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TAD、Referenceパワーアンプ「TAD-M700」。バイアンプ対応の2chモデルも追加

テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズは、Referenceシリーズのパワーアンプ新製品として、モノラルの「TAD-M700」と、2chの「TAD-M700S」を12月上旬に発売する。価格は「TAD-M700」が320万円、「TAD-M700S」が390万円。

手前が「TAD-M700S」、奥の2台が「TAD-M700」。背面以外の外観は同じ

「TAD-M600」の後継モデル。M600はモノラルパワーアンプだったが、M700はモノラルに加え、ユーザーニーズに応えて、バイアンプモードを搭載した2chモデルのTAD-M700Sも用意。TAD-M700Sを2台用意する事で、スピーカーの各ユニットを独立してドライブでき、セパレーションが向上するという。なお、どちらのモデルもM600から出力がパワーアップ、M700は700W(1kHz/4Ω)、M700Sは350W/ch(1kHz/4Ω)を実現している。

「TAD-M700S」
TAD-M700Sの背面
TAD-M700の背面

増幅回路は、マッチドペアのFET入力回路を採用。入力回路素子の数を削減する事で、純度の高い信号増幅ができるという。新たにDCサーボ回路を採用する事で、動作点のほか、温度変化や大小入力信号を含めた変化に対して安定した動作を実現した。

匠の手で丁寧に選別し、ペアリングしたFETデバイスを入力回路、及びDCサーボ回路に採用。動作安定度も向上させた。フィードバック抵抗には、非磁性高信頼カーボン抵抗器を採用。信号経路を非磁性化することで、磁性歪を排除している。

スピーカーの振動板を正確にドライブするためには、ボイスコイルに流れる正負の電流発生源が完全に同一である必要があるため、増幅回路には入力から出力まで完全に独立したアンプをバランス接続したBTL方式を採用。正負電源の対称だけでなく、全ての電源回路を独立設計した。

構造面では電源トランスの配置や基板のパターン構成に加え、配線長まで対称性を重視したデュアルモノ構成となっている。

高域特性に優れた大電力マルチエミッタ・トランジスタを採用した電力増幅回路をバランスアンプ接続。全周波数帯域で余裕のあるドライブを実現。最終出力段のエミッタ抵抗には、新開発のハイブリッド型抵抗素子による非磁性抵抗器を採用。入力から出力まで信頼性の高い部品を採用することにより、パワフルなスピーカーのドライブを実現している。

匠によってハンドメイドしたという、2基トータルで2.8KVAの超大型電源トランスを採用。一次巻線と二次巻線の結合度を高めるために、ボビンを排し、絶縁紙を直接コアに巻いている。

特に感度の高いファーストステージ用の巻線を高純度な直出しにすることで、応答性の良い安定した音質を実現。新開発のオリジナルカスタムメイドで大容量の電解コンデンサー(33,000μF)を4台使用している。

アルミニウム鋳造シャーシを採用することで、高い内部損失を獲得。不要振動周波数による固有共振を排除した。シャーシ内部のパーツ配置を最適化することで、外部音圧による不要振動を抑える強固な構造とした。シャーシには低インピーダンスのアルミニウムを使い、安定性も確保している。

インシュレーターには、独自の「ISOマウント」を深化させたという、新構造のアジャスタブルスパイクを採用。インシュレーターの荷重ポイントを明確化し、床からの振動の影響を低減。アイソレーション性能も向上させたという。

従来よりも穏やかなラウンド形状のアルミニウム鋳造シャーシを使うことで、可聴帯域からの共振振動を抑制する安定した土台を実現。M600から継承しているシャーシ脚部にも変更を加えており、外側に配置するワイドトレッドシャーシ構造のテーパー角度を最適化することで、さらに重心を下げている。

消費電力は590W。外形寸法は516×622×296mm(幅×奥行き×高さ)で、重量はM700が74.5kg、M700Sが75.5kg。