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株式会社BCNは6日、家電量販店など全国25社、約2,350店舗(2008年10月時点)のPOSデータを集計した「BCNランキング」のデータを基に、薄型テレビとBD/DVDレコーダ、パソコン、デジタルカメラの市場分析結果を発表した。
■ 薄型テレビ
薄型テレビの2008年10月の販売金額が対前年比98.2%と、2007年5月以来の前年割れという結果になった。うち液晶は99.6%、プラズマが90.9%とともにマイナス。 好調であった夏/五輪商戦時期の8月をピークに、10月にはついに金額ベースで前年割れとなった。薄型テレビの平均単価が2007年10月の136,100円に対し、2008年10月が120,500円。1年で15,000円以上値下がり、その影響を受けて前年割れとなった。 さらに薄型テレビ業界を牽引してきた大型テレビが伸び悩みを見せたのも要因の1つ。40型以上~50型未満テレビでは、8月までは前年同月比150%以上の伸び率を見せていた販売台数が、9月は133%、10月は129%と減速傾向。50型以上では8月に129.4%の伸び率だったが、9月に102.7%、10月に103%と伸び悩みをみせている。
金額で判断すると、8月に前年同月比151.2%の伸び率だったが、9月は117.5%、10月は114.9%(同)。50型以上に至っては、8月は113%だった伸び率が、9月は90%、10月は88.6%と前年割れを起し、減速傾向となっている。 このような大型テレビの不振について、同社の田中氏は「昨今の金融不況がデジタル家電需要にも影を落とし始めた先触れではないか」と説明している。 メーカー別で見ると、10月の台数シェアではシャープが39.6%で1位。2位はパナソニックで23%。薄型テレビ業界不振の中で好調に実績を伸ばしてきている。3位がソニーで15.2%。4位が東芝で12%。 パナソニック好調の要因に田中氏は、「もともとの得意分野である40型以上のシェアをそのままに、新たに30型以上~40型未満のカテゴリーに注力することで、全体販売台数を上げる戦略が功を奏している」と説明した。
■ BD/DVDレコーダ BD/DVDレコーダは、夏/五輪商戦を過ぎても好調。9-10月の実績では前年同月比で台数は115%、金額は135%前後で安定している。BCNの道越一郎氏は「これからの年末商戦も2ケタ成長を維持する見通しだ」と説明。
好調のBDレコーダの10月の売上構成比を見ると、金額でレコーダ全体の65%、台数で47.6%と順調に拡大している。平均単価も2007年10月の140,600円に対し、2008年10月が105,600円で1年で25%も下落。道越氏はBDレコーダの販売状況を「本格的な普及期に入った」としている。 BDレコーダの価格帯別の販売台数構成比をみると、10月の実績で10万円未満のモデルが46.1%を占めた。また、DVDレコーダの同構成比で最も多く占める価格帯は4~5万円未満で、全体の41%。 メーカー別の販売台数シェアは、BDレコーダはパナソニック、ソニー、シャープの上位3社でBDレコーダ全体の98.5%を占める。10月の実績でみると、パナソニックが38.9%で1位。2位がソニーで31.2%。3位がシャープで28.4%。次点で三菱が1.3%となっている。 DVDレコーダはシャープ(32.3%)、パナソニック(29.5%)、東芝(25.5%)の3強に続き、DXアンテナが9.4%と約1割に迫る勢いでシェア伸ばしている。
■ PC
パソコン市場全体の伸び率(前年同月比)は、8~10月の直近3カ月で120%を超えているが、平均単価を比べると23%もダウンし、金額も前年割れ。 これは、低価格帯のミニノートが需要を牽引しているためと推測。台数は伸びているが、単価が小さく金額が伸びないデフレ傾向が懸念されている。なお、ノートPC市場だけみれば、今のところ金額も前年度比で100%を超えている。
ミニノートの平均単価は5万円を割り、ノートPC全体の25%を占めている。この影響を受け伸び悩んだのはB5ノート。前年同月比の販売台数伸び率が直近の3カ月で100%を大幅に下回った。それに対し、A4ノートは同100%を超え、プラス成長を見せている。 ミニノートの急増により、東芝(10月の台数シェア率15.7%)、富士通(14.6%)、NEC(14.5%)、ソニー(13.6%)の国産4強に続き、日本エイサー(11.7%)、ASUS(9.4%)、ゲートウェイ(5.3%)などがシェアを順調に伸ばしてきている。
■ デジタルカメラ 10月の販売台数が対前年比99.5%、金額が92.7%と、ともに前年度割れという結果になった。なかでも、機能差別化が難しいコンパクトデジタルカメラは、金額ベースで同85.4%と約15%もダウンし、苦戦が続いている。 代わりに好調なのがデジタル一眼で、10月の台数と金額ともに前年比120%超の実績。直近の実績を含め、好調を維持している。さらに一眼のタイプ別構成比をみると、台数に関しては1割にも満たないが、金額では27%前後と3割に迫る勢いを見せている。道越氏は、「この一眼がデジカメ業界の新たな牽引役に代わっていく」と説明している。 メーカー別のコンパクト販売台数シェアは、1位がキヤノン(10月構成比20.3%)で、以下、パナソニック(15.1%)、カシオ(14%)、ソニー(13%)、ニコン(10.6%)と続いている。また、一眼の台数シェアは、キヤノンとニコンが激しい首位争いを繰り広げて、10月はキヤノンが41.1%で1位。ニコンが36.2%。この上位2社でおおよそ75%を占め、次点でソニーが1割超のシェアを占めるようになってきている。
□BCNのホームページ ( 2008年11月6日 ) [AV Watch編集部/ohrui@impress.co.jp]
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