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4G LTEで監視・制御する、KDDIの「スマートドローン」が日本初の長距離飛行実験に成功
2017年5月9日 13:54
KDDIは、4G LTEを使って「スマートドローン」に飛行ルート指示し、飛行位置、カメラ映像などの飛行状況を監視する日本初の完全自律飛行実験を実施。新潟県長岡市山古志で、山古志支所から約2km離れた住民宅に、約8分で食品を届ける長距離飛行に成功した。災害時や高齢化など、地域の抱える課題に対して、ドローンソリューションによる解決を実証する実験となる。
実験で使われた「4G LTE運航管理システム」は、ドローンへの飛行ルート指示に加え、飛行中の位置、高度、速度、電波状況、カメラ映像などの飛行状況の確認・監視も4G LTE経由で行なうもの。離陸から着陸まですべての操作を4G LTEで制御する。
通常のドローンは、オペレーターが操作する送信機からの電波によって制御するが、4G LTEを介して制御することで、これまでのドローン向け通信では実現できなかった、長距離完全自律飛行ができるという。
実証実験に賛同した新潟県の長岡市山古志は、2007年に発生した新潟県中越沖地震時を経験。今後の災害時の支援や被害状況の把握などで、ドローンでの対策を従来より検討していた。
KDDIでは、4G LTE対応のドローン機体、3次元地図、運行管理、クラウドで構成する「スマートドローンプラットフォーム」を展開。3次元地図を活用したドローン同士、またはドローンの建物への衝突を防ぐ運航管理システム、ドローンが取得したデータの蓄積・分析などのクラウドサービスをまとめたトータルソリューションの提供を目指しており、人口カバー率99%超の4G LTEネットワークを組み合わせ、地域課題解決やインフラ点検など、様々なソリューション提供に向けた実証実験を実施していくという。