ニュース

キヤノン、動く人間をシルエット表示する技術。プライバシーを守りながら混雑チェック

 キヤノンは、映像内の動体を認識してシルエット表示するソフトウエア「Moving Object Mask for Milestone XProtect Version 1.0」を4月9日に発売する。マイルストーンシステムズのビデオ管理ソフト「XProtect」に組み込むアプリで、セキュリティカメラなどで活用する事で、プライバシーに配慮しながら、映像活用シーンが広がるという。価格はオープンプライス。

人間をシルエット化した映像

 キヤノンは、ネットワークカメラの映像に付加価値を持たせることで、セキュリティや顧客サービス、マーケティングなどの分野に活用できる「映像解析ソフトウエア」の商品化を進めている。

 開発したアプリは、映像内の動く人物などを、個人が特定できないようにシルエット表示にするもの。例えば、レストランや会議室など共有スペースのネットワークカメラに映る人物をシルエットで表示し、プライバシーに配慮しながら空席状況や混み具合をモニタリングできる。

シルエット化する前の映像

 シルエット表示した駅やバス・タクシー乗り場の映像を配信することで、利用者が事前に混雑状況や行列待ちの長さなどを確認するといった使い方も可能。迂回ルートの選択や利用時間帯の検討など、行動判断の一助になり、顧客サービスの強化に繋がるという。

 シルエット表示する領域を映像内から複数指定することも可能。美術館や博物館などで、立ち入り禁止エリア以外をシルエット表示領域として指定し、来館者のプライバシーに配慮しながら特定エリアのモニタリングする事も可能。工場では、作業者のみをシルエット表示し、生産・物流エリアなどのモニタリングできる。

 別売の「People Counter for Milestone XProtect Version 1.2」と併用する事で、映像内を移動する人物をシルエット表示しながら、人数カウントや人の流れを確認することも可能。フルHDのネットワークカメラで撮影した映像では、約1,500人までカウントできる。