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デル、世界初の5Kモニタを12月発売。約20万円。34型の曲面タイプも

 デルは、世界初の5K(5,120×2,880ドット)、27型液晶ディスプレイ「UP2715K」と、曲面を採用した34型で3,440×1,440ドットのワイドモニタ「U3415W」を12月12日に発売する。価格はいずれもオープンプライス。直販価格は、5Kの「UP2715K」が199,980円、曲面の「U3415W」が109,980円。

 どちらのモデルも「HDCP 2.2にも対応している」(河田浩行ブランドマネージャー)という。

 なお、同日には4Kディスプレイの新モデルとして、27型の「P2715Q」と、24型の「P2415Q」も発表している。こちらについては、別記事で紹介している。

右が5K、左が曲面ディスプレイ。背後が河田浩行ブランドマネージャー
UP2715K
U3415W

5Kディスプレイ

 5K、27型液晶ディスプレイ「UP2715K」の解像度は5,120×2,880ドットで、WQHD(2,560×1,440ドット)の4倍、フルHDの7倍にあたる解像度を実現。多数のコンテンツを一度に表示できる。

5K、27型液晶ディスプレイ「UP2715K」
5KとフルHD、4Kの解像度比較

 映像入力はミニDisplayPort×1、DisplayPort×2を装備し、DisplayPort×2を使って5K/60Hzの映像を伝送する。1本の場合は4Kとなる。5K表示には対応するビデオカードが必要で、デルにおいて現在動作を確認しているのはNVIDIAのQuadro K2000/K2200/K2000D/K4000/K4200/K5000/K5200/K6000で、ドライバはR344.11以上。「対応するカードは今後順次拡充していきたい」という。

 パネルはIPSで、視野角は上下左右178度、応答速度は8ms(グレー to グレー)。バックライトはLED。輝度は50~300cd/m2。

 表面はガラスだが、反射を大きく低減したコーティング施し、ガラスと液晶パネルの隙間に樹脂素材を充填するオプティカルボンディング技術などを用いる事で、既存の「S2740L」と比べて反射率を86%低減している。

表示解像度の違い
反射を低減したコーティングと、オプティカルボンディング技術でコントラスト改善
UP2715Kの入力端子部」

 12bitの内部処理で、色域はAdobe RGB 99%、sRGB 100%を実現。工場出荷時にカラー調整も行なわれている。色補正完了証明書も同梱。付属の「Dell Color Calibration Solution」ソフトと、別売の「X-Rite i1Display Proキャリブレータ」を使う事で、モニタの12bit LUT(ルックアップテーブル)にアクセスし、高精度なハードウェアキャリブレーションも可能。

 USB 3.0のハブ機能も搭載し、アップストリーム×2、ダウンストリーム×4を用意。メディアカードリーダも備えている。

 32W出力のスピーカーも内蔵。スタンドはチルト、スイーベル、ピボットが可能で、115mmの高さ調整もサポート。消費電力は通常時で100W、スタンバイ時で0.5W以下。スタンドとケーブルを含めた重量は10.07kg。外形寸法は637.3×204.5×427.6~542.1mm(幅×奥行き×高さ)。

34型の曲面ディスプレイ

 34型で3,440×1,440ドットのワイドモニタ「U3415W」は、左右の端に向かって湾曲しているのが特徴。アスペクト比は21:9。デュアルモニタの置き換え、ゲーム用、エンターテイメント、業務など、様々な用途に活用できるとする。

 曲面の利点として、エンドユーザーコンピューティング事業統括本部 クライアント製品マーケティング本部の河田浩行ブランドマネージャーは、「画面の中央と見ている人の距離が600mmの場合、フラットパネルでは、端までの距離が724mmとなり、距離差が124mm生まれる。曲面の場合は、端まで698mmと距離差が少なくなり、眼がピントを合わせる時の負荷が軽減される」と説明。実際に利用してみると、「見やすく、端が曲がっている違和感も無く利用できる」という。

34型、3,440×1,440ドットのワイドモニタ「U3415W」
上から見たところ、端に向かって湾曲しているのがわかる
同じ距離からフラットパネル、曲面パネルを見比べた際の距離差

 パネルはIPSで、ノングレア。視野角は上下178度、左右172度。応答速度は高速モードで5ms、通常モードで8ms。輝度は300cd/m2。

 映像入力はHDMI 2.0、MHL、ミニDisplayPort、DisplayPortを各1系統装備する。DisplayPort出力、アナログ音声出力も装備。下部にスピーカーも内蔵。USB 3.0ハブ機能も備え、アップストリーム×2、ダウンストリーム×4を用意する。

 色域はsRGB 99%を実現。工場出荷時にカラー調整も行なわれ、色補正完了証明書も同梱する。バックライトはLED。

パノラマ写真を表示したところ
Adobe Lightroomでサムネイル画像を一覧表示したところ
背面端子部

 集中管理ツール「Dell Display Manager」を使い、アプリに合わせた表示設定を自動で行なったり、画面輝度自動調整機能やスリープモードも利用できる。

 スタンドはチルト、スイーベル、ピボットが可能で、115mmの高さ調整もサポート。消費電力は通常時で55W、スタンバイ時で0.5W以下。スタンドとケーブルを含めた重量は11.25kg。外形寸法は824.7×216×408.7~523.7mm(幅×奥行き×高さ)。

「4Kがコモディティ化する前に5Kに参入」

 河田浩行ブランドマネージャーは、デルが国内液晶ディスプレイの出荷シェアで2005年から2013年にかけて9年連続第1位になっている事、4Kディスプレイでも、2014年1月~10月の販売シェアで1位になった事を紹介。

 その上で、「テレビは昨年“4K元年”と言われていたが、今年は“4Kモニタ”の元年と言え、事実今年は4Kモニタが飛躍的に伸びており、我々も4Kに力を入れている」と説明。価格を抑えた4Kディスプレイの新機種2モデルを紹介した。

河田浩行ブランドマネージャー
4Kから5Kへ
デルのワークステーションと連携するディスプレイとしても5Kを訴求していく

 さらに、「フルHDのように、4Kもそう遠くない将来にコモディティ化するだろう。そうなる前に、本日をもって5Kに参入していく」とし、5Kディスプレイを紹介。PCで扱うデータサイズの増大や、デルが手掛けるワークステーションとのトータルソリューションとしての提案、アプリケーションベンダーとのパートーナーシップを推進し、5Kディスプレイにも力を入れていく姿勢をアピールした。

Adobeのマーケティング本部 デジタル メディア グループ リーダーの栃谷宗央氏

 Adobeのマーケティング本部 デジタル メディア グループ リーダーの栃谷宗央氏も登壇。Lightroomなど、Adobeのソフトを5Kや曲面ディスプレイで実際に利用するデモを行なった。

 5Kディスプレイでは、4K映像編集において、4K映像を表示した残りのスペースに動画編集ソフトのタイムラインなどを配置できる事を紹介。曲面ディスプレイでは、フォトレタッチのLightroomを使い、ワイドな曲面ディスプレイに多数のサムネイルを表示したり、中央に写真を表示して、左右の空きスペースに操作ウインドウを配置できる事を説明。「Adobeのために作られたのではないかと思うような製品」と、使いやすさをアピールした。

(山崎健太郎)