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機械学習で進化する「Andorid P」。動作予測や“使いすぎない”に注力

 Googleは8日(米国時間)開催のGoogle I/Oにおいて、Android OSの次期バージョン「Android P」の新機能を紹介した。AI技術を使ったバッテリ駆動時間の向上や自動輝度調整機能の強化、画面デザインの変更などが行なわれる。

Adaptive Battery

 DeepMindと協力して導入する「Adaptive Battery」は、機械学習により、ユーザーのアプリやサービス使用状況を学習し、今後の利用シーンを予測してアプリのスタンバイ状況などを調整、バッテリ利用を最適化する。「Adaptive Brightness」は周囲の明るさと、ユーザーの好みも反映しながら画面の明るさを調整する。

 「App Actions」は、次に行なうタスクを予測しておすすめする技術。例えばヘッドフォンを接続すると、画面にお気に入りのSpotifyプレイリストや電話相手の情報を表示、タップするだけで再生や通話が行なえる。Googleアシスタントや検索、Play Store、Smart Text Selectionなどで表示される。

App Actions

 また、画面デザインも変更。画面下の操作ボタンは左右のボタンを無くし、中央のホームボタンのみとなる。スクリーンショットを撮影して編集する「Quick Setting」もデザイン変更、ボリュームコントロールの改善なども行なわれる。

ホームボタンのみでシステム操作も変更

 Android Pのテーマのひとつになっているのが、「Digital wellbeng」。スマホなどのデジタル機器に“没入しすぎない”ための工夫を施している。

 新デザインの「Dashboard」は、アプリやデバイスの利用時間や端末をロック解除した回数、受信したプッシュ通知数などをまとめて管理できる。「App Timer」はアプリごとに利用時間を制限する機能で、使い過ぎを防ぐ。「Do Not Disturb」は着信や通知を一切行わないモードで、画面を伏せるだけでも同モードに入れるようになった。

 「Wind Down」は、周囲が暗くなると自動的に「Night Light」モードにする機能。

 また、オーディオフレームワークに「Dynamic Processing Effect」を搭載。周辺環境などにあわせてリミッタやイコライザ、コンプレッサを制御し、例えば、周囲がうるさい中でのクリアな会話を行なうなどの制御が行なえるようになるという。

Dynamic Processing Effect

 Android Pベータ版は、開発者向けに提供開始されており、GoogleのPixelのほか、ソニーXperia XZ2、Xiaomi Mi Mix 2S、Nokia 7 Plus、Oppo R15 Pro、Vivo X21、OnePlus 6、Essential PH‑1などで動作する。

Googleアシスタントが連続した会話に対応

 音声アシスタントのGoogleアシスタントも強化。新たに6種類の音声が加わり、ミュージシャンのジョン・レジェンドの声も追加。また、連続した会話にも対応する予定。Google I/Oのデモでは、散髪の予約時間を指定するだけで、Googleアシスタントが美容院に電話して、予約するというデモも紹介された。

 複数の質問に答える「Multiple Actions」や子供を褒めながら対話する「Pretty Please」、定形アクション「Routines」のカスタム対応も取り入れている。

 また、ディスプレイ付きのGoogleアシスタント端末「Smart Display」の対応や、GoogleマップでのGoogleアシスタント対応なども行なわれる。