焦点距離は35mm換算で41~1,435mmの光学35倍ズーム。F値は1.8~4.0。電子式手ブレ補正も供える。フィルター径は30.5mm。最低照度は12ルクス。

 JPEG静止画撮影も可能。動画用の高画質化回路として独自の「ギガブリッド」エンジンを搭載。液晶モニターは2.7型ワイドで、11.2万画素。画面脇のバーに触れるだけで操作が可能な「レーザータッチオペレーション」も採用。高速起動モードなども備えている。付属バッテリでの連続撮影時間は約2時間5分。実撮影時間は約1時間5分。


■ ビデオカメラとしての機能性能

 同製品は既に米国で投入されているが、日本での展開を決定したことについて武富氏は、「国内でインターネットを利用している人の66%がブロードバンド回線を利用している。また、1日あたりのネットメディアの利用時間も平均で72分と伸びている。これらには、動画共有サービスの浸透が大きな要因であり、その中でもYouTubeが特に人気」と説明。「ビデオカメラの楽しみ方として撮る、見るに“共有する”が加わり始めている。新しいユーザーに、その楽しみ方を提案したい」という。

 なお、日本ではニコニコ動画など、YouTube以外の動画共有サービスも人気を集めている。しかし、Webブラウザ経由からのみのアップロードに対応しているサービスが多く、仕様的にビデオカメラ用のプログラムに共有サービスへのアップロード機能を組み込むことが難しい場合が多い。YouTubeはそのハードルをクリアできるサービスであり、「ブラウザを使わずにアップロードできるという手軽さに、まずはこだわって開発した」としている。

カムコーダー事業部商品企画部室の武富浩一郎主席 撮る、見るに“共有する”を追加する提案

□日本ビクターのホームページ
http://www.jvc-victor.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.jvc-victor.co.jp/press/2008/gz-ms100.html
□製品情報
http://www.jvc-victor.co.jp/dvmain/gz-ms100/index.html

(2008年7月16日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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