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ソフトバンクモバイル株式会社は30日、携帯電話の2008年秋冬向けモデルを16機種発表した。大型のタッチパネル液晶を備えたモデルを4機種ラインナップしているのが特徴。 また、iPhone 3Gでワンセグ視聴を可能にする周辺機器や、絵文字への対応なども発表された。これらの情報については、別記事としてまとめている。ここでは携帯電話の新製品をメインに紹介する。
ワンセグ搭載モデルはシャープの931SH/930SHと、カシオの830CA、東芝の830T、サムスンの930SC。音楽再生対応機種のうち、PC向け音楽配信で取得したWMAファイルを、専用ソフトを使って手軽に転送できる「S!ミュージックコネクト」には、931SH/930SHと930SCの3機種が対応する。
シャープの「AQUOSケータイ」“FULLTOUCH”931SHはスライド式。3.8型の液晶を備え、同サイズでは世界初となる1,024×480ドット(ハーフXGA)解像度のパネルを採用しているのが特徴。タッチパネル対応NewモバイルASV液晶で、フルブラウザでのホームページ表示やワンセグなどで、高精細画面を活かした表示が可能。ワンセグとメールの2画面表示などもサポートする。
液晶テレビAQUOSの高画質技術が投入され、映像調整には新たにテレビと同様の色調整を加えた「SVエンジン+」や、ワンセグのフレームレートを2倍の30fpsに変換する「なめらかフレーム補間」も搭載している。
機能面では新サービス「モバイルウィジェット」に対応した。PC向けのウィジェットと同じようなもので、ニュースや天気予報、地図情報などのアプリを待ち受け画面の好きな場所に配置。触れるだけで起動し、好みの機能にすぐアクセスできる。11月下旬の端末発売とともにサービスを開始。931SHにはあらかじめ13個のウィジェットがプリインストールされている。 仕様や開発ツールをオープンにし、様々なプログラムを受け付け、ユーザーに提供する「ウィジェットストア」も開設。賞金総額1,000万円のプログラムコンテストを実施するほか、ボーダフォンなどと連携して海外展開も計画しているという。
ウィジェットにはモバゲーやニコニコ動画、mixi、マイスペース、ヤフーなども参加予定。SNSや動画鑑賞などにも利用できるようになる。発表会では参加する各社の代表が挨拶に登壇。ニワンゴの杉本誠司社長はウィジェット用のニコニコ動画ビューワーの開発を進めていることも明らかにした。同時に、iPhone 3G用にもビューワーアプリを開発中であることを明かし「順調に開発は進んでいます。機能面や表現方法の部分でニコニコ動画らしさを出せるよう、工夫している段階」と語った。
なお、こうしたアプリ以外にも、携帯電話用のニコニコ動画モバイルが、ソフトバンク向けに「Yahoo! ケータイ」の公式コンテンツとして11月4日から提供される。
カメラ機能では、29mmの広角レンズと520万画素CMOSを採用。6軸手ブレ補正と動き検出被写体ブレ補正の2つの補正機能も備える。そのほか、Wikipediaなどのネット辞書に対応した「スマートリンク辞書」や、電話機を裏返すだけで着信音やバイブを一時停止できる「クイックサイレント」などの機能も利用できる。
■ そのほかのワンセグ対応は4モデル シャープの930SHは、3型/480×854ドットのNewモバイルASV液晶を搭載する折り畳み型端末。のぞき見防止の新ベールビュー機能や、太陽光などの乱反射を抑える「リフレクトバリアコート」を採用し、屋外での利便性を高めた。ワンセグの30fps変換にも対応。録画中のタイムシフト再生も行なえる。 薄さ15.2mmながら、800万画素CCDのカメラ機能を持つことも特徴。顔優先AFや、夜景撮影向けの長時間露光、ISO2500までの高感度撮影も行なえる。撮影した写真などを簡単な操作でブログに投稿できる「ブログツール」も搭載。そのほか、「スマートリンク辞書」や「クイックサイレント」にも対応。
サムスン製の“OMNIA”(オムニア)930SCは、3.3型/480×800ドットのタッチパネル液晶を搭載。ワンセグを搭載し、内蔵する8GBメモリに最大48時間の録画が可能。別売microSDカードにも録画は行なえる。モーションセンサーを搭載し、本体の向きに応じて画面が自動で切り替わる。カメラは515万画素CMOSを搭載し、顔認識AFや手ブレ補正に対応。また、撮影した人物の顔を認識し、電話帳と連動させることができる「顔リンク」機能も備える。そのほか、下り最大7.2Mbpsの高速通信にも対応。CMには坂本龍一氏を起用する。
830CAは、ソフトバンク初となるカシオ製端末。3型/240×427ドット液晶とワンセグを搭載する。カメラは520万画素CMOSを内蔵し、透明感のある肌と目元の存在感をアップした撮影が行なえるという「美撮り」(びどり)エンジンを搭載。顔認識AFも利用できるほか、6軸手ブレ/被写体ブレ防止の「ダブルブレ補正」も備える。
東芝製の“fanfan.2”830Tは、2.8型/240×400ドット液晶搭載でワンセグ対応。アウタージャケット、インナーシート、イルミネーションのデザインを変更できることが特徴。2種類のインナーシートにアウタージャケットを被せる3層構造となっており、イルミネーションは50種類から選べる。標準セットにアウタージャケット2種類、インナーシート10枚、イルミインナーシート3枚を同梱する。爪が長い女性でも押しやすいというクリック感の軽いキーを採用する。
また、ワンセグには非対応だが、HTCのTouch DIAMOND(X04HT)と、Touch PRO(X05HT)もソフトバンクからリリースされることになった。YouTube再生用アプリやGPS、無線LAN機能などを備えた、OSにWindows Mobileを採用するスマートフォン。Opera 9.5を使ったWebブラウズやWindows Media Playerを使った動画/音楽再生も可能だ。
ノキア製の「E71」は、フルキーボードを備えながら、厚さ10mmを実現したのが特徴。「N82」は、カールツァイスレンズを採用した500万画素のデジカメ機能を備えたモデルだ。 また、1月の発表会で公開された、ティファニーとのコラボレーションモデル「823SH Tiffanyモデル」が完成。表面にプラチナパネルを配し、そこに537個、合計18.34カラットのダイヤモンドをあしらった、1台1,298万円という超高級モデル。10台限定で発売される。1月の発表会の際、孫社長は同社CMに起用されている上戸彩さんに、同モデルをプレゼントする約束をしており、今回の発表会で樋口可南子とともに、本当に社長からプレゼントされた。
■ 「携帯全体がiPhone化するのではないか」
孫社長は、iPhone 3Gを、会社のメールチェックや、株価/ニュースのチェックなどに活用している自身の日常生活を紹介。「朝起きてiPhoneをチェック、車の中でも、食事中でも、トイレの中でも、本当に便利に使っている。iPhone 3Gを持ってからインターネットを利用する頻度は3倍くらいになったが、一方でPCの利用頻度が10分の1になった」という。 「私は以前から、2008年くらいが携帯がインターネットマシン化する元年になると考えていた。搭載するCPUの処理速度が必要なパワーを持ち、画面サイズも十分に大型化した。いずれネットの中心は現在のPCから携帯電話に移ると考えており、ネットがもっと便利に、使いやすい時代が来ると感じている」と語り、iPhone 3Gがその先駆けになっているとする。 その上で「これからの携帯全体がiPhone化するのではないか」と語り、iPhoneのような大型のタッチパネルを採用し、ネットワークとの親和性も高い4モデルを紹介。今回の新機種のコンセプトを「touch」とした。 さらに、新サービス「モバイルウィジェット」の利便性や、オープンなプラットフォームによる発展性などをアピール。「ブロードバンドという言葉を最初に広めたのは私で、流行語大賞も頂いた。今度はウィジェットという言葉が携帯電話の中で大切なキーワードになる。そういう時代がやってくる」と語り、今後もアプリケーションの充実や、対応機種の増加などに注力する姿勢を強調した。 そのほかにも、相手のメールアドレスだけ知っていれば、気軽にギフトプレゼントができる新サービス「ソフトバンクギフト」を紹介。ユーザーが専用ギフトサイト内で購入した商品の情報を相手にメールで送信。受け取ったユーザーは、同ギフトサイトで商品引き換え用のバーコードを取得。その携帯電話をセブンイレブンに持ち込むと、商品が受け取れるというもの。代金は贈ったユーザーの携帯電話利用料に一括して請求される。 孫社長はこのサービスを利用した「お父サンタキャンペーン」を発表。ソフトバンク携帯電話利用者に、CMでお馴染み白戸家の“お父さん”が、プレゼントを贈るというもので、キャンペーンサイトに応募すると、抽選にハズレても“お父さん”関連のデジタルコンテンツがもらえる。キャンペーンへの応募期間は12月1日~25日までとなっている。
□ソフトバンクモバイルのホームページ
(2008年10月30日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp/nakaba-a@impress.co.jp]
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