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新型コロナの影響で家電量販店の店頭販売不調、ネット販売は前年比18%増と急伸

家電量販店店頭における週次販売台数前年比と新型コロナウイルス感染者数の推移

GfK Japanは、全国の有力家電・ IT取扱店の販売実績データなどを基に、新型コロナウイルスの影響を調査。3月の家電量販店および総合量販店における店頭販売の金額が前年比13%減となった。一方で、インターネット販売は同18%増と急伸したという。さらに、感染予防対策やテレワークに関連する家電製品の需要も急増している。

3月の店頭販売は金額前年比13%減。これは、不要不急の外出自粛、商業施設の営業時間短縮などが影響した。関東・甲信越地区ではさらに縮小幅が大きく、同15%減となっている。

特に首都圏で初めて週末の外出自粛要請が出された3月23日週の販売は、全国における金額前年比が18%減であったのに対し、関東・甲信越地区は同25%減となり、その後も低調が続いた。GfKでは「店舗の休業や時短営業に加えて、インバウンド需要の減少が首都圏の販売縮小に影響した」と分析している。

一方で、インターネット販売における3月の金額前年比は18%増。外出自粛により自宅でも購入できる通販の需要が高まった結果、店頭販売とは対照的な動きをみせている。

家電量販店の店頭販売における製品カテゴリ別の動向では、感染予防対策の需要拡大を背景に、電子体温計や空気清浄機の販売が急伸。2月上旬にクルーズ船での集団感染が判明した頃から感染有無を確認するために検温の需要が高まったとみられ、電子体温計の販売本数は2~3月期で前年の3.1倍に。一時的な急伸だが、2月24日週では前年の7.5倍を記録している。

空気清浄機の販売台数は2~3月期で前年比18%増。成長をけん引したのは加湿機能搭載モデルで、同モデルに絞ると前年比は同39%増となった。「例年この時期は花粉対策として購入される場合が多いが、適度な湿度を保つことが感染対策となることから、加湿機能付き空気清浄機の需要が拡大したと考えられる」という。

他にも、ホットプレート・たこ焼き器などの調理家電や、冷凍庫の販売台数も伸長。家族で過ごす時間の増加や、冷凍食品などのまとめ買いなどが背景にあると見られる。

また、テレワークの実施拡大により、オンライン会議で使うUSB接続のWebカメラの3月の販売台数は前年の4.1倍に。テレワークを実施する勤労者が多い大都市圏において顕著で、3月のPC用モニタ販売台数は全国で前年比32%増となる中、関東・甲信越地区では同51%増に達したという。

GfK Japanでは、「7都府県に出されていた緊急事態宣言が全国へと広がり、外出自粛の気運は益々高まるだろう。全国的にテレワークの利用や在宅時間が増えることで、関連製品の需要は引き続き高水準で推移する」と予想している。