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「シェイプ・オブ・ウォーター」が第90回アカデミー作品賞・監督賞など4部門受賞

 ギレルモ・デル・トロ監督の映画「シェイプ・オブ・ウォーター」が5日、第90回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞の最多4部門を受賞した。配給は20世紀フォックス映画。

「シェイプ・オブ・ウォーター」
(C)2017 Twentieth Century Fox
  • 作品賞
  • 監督賞(ギレルモ・デル・トロ)
  • 作曲賞(アレクサンドル・デスプラ)
  • 美術賞(ポール・デナム・オースタベリー、ジェフリー・A・メリヴィン、シェーン・ヴィア)

 「パンズ・ラビリンス」や「パシフィック・リム」などで知られるメキシコのギレルモ・デル・トロ監督によるファンタジーで、ひとりの孤独な女性と水の中で生きる不思議な生物との言葉を超えた“愛”を描いた作品。

 昨年のベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。3月1日より公開された日本でも公開週末で既に1億7,700万円を超えるスタートを切っている。

 なお、その他の賞では、主演女優賞を「スリー・ビルボード」からフランシス・マクドーマンドが、主演男優賞を「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」からゲイリー・オールドマンが受賞。

 長編アニメーション賞はディズニーの「リメンバー・ミー」。長編ドキュメンタリー賞は、Netflixのオリジナル作品で、現在独占配信している「イカロス」が受賞している。

 作品賞と監督賞の受賞を受けての、ギレルモ・デル・トロ監督のコメントは以下の通り。

作品賞受賞コメント(ギレルモ・デル・トロ監督)

ありがとうございます。
メキシコで子供時代を過ごしてきましたが、E.Tとかウィリアムマナーとかいろんな人を憧れにしていました。
一週間前にスピルバーグ監督に「もし受賞したらレガシーの一部なんだ。このフィルムメーカー世界の一員なんだ、誇りに思え」と言われました。本当に誇りに思います。
これを捧げたいのは若い人達です。今のあらゆる状況を変えようとしているのは若い人達です。
私が子供だった頃メキシコで育っていて、こういったことが起こるとは想像もしていませんでした。
しかし、それが実現しました。夢を見ている人達、ファンタジーを使って現実について語りたいと思っている人達に伝えたいです。
夢は実現するんです。切り開いて中に入ってきてください。

監督賞受賞コメント(ギレルモ・デル・トロ監督)

ありがとうございます。私は移民です。多くのみなさんのように。過去25年間自分の国に住んでいました。
自分の一部はここにある、一部はヨーロッパにある、一部は他の国にあるわけです。
この業界は、そういった国境を越えて仕事をするべきだと思うんです。
私が1番好きなこと、2013年にFOXサーチライトがこのストーリーを気に入ってくれて、そしてこの半魚人、ミュージカル、スリラーが入っている作品をやろうと言ってくれたんです。
ついてきてくれた皆に感謝します。

あらすじ

 1962年、アメリカとソビエトの冷戦時代、清掃員として政府の極秘研究所に勤めるイライザ(サリー・ホーキンス)は孤独な生活を送っていた。だが、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と一緒に極秘の実験を見てしまったことで、彼女の生活は一変する。

 人間ではない不思議な生き物との言葉を超えた愛。それを支える優しい隣人らの助けを借りてイライザと“彼”の愛はどこへ向かうのか……。

『シェイプ・オブ・ウォーター』30秒TVスポット