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ソフトバンクモバイル株式会社は29日、携帯電話の2009年春モデルの発表会を開催。通常は孫正義社長が1人で新機種の特徴などを説明しているが、今回は大きく趣向を変え、吉本興業のお笑い芸人が多数参加。それぞれが“携帯芸人”となって笑いを交えて機種を紹介。一般の観客も集められ、笑いの絶えない発表会となった。 さらに、お笑いやニュース、天気予報など、26個の携帯電話向けコンテンツ、月額5,000円相当を、セットで315円で提供する「コンテンツ得パック」や、賞金総額2億2,000万円の大型お笑い映像コンテスト「S-1(エスワン)バトル」を実施することなども明らかになった。
■ 「ハードの性能進化」から「コンテンツの充実」への転換 冒頭、挨拶に立った孫社長は、昨年までの歩みを「携帯電話の使い方やテクノロジーを進化させることに努力してきた。そして、2008年は携帯電話を“インターネットマシン化すること”を掲げ、様々な取り組みを行なった」と振り返る。
その上で「では、インターネットマシン化した携帯電話で何を楽しむのか? が重要になる。我々は携帯電話がより楽しい世界を作っていきたい。新しい携帯の楽しみ方を目指していきたい。これからはコンテンツ勝負の時代に変わってくるだろう」と語り、ハードの性能進化に邁進してきた従来から、そのプラットフォームで楽しむコンテンツの充実に注力する方針転換を明言。その取り組みの1つとして、今回の新しい形での新製品発表会を企画したことを明かした。
発表会の司会は、ロンドンブーツ1号2号の2人が担当。彼らに紹介され、エド・はるみ、キングコング、品川庄司
、世界のナベアツ、フットボールアワー、ライセンス、ロバートといった人気芸人達が次々と舞台に登場。客席に集まった一般の観客から声援を浴びた。
トップバッターはキングコングの2人。デジカメ機能を充実させたカシオの「930CA」を紹介。撮影した静止画をアルバムのように閲覧できる「スナップビューワー」の機能名を梶原が叫び、お客さんに復唱してもらうなど、観客も巻き込んだ機能紹介を展開。だが、叫びでテンションが上がりすぎたのか、梶原は相方・西野の元彼女の名前を絶叫。洒落にならない展開に西野が説明をカミまくるなど、爆笑の連続。
VIERAケータイ「930P」の紹介は品川庄司が担当。キングコングの流れで、品川が「ミキティ最高!!」と絶叫すると、相方・庄司から本気のビンタが……。だが、その後は流石の家電芸人・品川。液晶を縦横どちらの方向にも開くことができ、それに連動してキートップの表示方向も変化するダブルオープンスタイルを丁寧に説明。3Dゲーム「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」がプリインストールされていることと絡め、「縦方向でガンダムを起動しようとすると、縦方向はダメという注意がアムロの声で聞こえる」など、マニアックなポイントを熱弁。合間にVIERAケータイのVIERA Link対応を予想するなど、圧巻のプレゼンを展開した。
自社の新製品をお笑い芸人に託す試みということで、「社内でも様々な議論があった。今も自分が製品紹介をする時よりもドキドキしている」と不安を口にしていた孫社長だったが、笑いの中にも重要な機能を外さない芸人達のプレゼンの数々に「流石はトークのプロ!」と絶賛。繰り出されるギャグに満面の笑顔で応えていた。
しかし、吉本芸人の魅力と言えば“暴走”でもある。シンプルな機能とスタイリッシュな筐体が特徴の「731SC」を紹介したフットボールアワー。プレゼンの開始は、岩尾が「僕の顔と比べてもこれだけ小さい。僕の顔の大きさはだいたい安室ちゃんと同じくらいですが……」というような軽いギャグからスタートしたが、シンプルモデルの特徴紹介で「2と4と6のボタンも省きました。友人関係も省けます」(もちろん嘘)と、徐々にヒートアップ。ワンセグ機能を搭載していないことにも触れ「そもそもそんなにワンセグ見ないですよ。なんでテレビ見なアカンネン! ワンセグついた携帯、頭おかしいですよ!!」と絶叫。「ちょっと待てや!!」と、ワンセグ端末紹介担当の他芸人全員から突っ込まれる一幕も。
ワンセグチューナを2基備えた「932SH」を紹介する世界のナベアツは、3スピーカーの説明の瞬間だけアホになるなど、お約束ギャグを連発。ダブルチューナの多機能紹介では孫社長も参加し、「普通のテレビ以上とも言える機能を持った携帯電話」とアピールした。
■ コンテンツ強化策も発表
孫社長は機種の説明後、コンテンツ強化策を発表。3月18日から提供される「コンテンツ得パック」は、スポーツやニュース、占い、お笑いなど、様々なジャンルの携帯電話向けコンテンツ26個を、まとめて月額315円で提供するというもの。従来は26個で計5,000円だったため、芸人達からも「安すぎる」という驚きの声が漏れた。価格だけでなく、26個のコンテンツを1つの申し込みで楽しめるため、個々のサービスで会員登録をしなくても良いという利点もあるという。
さらにサプライズとして、お笑い映像コンテスト「S-1バトル」が発表。プロの芸人だけでなく、一般ユーザーも参加できるもので、3分以内にまとめられたオリジナルのお笑い映像作品を投稿。審査を通った作品が、ソフトバンクのユーザーにメールとして配信され、そこから作品を動画で閲覧。対決形式となっており、面白かった方の作品に投票。毎月チャンピオンが選出されるというもの。 月間チャンピオンには賞金1,000万円が贈られるほか、月間チャンピオン12組による最終決戦を、テレビの生放送番組として実施予定。年間チャンピオンになると1億円の賞金が贈られるという、大規模なお笑いコンテストになっている。さらに、投票したユーザーにも毎月10人に10万円、最終決戦に投票したユーザーから1人に1,000万円、合計2,200万円が抽選で当たるという。コンテストは3月1日から開始。年間の最終決戦は2010年3月が予定されている。 孫社長はこのコンテストを、冒頭に説明した“新しい携帯の楽しみ方”の具体的な形の1つとして紹介。他のコンテストと比べると賞金額が非常に高価だが、孫社長は「賞金が高すぎるという議論もあるかもしれない。けれど、スポーツ選手が優勝すると1億円もらうことがある。お笑いもスポーツなどに負けない、立派な芸術だと心から思っているから」と説明。芸人達から喝采を浴びた。
□ソフトバンクモバイルのホームページ
(2009年1月29日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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