フィリップス、ヘッドフォン「本格参入」で24製品を投入

-アーマチュアドライバのカナル型やNC搭載モデルなど


4月1日発売

標準価格:オープンプライス


製品ラインナップ

 株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンは25日、日本におけるヘッドフォン/イヤフォン市場への本格参入を発表した。日本総代理店の加賀ハイテック株式会社を通じ、4月1日より24モデルを家電量販店などで販売する。

 発売される製品は、カナル型(耳栓型)イヤフォンや、ヘッドフォン、耳掛け型など。ノイズキャンセル搭載モデルも用意する。価格はいずれもオープンプライス。これまで並行輸入品として一部店頭で販売されていた製品も含まれるが、今後は日本市場を本格的に分析し、ニーズに合ったラインナップを展開するとしている。なお、24製品とも、海外で販売されている製品と仕様は同じ。



■ バランスド・アーマチュアのカナル型「SHE9850」

SHE9850

 原音再生力にこだわったというバランスド・アーマチュアドライバ(シングル)を搭載するカナル型。店頭予想価格は12,800円前後の見込み。

 筐体には、多くの人の耳に合うように角度を付けた「アコースティックパイプ」構造を採用。外耳道にフィットして優れた遮音性を実現したとしている。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。感度は115dB。インピーダンスは12Ω。重量は15g。

 プラグはステレオミニで、ケーブル長は1.2m。大/中/小のシリコンイヤーピースと低反発素材のイヤーピース、ハードケースなどが付属する。



■ ノイズキャンセル搭載ヘッドフォン「SHN9500」

SHN9500

 外部音と逆位相の音を生成するアクティブノイズキャンセル(NC)機能を搭載したヘッドフォン。85%のノイズ低減が行なえるという。電源は単4電池1本。店頭予想価格は17,800円前後の見込み。

 ネオジウムマグネットドライバを搭載し、ユニット径は40mm。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。感度は102dB、インピーダンスは32Ω。

 プラグはステレオミニで、標準プラグアダプタや、航空機用の変換プラグが付属。ケーブルは片出しで1.2m。重量は191g。ソフトケースや延長ケーブルが付属する。



■ ノイズキャンセル搭載のカナル型「SHN7500」

SHN7500

 アクティブノイズキャンセル機能を搭載したカナル型イヤフォン。80%のノイズをカットできるとしている。店頭予想価格は12,800円前後の見込み。NC用のユニットは首掛け型で、電源は単4電池1本。

 イヤフォン部はネオジウムドライバを搭載し、ユニット径は9mm。再生周波数帯域は40Hz~20kHz。感度は104dB。プラグはステレオミニで、ケーブル長は1.2m。重量は38g。航空機用アダプタや、3サイズのイヤーピース、ソフトケースが付属する。



■ 耳掛け式のカナル型「SHS8000」

SHS8000

 カナル型イヤフォンにイヤーハンガーを備えた製品。店頭予想価格は3,480円前後の見込み。ユニットは15mm径で、ネオジウムマグネットドライバを搭載する。

 再生周波数帯域は6Hz~23.5kHz。感度は102dB、インピーダンスは16Ω。プラグはステレオミニで、ケーブル長は1.2m。重量は17g。3サイズのイヤーピースが付属する。



■ 軽量ヘッドフォン「SHL9500」

SHL9500

 重さ176gで、ソフトクッションのイヤーパッドで装着の向上を図ったというヘッドフォン。店頭予想価格は4,980円前後の見込み。ネオジウムマグネット採用の40mm径ユニットを搭載する。

 再生周波数帯域は10Hz~28kHz。感度は105dB。インピーダンスは32Ω。プラグはステレオミニで、ケーブルは両出し/長さ1.5m。標準プラグが付属する。



■ そのほか

 上記製品以外に、カナル型イヤフォンでは、「SHE9800」と「SHE9700」、「SHE9801」、「SHE9500」、「SHE8500」、「SHE9620」、「SHE9621」、「SHE9550」、「SHE9551」を用意。また、「SHN2500」はNC機能も搭載する。いずれもドライバはダイナミック型。

 ヘッドフォンは40mm径ユニット搭載の「SHL9600」を、耳掛け型ヘッドフォンは「SHS4700」と、「SHS4701」をラインナップする。インナーイヤフォンは「SHE2641」、「SHE2643」、「SHE2648」、「SHE3650」、「SHE3651」、「SHE3652」の6製品。

 そのほか、2007年に買収したiPodアクセサリブランド「DLO」の製品も10モデル発売。iPhone 3GやiPod nano、touch用のケースをラインナップ。今後はiPod新製品の発売に合わせて製品展開を行なうとしている。

ラインナップの一部

店頭パッケージ



■ “ダビデ像も動き出す”原音再生力をアピール

コンシューマー ライフスタイル事業部の俵恵美子事業部長

 フィリップスは、家電を扱う「コンシューマーライフスタイル」、MRIなど医療分野の「ヘルスケア」、BtoBの照明事業「ライティング」の3分野で展開し、日本市場の家庭向け製品では主に電気シェーバーや電動歯ブラシを販売。AV機器における本格展開として、最初にヘッドフォン事業に参入した。そのほかのAV機器についてはヘッドフォン事業の成果を見て検討するという。

 本格参入を決めた理由について、コンシューマー ライフスタイル事業部の俵恵美子事業部長は、「これまで日本は難しい市場だったが、ヘッドフォンはデジタルオーディオプレーヤーや携帯電話での音楽再生などで市場が成長し、買い替えのニーズがあると考えている」と説明。

 また、「ヨーロッパでフィリップスのヘッドフォンはシェアNo.1で、歴史ある音響技術が認められている」とし、デザイン性の高さなどを含むブランド価値を訴求することで、日本でも認知の向上を図る。同社が日本の消費者に向けて行なった調査で要求の多かった「デザイン」、「着け心地」、「音質」の要素を同社イヤフォンは提供できる、と自信を見せた。

 マーケティング面では、キービジュアルとして「エアギターを奏でるダビデ像」を採用。「動かぬものも動いてしまう原音再生力」をアピールするという。2009年の目標について同事業部のカスタマー マーケティング マネージャーの高橋淑恵氏は「金額シェア3%、5年以内に10%を目指す」とした。

キービジュアルは「エアギターするダビデ像」

マーケティング展開

カスタマー マーケティング マネージャーの高橋淑恵氏


(2009年 3月 25日)

[AV Watch編集部 中林暁]