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マランツコンシューママーケティング株式会社は、ピュアオーディオ用単品コンポのベーシックシリーズをリニューアル。8003シリーズと7003シリーズの2ラインで、SACDプレーヤーとプリメインアンプを2機種ずつ、合計4機種を9月下旬に発売する。価格は下表の通り。
共通している特徴は、“M-1”と呼ばれるデザインを採用したこと。「スタイリッシュでシンメトリカル」をキーワードとしたデザインで、音質を追求した結果、分割サブフレーム構造を取り入れている。フロントを3ブロックに分割し、高剛性のガラス繊維強化レジン製曲面パネルでセンターのメタル素材を挟んでおり、異なる材質を組み合わせた事で不要な振動を吸収させた。なお、いずれのモデルのカラーリングもシルバーゴールドを採用している。
■ 8003シリーズ ・SA8003
「SA8003」が、SACD/CDプレーヤー。SACDのマルチチャンネルには対応していない。新開発のオリジナルメカモジュールを採用しているのが特徴で、トレー部分にケブラーの約2倍の強度を持つというザイロンを採用。引張強度・弾性率が高く、防振/制振効果、遮音効果に優れており、読み取り精度向上と高S/N比を実現したという。大口径のディスククランパーや防振用の鉄板投入などもこれらの向上に寄与している。 DACには、シーラスロジックの「CS4398」を採用。SACDの1bit DSD信号だけでなく、CDの16bit PCM信号も高精度に処理できるという。出力バッファには、独自回路のHDAM-SA2を採用している。
フロントパネルにUSB端子を備えており、マスストレージクラスに対応したポータブルプレーヤーなどを接続可能。保存されたWMA/MP3/AAC/WAVの再生に対応する。第5世代以降のiPodを接続してのデジタル伝送も可能で、内蔵DACを使った高音質な再生が行なえるという。
対応ビットレートはWMAがCBR 48~320kbps/VBR 上限384kbps。MP3が32/40/48/56/64/80/96/112/128/160/192/224/256/320kbpsとVBR。AACが8~320kbps。PCM(16bit)を含め、サンプリング周波数はいずれも32/44.1/48kHzをサポート。CD-R/RWに記録したMP3/WMAも再生できる。
内部配置は、センターにメカモジュールと電源トランスを設置。左側に電源回路とコントロール系、右にアナログ電源とデジタル/アナログオーディオ回路を配置。電源トランスはトロイダル型で、外周にコアリングとショートリングの2重シールドで漏洩磁束を低減。デジタル/オーディオ回路やディスプレイなどには、それぞれトランス捲き線から分け、後段の整流回路や平滑回路も独立させることで相互干渉を排除している。 アナログ回路用電源のブロックケミコンには、試作や試聴を繰り返して開発したというカスタム品を採用。ほかにも、オーディオ用電解コンデンサやフィルムコンデンサ、整流回路のショットキーバリアダイオードなど、高品位なパーツを投入し、低ノイズ化。ヘッドフォン回路には、オペアンプの出力に高速電流バッファを付加したものを使用している。 メインシャーシには1.5mm厚の黒色塗装鋼板を加えた2層構造のダブルレイヤードシャーシを採用。出力端子は光デジタル、同軸デジタル、アナログ音声(RCA)、ヘッドフォン端子を各1系統用意。アナログ出力端子は真鍮削り出しで金メッキ加工を施している。電源ケーブルは着脱可能なタイプを採用。 アンプのPM8003などを操作できるリモコンも付属。システムコントロール用端子も備えている。SACDの周波数特性は2Hz~50kHz。ダイナミックレンジは112dB、S/Nは110dB。外形寸法は440×343.5×108.5mm(幅×奥行き×高さ)。重量は7.8kg。
・PM8003
プリ部とパワー部をディスクリートパーツで構成する、独自の電流帰還回路を採用したプリメインアンプ。定格出力は70W×2ch(8Ω)、100W×2ch(4Ω時)。全高調波歪率は0.02%。高域の位相回転が少なく、ローノイズでハイスピードなドライブが行なえるという。 電流帰還型プリ/パワーや、フォノイコライザー用電圧/電流変換回路には、上位モデルのSC-11S1で開発された「HDAM-SA3」アンプモジュールと同等の回路を採用。電源部にはSACDプレーヤーと同様に2重シールドを施したトロイダルトランスを使用。そのほか、多数のカスタムパーツも使用している。 MMカートリッジに対応したフォノイコライザも内蔵。SC-11S1用に開発されたコンスタント・カレント・フィードバック型回路をMMカートリッジ用に特化して搭載している。トーンコントロールも備えているが、同回路やバランス回路をバイパスするソースダイレクトモードも利用できる。
モーターボリュームにはダイキャストフレームを使用。シャーシはインシャーシに加え、1.5mm厚の黒色塗装鋼板を2枚重ねた3層構造を採用。パワーアンプダイレクト入力も備えており、シアター用スピーカーのフロントとピュア用ステレオとして共用することもできる。
入力端子はアナログ音声(RCA)×3系統、レコーダ入力×2系統、フォノ、パワーアンプダイレクトを各1系統。出力はレコーダ出力×2系統と、プリアウト1系統、ヘッドフォン端子を用意。CD入力端子には端子の直近に専用入力バッファアンプを搭載。低インピーダンス化するとともに、チャンネルや入力ソース間の干渉を低減する。
スピーカーターミナルはバイワイヤリング対応。オリジナルのスピーカーターミナルを採用し、Yラグやバナナプラグにも対応する。S/N比はライン入力が90dB、フォノが87dB。外形寸法は440×379×129.8mm(幅×奥行き×高さ)。重量は12kg。SA8003なども操作できるリモコンが付属。システムコントロール用端子も備えている。電源コードは着脱可能。
■ 7003シリーズ ・SA7003 SA8003と同様に、新開発のオリジナルメカモジュールを導入したSACD/CDプレーヤー。SACDのマルチチャンネルには非対応。出力バッファにはHDAM-SA2を採用している。DACも同じ「CS4398」を使用している。 最大の違いはUSB端子を備えていないこと。CD-R/RWに記録したMP3/WMAの再生はサポートしている。シャーシの構成も異なっているほか、アナログ出力端子のコネクタも真鍮削り出しのSA8003に対し、通常の金メッキ処理タイプとなっている。
出力端子は光デジタル、同軸デジタル、アナログ音声(RCA)、ヘッドフォン端子を各1系統用意。電源ケーブルは着脱可能。SACDの周波数特性は2Hz~50kHz。ダイナミックレンジは112dB、S/Nは110dB。外形寸法は440×339.5×107mm(幅×奥行き×高さ)。重量は5.9kg。リモコンも付属し、システムコントロール端子も備えている。 ・PM7003 プリメインアンプの「PM7003」は、上位モデルと同様に、プリ/パワーをディスクリートパーツで構成した独自の電流帰還回路を採用。アンプモジュールにはHDAM-SA3を採用している。定格出力は70W×2ch(8Ω)、100W×2ch(4Ω時)。全高調波歪率は0.02%。 2重シールドのトロイダルトランスやダイキャストフレーム採用のボリュームなどは備えていないが、CD入力端子直近のダイレクトバッファアンプや各種カスタムオーディオパーツの投入などは共通している。
MMカートリッジ用フォノイコライザも内蔵。プリアウト/パワーアンプダイレクト入力も用意する。バイワイヤリング対応のスピーカーターミナルを採用。入出力端子の種類や数は上位モデルと同じ。S/N比はCD/ラインが88dB。フォノが85dB。外形寸法は440×368×126.8mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10.5kg。リモコンやシステムコントロール用端子も装備。電源コードは着脱可能。
□マランツのホームページ
(2008年8月8日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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