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KADOKAWA、ソニーやサイバーエージェントから100億円調達。IP強化

KADOKAWAは4日、ソニーとサイバーエージェントを割当予定先とする第三者割当による新株式の発行により、約100億円を調達。新規IPの創出・開発・取得に50億円、既存IP活用の最大化に50億円を使用する。

284万4,950株を新たに発行し、99億9,999万9,250円を調達する。KADOKAWAとソニーグループは、既にDTC(Direct-to-Consumer)事業やブランデッドハードウェア事業、ゲーム事業などの領域で協業・取引関係があるが、今後、ソニーグループが持つ、アニメやコンシューマーゲームのグローバルな展開力と、KADOKAWAのコンテンツ力を組み合わせ、KADOKAWAのIPの「グローバル・メディアミックス」をより強力に推進すべく、「ソニーグループ及び当社の事業面における提携関係の構築・強化に向けた協議を進めていく」という。

サイバーエージェントとKADOKAWAは、インターネット広告事業やゲーム事業、メディア事業等において幅広い協業・取引関係があり、「今後、両社の事業・ノウハウ等の強みを活かしつつ、サイバーエージェントが有するスマートフォン向けゲームの開発・運用力とKADOKAWAのコンテンツ力を組み合わせ、IPのグローバル・メディアミックスをより強力に推進する」としている。

こうした関係強化に向けて、2社との資本面における提携関係を構築すべく、今回の第三者割当が決定した。

具体的には、新たなIPを安定的に創出するために、調達資金のうち50億円を権利の獲得やコンテンツホルダーへの出資・買収などに要する資金に活用。著作権者との交渉による出版権の獲得、アニメ・映画・ゲームなどの製作委員会への出資を通じた各種窓口権の獲得に加えて、出版社やアニメ制作会社、ゲーム会社などの海外を含めたコンテンツホルダー自体の買収も想定する。支出期間は2023年3月まで。

残りの50億円は、既存IP活用の最大化に使用。KADOKAWAが持つ豊富なIPの、アニメ・ゲーム領域を中心とするマルチメディア展開や、グローバル展開に要する資金に充当。マルチメディア展開は、年間5,000点の新作を刊行している書籍発祥IPをコミック、アニメ、映画、ゲームなどの異なるメディアへ順次または同時並行で拡げていく従来型の展開に止まらず、アニメやゲームなどに起源を持つKADOKAWAのIPを多面的に展開していくことも想定。

グローバル展開は、それらを更に英語圏・中国語圏などの言語人口の多い地域を主要なターゲットとして地理的に拡げていく展開を想定。いずれも、複数の案件を並行させながら一案件あたり1億円未満から10億円を超える規模まで充当する可能性があり、またサイバーエージェント及びソニーグループの有するプラットフォームの活用や共同で取り組む可能性も見据えている。