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パナソニック、JVCケンウッド、WiLがエッジAI活用の新会社Vieureka

パナソニック ホールディングス、JVCケンウッド、WiLの3社は、エッジAIを活用した社会インフラ「Vieureka(ビューレカ)プラットフォーム」を提供する新会社、Vieureka株式会社に共同出資し、7月1日より営業を開始すると発表した。

“Vieureka事業”は、2017年にパナソニック ホールディングスが開始し、事業開発室で推進していたものだが、そこにJVCケンウッド、WiLも共同出資し、新会社として新たにスタートする形となる。

現在、社会では少子高齢化に伴う労働力不足や熟練工の技術継承問題、新型コロナウイルス感染症をきっかけとした企業の働き方改革、人の対応が必須と考えられている「現場」の労働生産性向上といった課題が顕在化している。

このような課題解決を目的として、ハードウェアとAIを掛け合わせた「エッジAI」を活用する。エッジAIとは、端末で収集したデータをクラウドで全て処理するのではなく、AI技術を利用したソリューションを、外部ネットワークを介さずに現場で活用可能にする技術。

端末側、つまり現場でAI処理をするため、その場で指示を表示したり、アラートを出すといったリアルタイム性が求められる利用シーンで効果を発揮できる。さらに、端末で収集したデータをもとに、端末内でAI処理をするため、全てのデータをクラウドにアップロードする必要が無く、プライバシーを担保できる。

さらに、必要なデータだけをクラウドに送信するため、数千分の1、1万分の1といったレベルで削減でき、通信コストを大幅に削減できるといった利点もある。

これにより、現場で行なっていた“人による作業”を、安心・安全かつ低コストに置き換えでき、生産性向上が可能になるという。

一方で、エッジAIを実際に交通、店舗、工場、病院といった現場で実装するには、開発・導入を簡易にする基盤技術や、導入後の手軽な運用および柔軟な拡張ができる仕組みが不可欠となる。

そこで、Vieurekaでは、これまでVieureka事業を行なってきたパナソニックHD、ドライブレコーダー市場のリーディングカンパニーであるJVCケンウッド、大企業のオープンイノベーションを促進するWiLが共同で出資し、運営する。

なお、パナソニックHDでVieureka事業のプロジェクトリーダーを務めている宮﨑秋弘氏も出資し、新会社に移籍し、代表取締役に就任する。今後は「3社の強みを兼ね備えたスタートアップ企業のVieureka株式会社は、エッジAIプラットフォームのトップランナーとして更なるスピード経営・事業拡大に取り組み、エッジAIの現場実装を牽引していく」という。

これまでVieurekaで手掛けた導入事例とその効果
Vieureka代表取締役の宮﨑秋弘氏
左からパナソニック ホールディングス 執行役員 グループCTO、コーポレートイノベーション・ベンチャー戦略担当 小川立夫氏、Vieureka代表取締役の宮﨑秋弘氏、JVCケンウッド 代表取締役 専務執行役員、モビリティ&テレマティクスサービス分野責任者 事業改革担当 野村昌雄氏、WiLジェネラルパートナー兼共同創業者 松本真尚氏