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独Leica Camera AGは、デジタルプロジェクタ市場に参入。デジタルカメラで撮影した画像だけでなく、動画の再生も想定したDLPプロジェクタ「プラドビット D-1200」を2月に発売する。価格は未定だが、2008年に行なわれたカメラ関係のイベント・Photokinaでは、9,900ユーロ(約115万円)とアナウンスしていた。
0.98型のDarkChip DMDを採用した、単板式のDLPプロジェクタ。パネル解像度は1,920×1,200ドットで、輝度は2,000ルーメン(フォトリアリスティックモード時は1,400ルーメン)。コントラスト比は2,500:1。カラーホイールは6セグメント(RGBRGB)で2倍速。
レンズはライカの「バリオ・エルマリート P」。F値は2.8~3.1。35mm換算で59~74mm。ズームとフォーカスは手動。なお、広角タイプの「エルマロン P」(F3.5/35mm換算で35mm)を備えたモデルも用意。「バリオ・エルマリート P」の投写距離は1~15mで、投写画面サイズは31×50cm~594×950cm(縦×横)まで対応。上下約120%のレンズシフトと、垂直方向の台形歪み補正機能も備えている。
光源はPhilipsの220W FusionPlus VIDI UHPランプを採用。常に点灯させず、DMDやカラーホイールの動きと同期して発光させることで、特定の色を強く出すなど、色味のコントロール機能を向上。ランプの長寿命にも貢献するという。寿命はスタンダード時で3,000時間、エコモード時で4,000時間。なお、本体の保証期間は3年、ランプは90日間、または500時間だが、「お客様登録」を行なうことで、ランプの保証も3年、または3,000時間に延長される。 筐体にマグネシウムを採用し、放熱性と質感の高さを両立。また、筐体サイズを300×268×104mm(幅×奥行き×高さ)、重量を3.6kgと小型/軽量を追求。動作音はスタンダードモード時で28dB以下。同社ではその静かさを、レンジファインダー・カメラの「ライカ M カメラと同レベルを達成した」と表現している。
IP変換やスケーリングなどの映像信号処理用に、30bitで処理を行なうPixelworksのDNXを採用。映像のブレを抑える「Pixelboost」や、鮮やかな色表現を行なうための「Rich Colour Processing」、アンチエイリアス処理を行なう「LAI」などの技術を使っているほか、デインタレース処理も行なっている。HDMI 1.3に対応し、DeepColorもサポートする。対応色空間はsRGB。 AV系映像は1080pまでの入力に対応するほか、24p入力もサポート。PCからの映像はWUXGAまでをサポートする。入力端子はHDMI×1に加え、HDCP対応のDVI-D×1、コンポーネント(RCA)×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログRGB/コンポーネント兼用(ミニD-Sub 15ピン)×2。制御用のRS-232端子や、IP経由でランプの使用時間などをチェックするためのEthernet端子も備えている。
付属品は高品質コーデュラバッグ(一部モデルのみ)や、リモコン、各種ケーブル、デモDVDなどを同梱する。
■ 「プロジェクタでの写真観賞を広める」
ライカはかつて、銀塩カメラ用の機器として、ハイエンド仕様のスライドプロジェクタを発売していた。今回デジタルプロジェクタを開発するにあたり、以前のシリーズ名「プラドビット」を蘇らせたことになる。代表するレンジファインダー・カメラ、Mシリーズで、デジタルカメラ版「M8」を発売するなど、デジタル化を積極的に展開しているライカ。「D-1200」について、セールスマネージャーのSascha Noack氏は「これにより、インプット(写真撮影)から、アウトプット(写真表示)まで、画質に自信を持って提供できる環境が整った」と意義を説明。 また、発売のタイミングについては「デジタルプロジェクタへの参入は検討していたが、解像度的に我々が許容できるレベルではなかった」と語り、満を持しての参入であることをアピール。「Photokinaの展示でも、1,920×1,200ドットの解像度に多くの人が納得してくれた」と、製品に対する手応えを語った。また、DLPを採用した理由については、「SXRDやLCOSと比べ、映像のシャープさ、発色の良さ、カラードリフトの補正が不要なことなどを評価した」と説明。 カラーブレーキングについては「カラーホイールの工夫やFusionPlus VIDI UHPランプの採用などで対策をしており、カラーブレーキングが気になるという人からも、“D-1200では気にならない”という評価を頂いている」と自信を見せた。
製品のターゲット層としては、「ライカファン」、「プロの写真家」、「ホテルのビジネスセンターなどの業務用途」を挙げる。Noack氏は「ヨーロッパなどでは写真をプロジェクタで投写して楽しむ人も多い。ホームシアターも以前よりはメジャーなものになっており、日本の皆さんにも、こうした楽しみを訴求していきたい」と抱負を語った。
□ライカカメラジャパンのホームページ
(2009年1月21日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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