ニュース
TechDAS、新世代ターンテーブル「Air Force 20」。レコード吸着とハイブリッドサスペンション
2026年6月5日 18:26
ステラは、TechDASブランドのアナログターンテーブル「AirForce」シリーズの新モデル「Air Force 20」を発表。6月4日からウィーンで開催されている「High End Vienna 2026」で披露した。税別予価は、超超ジェラルミン製アッパープラッターモデルが770万円、チタン製アッパープラッターモデルが900万円。受注受付は6月15日開始予定、デリバリー開始は9月中旬~10月の予定。
フラッグシップモデル「Air Force Zero」および「Air Force One」で培われた技術を継承しつつ、新たな世代のAir Forceシリーズとして開発されたターンテーブル。
TechDASのエアベアリングとレコード吸着システムは、Air Force Oneから始まったもの。フラッグシップのAir Force Zeroでは、総重量120kgのプラッターとフライホイール搭載エアーベアリングモーターユニットが搭載された。
その後に登場したAir Force Twoでは、アルミ鋳物のシャーシとエアーとオイルによるハイブリッドサスペンションを使用し、Air Forceシリーズの中で趣の違う音質を実現。しかし、シャーシの生産が困難となり生産終了となっていた。
その、独自のサスペンションを搭載したモデルを復活させたのが、今回のAir Force 20。
Air Force 20もエアバキューム機能を備え、レコードと重量級のプラッターに一体化。「レコードの重量はプラッターの重量に等価になる」という。これにより、針先のトレース能力を向上させた。
エアフロート機能により、10ミクロン浮上しながら回転。アナログレコード再生につきものだった無音状態での暗騒音を解消。再生音に圧倒的な静寂性をもたらすという。
Air Force Twoの音作りの基礎となったハイブリッド構造のサスペンションを再設計して採用。メインフレームを支えるスプリングをゴム製のダイヤフラムの中にオイルとともに封入し、オリフィスを通してサスペンション上部のフリーピストンを備えたオイル室に繋がっている。
これにより、加重によって動いたピストンの動作により、オイルダンピングが機能。オイルがダイヤフラムとオイル室を行き来する際の抵抗でスプリングの余分な揺れを減衰させている。
ドライブモーター部分は、Air Force Zeroでのみ採用していたこのモーターユニットをさらにコンパクトに再設計して採用。強力な130Wパワーアンプによって駆動している。
プーリー一体型のフライホイールは、プラッターと同じようにエアベアリングで浮上。フライホイールはプラッターより軽量だが、高速回転することになるため、結果としてプラッター以上の慣性モーメントを発生させる。
これによってシステム全体の慣性モーメントは5倍にブーストされ、針先に発生する摩擦を打消。「モーターに存在するコギングも無きものとしている」という。
メインフレームの素材はAir Force Oneと同じ、アルミ合金で最強強度というA7075を採用。サスペンション部分は振動吸収を考慮した柔らかめのアルミ合金A5056、メインフレームの底にはメインフレーム自体のダンピングと強度アップのためにSUS304の強化リブを放射状に取り付けている。
メインフレームはAir Force 20独自のサスペンションにぶら下がり、オイルダンピングの機能より振動から解放。総重量60kgのステンレス製ベースフレームが土台になっている。
サスペンションはベースフレームに取り付けられ、プラッター、アームベースの基礎となるメインフレームを3点支持。ターンテーブルの重心を考慮した配置でプラッターの回転時の安定性を追求した。
フライホイールは振動するモーターとマグネットカップリングによって動力だけが結合し、モーターの振動がプーリーに伝わることを物理的に排除。
モーター自体はベースフレームに取り付けられ、それらの重量によりモーターの振動を抑え込んでいる。
メインプラッターは非磁性体のSUS316Lを使用し、レコード直下にエアチャンバーを確保。レコード吸着時、エアチャンバーは真空引きされメインプラッターとアッパープラッターそしてレコードの3つを強固に密着させることによってこれらの共振/共鳴を抑えた。
レコードはアッパープラッター上にカッティング時と同じように平面に展開され、アームやカートリッジへの負担を低減させるとともに最適な溝の状態を再現。アッパープラッターは素材は、超超ジュラルミンA7075、純チタンTP340から選択できる。
メイン、サブ2つの同設計のアームベースが付属。どちらも10インチ(ショート)と12インチ(ロング)のアームに対応。アームベースを入れ替えて使用することもできる。
独立した2つのポンプによって、プラッターのフロート、プラッターのバキューム、フライホイールのフロートを駆動。2つのポンプと、新設計の大容量エアコンデンサを1つのシャーシにまとめた。ポンプの振動対策も、従来のAir Forceシリーズより強化している。
外形寸法は430×460×144mm(幅×奥行き×高さ)、重量は17kg。消費電力は60W。
