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GARMIN、高級腕時計にプロ向け機能“GPS プロウォッチ”「MARQ」コレクション

ガーミンジャパンは24日、創業30周年を記念し、高級腕時計の外観にプロ向けの計測器を搭載した新たなカテゴリー「GPS プロウォッチ」として「MARQ(マーク)」コレクションを発表した。24日から時計専門店や大手家電量販店で販売する。価格は21万円~33万円。

MARQコレクション

ドライバー、パイロット、マリナー、探検家、アスリート向けに、その記録を「マーク」する事から名付けられた製品。軽量でありながら、自動車、航空、海洋、アウトドア、フィットネスのフィールドで高い性能と耐久性を発揮するように、それぞれに特化した機能や素材を採用している。

共通の機能としてスマホとBluetoothで連携し、電話やメールの着信、SNSのメッセージ、天気予報などを通知。Elevate光学心拍計テクノロジーにより、24時間心拍数値をモニタリング。睡眠や日々のストレスレベルなどを確認可能。音楽再生機能、タッチ決済機能も備えている。

音楽再生機能も備えている

ランニング、サイクリング、水泳、スキー、ゴルフなど、様々なアクティビティに応じたデータ記録も可能。カーナビのように道路上にルートを案内するナビ機能も搭載する。

ディスプレイは直射日光下でも見やすいというChromaディスプレイを採用。消費電力を抑えたメモリインピクセル技術をディスプレイに使っている。ケースとベゼル素材はチタンで、レンズにはサファイアクリスタルを採用。10気圧防水。

これら共通の性能に加え、各モデルには、以下のような特殊機能と搭載している。

シリーズで最も高価な33万円の「MARQ DRIVER」は、世界のレースに挑むため、250以上のトラックの情報を搭載。文字盤に鈴鹿サーキットや富士スピードウェイなどのコースを表示できるほか、装着者が各コースでレースを開始すると、スタート時に特別な操作をしなくても計測を開始してくれる。

最速ラップや最高速度も記録可能。トラックタイマーを使い、特定のドライバーのパフォーマンスを記録するなど、レース観戦時にも活用できるという。

さらに、軽量かつ強靭性を備えたチタンをバンド外側に、肌当たりの良い柔らかいシリコンを内側に備えたハイブリッドブレスレットを採用している。

「MARQ DRIVER」
250以上のトラックの情報を搭載

28万円の「MARQ AVIATOR」には、世界の航空データベース、緊急時直近空港ダイレクトナビゲーション機能を搭載。気象レーダーと航空電子機器を統合する事で、まるでコクピットにいるかのように状況を確実に把握できるという。

現地の時刻と目的地の時刻に加え、24時間GMTベゼルで、合計3つのタイムゾーンを表示できる。水平姿勢表示系や直接誘導ナビ機能も搭載する。

「MARQ AVIATOR」

26万円の「MARQ CAPTAIN」は航海機能とスマート機能を搭載。レース時にはGPS技術により、強化された革新的なレガッタタイマーが、高い精度でスタート地点を示す。タックアシスト、落水事故救命アシストなども搭載する。

ネイビーブルーのセラミックをはめたチタン製ベゼルと、南仏の職人が仕上げたジャカードのナイロン製ストラップを採用している。

「MARQ CAPTAIN」

25万円の「MARQ EXPEDITION」は、世界の高峰を目指すために作られたモデル。スマート機能、地形マップ、リアルタイムの傾斜データを手元で確認できる。ABCナビゲーションセンサーとツートーンのコンパスベゼルがコースを外れないようにサポートする。

年月を経ると美しさを増すという、イタリア製のバケッタレザー(なめし革)のストラップを採用。極限の環境下でも高い耐久性を発揮できるという。地形図のプリロードや、1回の充電で数週間のトラッキングを可能にする「冒険モード」も搭載する。

「MARQ CAPTAIN」

21万円の「MARQ ATHLETE」はアスリート向けのモデルで、スマート機能、トレーニングをモニタリングするパフォーマンスコンディション機能を搭載。予想タイムを表示し、自分の現在のパフォーマンスレベルを把握、適切なアプローチでの改善をサポートしてくれる。ピッチ、ストライド、設置時間などトレーニング中の様々なデータを収集できる。

「MARQ ATHLETE」

ホンダジェットにもGARMINの技術が

GARMINの社長 兼 CEOクリフトン・A・ペンブル氏は、「創業当時、GARMINはベンチャー企業そのもので、私は6人目の社員として入社した」と語り、初代モデルの航海用GPSレシーバー「GPS 100」などを紹介しながら創業30周年を振り返った。

左からGARMINの社長 兼 CEOクリフトン・A・ペンブル氏、ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長 兼 CEO
GPS 100
歴代モデルも展示

クリフトン・ペンブル氏は、GARMINの強みとして、「優秀なエンジニア達が情熱を持ち、真摯に開発に取り組んでいる事」と説明。個人用の小型GPSレシーバーを作ったが、ヒットはせず、しかし自身も熱心なランナーであったエンジニアが、腕に取り付けるウェアラブルGPSデバイスを作りたいと追求、そうした取組が、現在のGARMINのスマートウォッチに繋がっているという。

スポーツだけでなく、車載器や航空機、船舶などへも製品を展開する同社だが、30周年を迎えた次の展開として、よりライフスタイルに寄り添うために、「ラグジュアリーかつハイエンドな洗練さを取り入れる事」とし、MARQシリーズを紹介した。

発表会には、ホンダジェットを手がける、ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長 兼 CEOもゲストとして登壇。ホンダジェットにはGARMINのGPS技術が投入されている。

藤野氏は、「(ホンダジェットへの導入)プロジェクトは1997年からスタートした。当時はホンダジェットの概念設計や機体のコンセプトを煮詰めている段階だったが、当時から最先端のアビオニクスを使いたいと考えていた。世界の様々なメーカーと話をする中で、GARMINと出会った。当時はそれほど大きな会社ではなかったけれど、創業者の1人であるゲイリー・バレルさんにお会いし、将来のビジネスジェットの姿やアビオニクスの将来像について語り合い、意気投合。このメーカーとなら、一緒に革新的な事ができるんじゃないかと考えた」と振り返る。

ホンダジェットのコクピットにもGARMINの技術が

「社長自ら、全ての技術ミーティングに出てきてくれて、非常に細かいところまで、様々な要求に対応してもらった。難しい点があっても、すごくポジティブに、新しいアビオニクスを作るという目標に向けて、一緒にやってきた。ホンダジェットとGARMINは、技術やビジョンを共有した関係が続いおり、また将来のビジョンを作り上げていこうという関係も維持している」と、技術だけでなく、開発を通じて築いた絆の強さも強調した。

藤野氏はMARQシリーズについて、「欧州のハイレベルな腕時計ブランドの中にあっても、引けを取らず、凄いなと感じた。先日、ネバダ州のファロン海軍航空基地にホンダジェットで飛んで行きましたが、そこで出会ったトップガンのパイロット達が、MARQシリーズを身に着けていてカッコいいなと思いました。プロのハートもとらえている。様々な表示ができるので、飛行機やビジネスジェットに興味を持つキッカケにも良いと思う。知識が増えると面白くなる。そしてMARQシリーズで興味を持っていただき、次はホンダジェットを買っていただきたい」と笑う。

クリフトン氏は、「今はマリーン(MARQ CAPTAIN)を身に着けているが、個人的に気に入っているのはEXPEDITION。レザーも使われていて、ベゼルのディテールを見ているだけで、冒険を想起させてくれるのが良い」と、魅力を語った。