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’20年ビデオソフト売上は14%減「コロナの影響を多分に受けた年」

日本映像ソフト協会(JVA)は9日、2020年のビデオソフト出荷統計調査の結果を発表。2020年1月~12月のビデオソフト売上金額は1,371億3,700万円で前年比86.2%、また売上数量は3,881万0,503枚で同81.9%となり、金額・数量とも前年を下回った。JVAは「新型コロナウイルスの影響を多分に受けた年」としており、「市場性によるもの加えて、新型コロナ禍による4月以降の発売タイトル数の減少、行動自粛による消費の低迷」も影響したと分析している。

ビデオソフトの総売上を上半期・下半期毎に見ると、上半期は714億3,900万円で前年同期比92.1%、下半期が656億9,800万円で同80.6%で、コロナ禍の中において、本年後半の売上の落ち込みが大きく響く結果となった。

総売上金額をメディア別で見ると、DVDビデオが660億6,600万円で前年比89.3%と約1割の減少だったのに対し、ブルーレイ(Ultra HD ブルーレイ含む。以下同)は710億7,100万円で同83.5%とD VDビデオを上回る減少幅となった。構成比ではDVDビデオの構成比が48.2%となり(2019年は46.5%、年々減少していたDVDビデオの構成比が増加に転じた。

コロナ禍で「ドラマ」の売上伸張。「音楽」「洋画」が大幅減

販売用全体(DVDビデオとブルーレイの合計)の売上金額は1,142億800万円で、前年比87.9%と前年を割り込んだ。うちブルーレイは686億9,500万円で同84.2%、DVDビデオは455億1,300万円で同94.3%となった。販売用全体に占めるブルーレイの売上金額の構成比は60.1%となり、前年に続き6割を超えた。

販売用全体の売上金額をジャンル別に見ると、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛等により需要が高まった「日本のTVドラマ」が構成比3位(8%)となり、前年比でも131.8%と売上を伸ばした。また、構成比5位(6.3%)の「芸能・趣味・教養」が同131.8%、「アジアのTVドラマ」が同128.5%と同様に大きく伸長した。

一方、構成比1位(40%)の「音楽(邦楽)」は、前年比92.7%、構成比2位(22.5%)の「日本のアニメーション(一般向け)」は同79.6%と前年を下回った。また、構成比4位(7.8%)の「洋画(TVドラマ除く)」(構成比7.8%)は、前年リリースの大ヒットタイトル「ボヘミアン・ラプソディ」の反動もあり、同59.0%と売上を大きく落とした。JVAは「新作の発売延期や制作の遅延、コンサートの中止等、コロナ禍において最も大きな影響を受けたジャンル」と分析している。

レンタル店用全体(DVDビデオとブルーレイの合計)の売上金額は218億7,500万円で、前年比78.2%と前年を大きく下回った。売上金額全体に占めるDVDビデオの割合は90.8%でほぼ前年と比率は変わらなかったが、売上金額は198億5,500万円で前年比は79.5%となった。 一方ブルーレイのレンタル店用の売上金額は、20億2,000万円で同67.6%となった。