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NTTドコモは5日、2008年末から2009年初頭にかけて発売する携帯電話の冬春モデルを発表した。全22機種をラインナップしており、その内18機種がワンセグに対応している。 従来の900シリーズや700シリーズといった型番や分類を撤廃。新たに「携帯をファッションアイテムとして楽しむための“STYLEシリーズ”」、「旬の携帯やエンタメをとことん楽しむための“PRIMEシリーズ”」、「忙しい毎日を携帯で上手にマネジメントするための“SMARTシリーズ”」、「携帯を自分仕様のデジタル道具として使える“PROシリーズ”」という4つのシリーズに分類。 型番も「N-02A」、「F-03A」など、頭文字にメーカー名を現す1文字が付くフォーマットになっている。その後に続く数字は発売順の通し番号。最後のアルファベットは登場年度を示しているという。
Flashビデオの再生に対応した機種が「STYLE」で4機種、「PRIME」で6機種、「SMART」で4機種、「PRO」で1機種の合計15機種に拡大。フルブラウザでPC向けの動画共有サイトにアクセスし、動画再生が楽しめる。7.2Mbpsの高速通信と組み合わせて快適な視聴ができるという。
サービス面では新たに「iコンシェル」と呼ばれる機能を月額210円で提供。プリインストールされている「ひつじのしつじくん」などのキャラクターが待ち受け画面に登場。利用前に生年月日や性別、居住地域などを登録すると、地域合わせた電車情報や天気予報などを、まるで執事が主人にお知らせするように、フキダシで教えてくれるというもの。
一種の情報プラットフォームであり、マクドナルドやレンタルショップのゲオ、イオンなど、他社が参加可能。現時点で56コンテンツが提供予定で、例えばゲオでは、モバイル用のレンタル会員情報とiコンシェルを連動。ユーザーがDVDなどをレンタルすると、その情報をiコンシェルに送信。「このDVDの返却は○月×日となっております」と、執事が返却期限を教えてくれる。ジャスコでの日替わりお買い得情報、マクドナルドのクーポン提供にも利用される。 また、カレンダー/スケジュール機能も装備。登録した居住地域に合わせ、ドコモ側がスケジュール帳に主だったイベント情報を登録してくれる。「iコンシェル」対応機種は22機種中13機種。N-02A、P-02A、P-03A、F-01A、F-03A、N-01A、P-01A、SH-01A、SH-03A、N-04A、P-04A、P-05A、SH-04A。 PC用のウィジェットと同じような機能を実現する「iウィジェット」もスタート。天気、株価、ニュース、ゲームなど、様々なアプリを最大8個まで画面に登録できる。10機種が対応しており、N-02A、P-02A、F-01A、F-03A、N-01A、P-01A、SH-01A、SH-03A、N-04A、SH-04Aがサポート。待ち受け画面に登録するのではなく、専用の「iウィジェット画面」に表示されるのが特徴。同画面を表示した時のみ、各ウィジェットが最新情報にアクセスするため、待ち受け画面に常駐して常に通信し、消費電力が増加する事を防いでいる。
ゲーム機能では、複数ユーザーでの同時対戦ゲームを実現する「iアプリオンライン」がスタート。ボンバーマンや麻雀、レースゲームなどの対戦プレイが可能。10機種がサポートする。地図機能では日本の携帯電話アプリとしては初めて、「モバイルGoogleマップのストリートビュー」に対応。地図画面に重ねて町並みを写真表示できるほか、衛星画像にストリートビューを重ねることも可能。 ストリートビューを全画面表示し、実際の風景と同じものを表示させながら歩くといった使い方も可能。カバーするエリアはPC用の同機能と同じだが、PC用が垂直方向の画像も表示するのに対し、モバイル版は水平方向360度のみの画像しか表示しない。3段階のズーム機能も省かれている。プリインストール機種は17機種。
以下では各シリーズの中から、ワンセグ受信機能を備えたモデルを、AV機能を中心にして紹介していく。
■ STYLEシリーズ ●N-02A 3.2型、480×854ドットの液晶を採用したNEC製端末。12.9mm厚のスリム筐体が特徴。15fpsのワンセグ映像に対し、中間映像を挿入することで30fps化し、滑らかな表示が行なえる。「PictMagicIV」機能により、カメラの映像やワンセグを最適な画質に補正。番組情報から最適な映像サウンド効果に自動設定する機能も利用できる。 また、サラウンド機能の「SRS TruMedia」にも対応。ワンセグなどの2chソースに対して、バーチャル5.1chサラウンド化処理を施し、そのデータを保ったままイヤフォン用に再び2ch化。イヤフォンで聴く際に広がりのあるサウンドでワンセグが楽しめるという。スピーカーからのバーチャルサラウンド再生は行なえない。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応する。カラーはAir Blue、Ash Gray、Antique Gold、Sparkle White。
●P-02A ワンセグ対応のVIERAケータイ。「モバイルWスピード」機能をサポートし、ワンセグを30fps化して表示。動画再生時の最大コントラスト6,000:1を実現。フレームコントロール処理で画像も1,600万色相当の表示が行なえるという。3.1型のディスプレイはスイングスライド機構を採用している。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。カラーはサファイアピンク、ダイヤモンドブラック、パールホワイト、エメラルドグリーン。
●P-03A Wオープンスタイルの筐体を採用。横画面でワンセグ視聴が可能。4つのキーイルミネーションも備えている。スヌーピーの待ち受け画面やデコメ素材、きせかえツールなどを豊富にプリインストールしている。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。カラーはWhite、Black、Pink。
●N-03A 「パティスリー界のピカソ」と称されるピエールエルメ氏が監修した、スイーツがテーマの端末。スイーツのマカロンをイメージしたカラー(マカロンピンク)や質感を採用。待ち受けやメニューデザインにもスイーツコンテンツが登場する。ワンセグは連続視聴時間約280分のスタミナ仕様。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。カラーはアプリコットオレンジ、ショコラブラウン、バニラホワイト、マカロンピンク、カシスブルー。
●F-02A クリスタルカットデザインを採用した防水タイプ。ワンセグを浴室やキッチンで楽しめる。天然ダイヤモンドもあしらっている。ブランド「4℃」とのコラボレーションモデル(4℃ Pure White)も用意。オリジナルのきせかえツールなどもプリインストール。モーションセンサーを備えており、傾きに合わせて画面が回転するなど、直感的な操作が可能。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーバリエーションはCosmetic Pink、Crystal Black、Shiny Gold、4℃ Pure White。
●SH-02A 65,536色のカラー有機ELサブディスプレイを搭載。メインディスプレイは3インチ、480×854ドットのNEWモバイルASV液晶。顔検出機能やスポットオートフォーカス、6軸手ブレ補正&被写体ブレ補正、ピクチャライトを搭載した約520万画素のデジタルカメラを装備。GPSにも対応している。 8色のカラーバリエーションを備えるのが特徴。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。Lime Green、Ice White、Universal Black、Cherry Blossom、Metal Silver、Sky Blue、Berry Pink、Wood Brownを揃えている。
■ PRIMEシリーズ ●F-01A 3.2型のタッチスクリーン液晶を採用。IPX5/IPX7相当の防水仕様になっており、お風呂でワンセグが楽しめる。ワンセグ視聴中もメール閲覧が可能で、専用の「サーチキー」を押すことで、「クイック検索ウインドウ」が立ち上がり、各種検索も行なえる。520万画素デジカメも備えている。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーリングはシャンパン、ブラック、ローズ、シアン。
●F-03A 3.2型液晶の480×960ドット液晶を装備。タッチパネルをくるくるとなぞるように触ることで各種操作が行なえる「タッチセレクター」を搭載。F-01Aと同様に、ワンセグ視聴中のメール閲覧、検索なども可能。520万画素デジカメも備えている。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーリングはホワイト、ブラック、ゴールド。
●N-01A 3.2型のタッチパネル液晶を採用。ワンセグや音楽、カメラなどを直感的に操作する「タッチスタイル」と、フルブラウザや動画再生に向いた「シェアスタイル」、メールやiモードを利用する時の「コミュニケーションスタイル」の3つのスタイルを用意。タッチスタイルでワンセグ視聴中にメールを受け取ると、スタイルチェンジするだけでワンセグとメールが2画面表示される。N-02Aと同様に「SRS TruMedia」に対応。イヤフォンでサラウンド再生が行なえる。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。カラーはMisty Lavender、Precious White、Fine Black、Passion Pink。
●P-01A モバイルPEAKSプロセッサを用いて、コントラスト比6,000:1を実現した、3.1型液晶(480×854ドット)を採用。ワンセグの30fps表示を行なう「モバイルWスピード」対応。ワンセグ録画機能では、録画した番組のセリフのある部分だけを聞きやすい速度で高速再生する「あらすじ再生」機能が利用できる。 Wオープンスタイルを進化させ、縦開き、横開きした際に、キーの表示/配列がその向きに変わる「2WAYキー」を採用。横スタイルでの操作性を向上させている。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。カラーはグラマラスレッド、グラファイトブラック、フロスティホワイト、シャンパンピンク。
●SH-01A 3.3型のNewモバイルASV液晶を採用した、サイクロイドスタイルのAQUOSケータイ。ワンセグの30fps表示も可能。イヤフォン用のバーチャルサラウンド再生機能「Virtual 5.1ch対応 DOLBY MOBILE」も備えており、ワンセグや音楽を広がりのあるサウンドで再生。指紋認証機能なども備えている。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーはBlue、Black、White、Pink。
●SH-03A NewモバイルASV液晶を採用し、高画質化エンジン「SVエンジン+」を搭載。赤や緑の色再現性や、コントラスト比を高めたというモデル。800万画素のCCDカメラを備え、画像処理エンジン「ProPix」も搭載。最大ISO 2,500相当の高感度撮影が行なえる。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーはBlack、White、Pink。
●L-01A LG製の端末。最大の特徴は、秒間120フレームでの高速動画撮影ができること。ゴルフやテニスのスイング確認などにも利用できる。120fps撮影時の解像度はQVGAで、VGAの場合は30fpsとなる。録画制限時間などはなく、microSDメモリーカードに保存できるだけ撮影可能。フォーマットは3GP。2.8型の液晶を採用。タッチパネル対応の強化ガラストップから操作する。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーはShining White、Carbon Black、Platinum Pink。
■ SMARTシリーズ ●F-04A 防水ケータイとしては世界最薄という12.8mmを実現。ワンセグやフルブラウザが利用可能。モーションセンサーも備えており、傾きに合わせて画面が回転するオートローテーションも使用可能。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーはGOLD、BLACK、RED、BLUE。
●N-04A 弧を描くような軌跡でスライドオープンする独特の機構を採用したモデル。家電ブランドのamadanaとコラボレーションしており、TYCOON GRAPHICSがグラフィックや内蔵コンテンツデザインを担当。細野晴臣、高橋幸宏、坂本 龍一によるユニットHASYMOが音楽コンテンツを提供する。amadanaブランドのBluetoothユニット&イヤホンも同梱。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。イヤフォンはカナル型となっている。カラーはamadana brown、amadana black、amadana white、ultimate pink。
●P-04A 3Gの折たたみ型として世界最薄の9.8mmを実現した端末。モバイルWスピードで、ワンセグの30fps表示が可能。高画質化回路「モバイルPEAKSプロセッサ」も備えている。WORLD WINGもサポートし、3G/GSMの両方に対応している。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。カラーはRED、BLACK、SILVER。
●P-05A P-04Aと並び、世界最薄の9.8mmを実現。カメラを備えていないビジネス向けと位置付けられており、セキュリティ機能やボイスレコーダ機能、ドキュメントビューワなど、ビジネスでも使える機能を備えている。ミュージックプレーヤー機能はWMA/SDオーディオに対応。カラーはSolid Blackのみ。
■ PROシリーズ ●SH-04A 3.5インチ、480×854ドットの液晶ディスプレイを採用したAQUOSケータイ。タッチパネル仕様となっており、3Dエフェクトを用いた視覚に訴えるメニュー表現が特徴。スライド式筐体で、フルキーボードも備えている。イヤフォン用のバーチャルサラウンド再生機能「Virtual 5.1ch対応 DOLBY MOBILE」もサポートする。ミュージックプレーヤー機能はWMAに対応。カラーはWhite、Black、Pink Gold。
PROシリーズではほかにも、スマートフォンの「BlackBerry Bold」、「HT-01A」、「HT-02A」、「Nokia E71」、を用意している。スマートフォンはいずれもMP3/WMAの再生をサポートする。
■ 「何かができる携帯」から、「何かをしてくれる携帯」へ
山田隆持社長は、従来の型番シリーズをやめ、4つのシリーズ展開としたことについて「ユーザーの皆様のニーズをもう一度リサーチし、どうすればそれぞれのライフスタイルに合ったモデルを選んでいただけるか考えた末の結論」と説明。それぞれのシリーズがイメージするライフスタイルや携帯電話の使い方を説明すると共に、シリーズをイメージしたモデル達も登壇させた。
新サービスの目玉である「iコンシェル」については、「今までの“何かができる携帯電話”から、“何かをしてくれる携帯電話へと変えるもの”」と説明し、大きなサービスの変革をアピール。iウィジェットやモバイルGoogleマップのストリートビュー対応と合わせ、「携帯電話をより使いやすく、より便利にしていきたい」と抱負を語った。
□ドコモのホームページ
(2008年11月5日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp/nakaba-a@impress.co.jp]
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