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山田洋次監督「キネマの神様」8月6日公開。山崎貴監督がVFX監修

「キネマの神様」本ビジュアル
(C)2021「キネマの神様」製作委員会

松竹映画100周年記念作品で、山田洋次監督の最新作「キネマの神様」の公開日が8月6日に決定した。あわせて本作の本ビジュアルと特別映像が公開されたほか、追加キャストとして片桐はいり、原田泰造の出演が決まった。

また本作のVFX監修を「ALWAYS 三丁目の夕日」などで知られる山崎貴監督が担当していることも明かされた。

原田マハの同名小説を原作とする作品。脚本は山田監督と朝原雄三が担当した。ダブル主演を務めるのは故・志村けんの遺志を継ぐ沢田研二と、公開中の映画「花束みたいな恋をした」にも出演している人気実力派の菅田将暉。さらに、日本を代表する名女優の宮本信子と若手人気女優・永野芽郁、人気バンドRADWIMPSの野田洋次郎など豪華キャスト陣が出演する。

本作では、映画監督になる夢を追いかけ、挫折を経験するが映画をこよなく愛するゴウ(現在:沢田/過去:菅田)、かつて若きゴウが想いを寄せる食堂の娘であり、ゴウの妻となった淑子(現在:宮本/過去:永野)、そしてゴウとはかつての撮影所仲間で、名画座・テアトル銀幕を営むテラシン(現在:小林稔侍/過去:野田洋次郎)など各キャラクターの想いと共に、夢と愛に満ちた青春そして時代を越えて訪れる“奇跡”に満ちた物語が描かれる。

公開された本ビジュアルでは、主人公ゴウと彼の人生に欠かすことのできないメインキャラクターたちの柔らかな表情が映し出されている。

映画『キネマの神様』【山崎貴監督VFX監修:特別映像】8月6日(金)全国公開

あわせて公開となった特別映像では、現在と過去のゴウをつなぐ重要な本編シーンとその演出について熱心に話し合う山田監督と山崎監督のカメラテストの様子が映し出されている。

山崎貴監督

山崎監督は「敬愛するレジェンドが僕の何かしらに期待してくれて、仕事を頼んでくれるなら、それは何を置いてもはせ参じなくてはと思いました」とコメント。「山田監督の世界観にあったVFXということにはこだわりました。いわば地に足が着いているもの。僕自身の作品のときは荒唐無稽なものをめざしますが、そこは品良くいきたいなと」と、本作におけるVFXで意識した点を明かしている。

片桐はいりは“テアトル銀幕”の常連女性客を演じた
(C)2021「キネマの神様」製作委員会
片桐と同じく山田組初参加となった原田泰造
(C)2021「キネマの神様」製作委員会

追加キャストとして発表された片桐はテラシン(小林)が営む映画館“テアトル銀幕”の常連女性客を演じ、原田はゴウのギャンブル依存に悩まされる妻・淑子と娘・歩(寺島しのぶ)が訪れる相談会の主催者を演じる。片桐と原田は、ともにこれが“山田組”初参加。

本作は2020年1月に映画化が発表され、3月1日にクランクインして撮影が進められた。しかし、ちょうど半分を撮り終えた3月末に当初ダブル主演にキャスティングされていた志村さんが逝去。程なくして緊急事態宣言も発出され、長期の撮影中断を余儀なくされた。

その後は、作品を無事完成させることが、志村さんへの一番の供養になると信じ、新たに沢田をキャストに迎えて撮影を再開。2021年4月16日の公開が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の状況を受けて延期に。今回、配給の松竹と製作委員会が競技した結果、8月6日の公開が決まった。

山崎貴監督コメント(Q&A)

Q.山田作品に VFX 監修として携わることが決定した際のお気持ちをお聞かせください。
A.敬愛するレジェンドが僕の何かしらに期待してくれて、仕事を頼んでくれるなら、それは何を置いてもはせ参じなくてはと思いました。

僕は邦画の歴史にも大変興味あるので、雑談する中でかつての巨匠達の生の姿を教えていただけることもとても楽しかったです。日本映画の様々な歴史的瞬間を体験してきた方ですから。

Q.本作における VFX に関して意識された点、こだわった点について具体的に教えてください。
A.山田監督の世界観にあった VFX ということにはこだわりました。いわば地に足が着いているもの。
僕自身の作品のときは荒唐無稽なものをめざしますが、そこは品良くいきたいなと。

Q.撮影現場における山田監督との対話の中でどのような意見交換をされていたのでしょうか?
A.山田監督は新しい玩具を手にしたように楽しんでいらしたような気がします。僕はその玩具の可能性を出来るだけ広がりが持てるようにレクチャーしていく感じでした。目指すイメージはしっかりと出来上がっていましたね。