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ELACからワイヤレススピーカー。4,500万円の超弩級アナログプレーヤー「AIR FORCE Zero」
2019年11月22日 19:14
国内外のオーディオブランドが一堂に会する展示会「2019東京インターナショナルオーディオショウ」が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで11月22日に開幕。会期は11月24日までの3日間。入場無料だが、当日またはWebでの事前登録が必要。ここではユキム、マランツ、リン、ラックスマンなどのブースをレポートする。
ユキム
「NAVIS ARB-51」という、ELACのワイヤレスアクティブスピーカーを参考展示している。来年の発売を予定しており、価格は未定。ペアで30万円程度をイメージしているという。
1インチのソフトドームツイーター、4インチのアルミニウム振動板のミッドレンジ、 5 1/4インチのアルミウーファーを組み合わせた3ウェイブックシェルフで、各ユニットを内蔵の個別アンプでドライブするバイアンプ方式。トータルのアンプ出力は300Wとなる。
RCAとXLRの入力を備え、単体でもアクティブスピーカーとして使用できるが、「DS-C101W-G」というディスカバリーコネクトユニットも発売。このユニットには、LAN端子、光デジタル、同軸デジタル入力などを備えており、ネットワーク再生機能を内包。さらに、ワイヤレスでスピーカーへと、音楽を伝送する機能を備えている。
スピーカーの「NAVIS ARB-51」は、その受信機能を搭載。つまり、「DS-C101W-G」と「NAVIS ARB-51」を組み合わせる事で、NAVIS ARB-51を、ワイヤレスアクティブスピーカーとして使用できるようになる。
リンジャパン
ユーザーの要望に合わせ、内部の仕様やグレードを選択(セレクト)できる新基軸製品「SELEKT DSM」。その拡張性や、機能性を紹介するデモ再生に注目が集まっている。
また、同社初のワイヤレススピーカー「シリーズ3」も参考展示。日本での発売は2020年1月を予定しており、価格は未定。プレーヤー+アンプとして使えるDSM機能を内蔵したマスタースピーカー「301」1台でモノラルスピーカーとして使用できるほか、パートナースピーカー「302」を加えるとステレオ再生も可能。
2ウェイのExaktドライブ方式を採用し、位相ズレを防ぐExaktクロスオーバーに、SELEKTと同型のパワーアンプを組み合わせて搭載。LAN端子に加え、Wi-FiやBluetooth接続に対応。Spotify Connect、Qobuz、TIDAL、AirPlay、RoonなどDSMシリーズで対応しているサービスをサポート。外部入力としてARC対応のHDMI端子も備えている。
ラックスマン
新開発のトランス式アッテネーター“LECUTA”を搭載した真空管プリアンプ「CL-1000」(160万円)や、ROHM製DAC「MUS-IC」や新ドライブメカ搭載の最上位SACD「D-10X」(12月下旬発売/120万円)、CD専用プレーヤー「D-03X」(12月下旬発売/268,000円)などが注目を集めている。
「D-10X」は、新ディスクドライブメカを採用。メカの取り付け部をサイドフレームに貫通一体化することで剛性を高めている。8mm厚のフロント部からリアエンドまで貫かれたアルミサイドフレームと 5mm厚のスチールトッププレートにより強固にメカを包み込み、外来振動をリジッドに遮断する新高剛性オリジナルメカニズム「LxDTM-i」も採用。
DACには、最新のROHM製「MUS-IC」BD34301EKVをデュアル構成(モノラルモード)で搭載。USB DACとしても機能し、最大768kHz/32bitのPCMデータと、DSD 22.4MHzまで対応。S/PDIF入力は、最大192kHz/24bitまでサポート。MQAのフルデコードにも対応する。
CD専用プレーヤー「D-03X」は、ベストセラーモデル「D-05u」の基本構成を受継ぎながら、新しい高信頼CD専用メカを搭載。USB入力によるPCM/DSDのハイレゾファイル再生に加え、MQA(MQA-CD/MQAファイル)にも対応したのが特徴。SACDには対応していない。
FOCALの新製品は、6月から発売しているフロア型スピーカー「Stella Utopia EM Evo」。価格はペアで1,500万円の超弩級モデルで、「最上位スピーカーGrande Utopia EM Evoの遺伝子を正統に受け継ぐ、もうひとつのフラグシップモデル」と位置づけられている。
マランツ
マランツブースでは、HDMI入力を備えた78,000円の“2ch”アンプ「NR1200」など、新製品を紹介。
その中に、カナダのブランド、CLASSEの新アンプ「Deltaシリーズ」が参考展示されている。CLASSEは、マランツやデノンと同じ、SOUND UNITEDグループのブランドになっているが、その関連でこのアンプは、デノンやマランツの主力モデルを手掛ける、ディーアンドエムホールディングスの福島県・白河工場(白河ワークス)が開発・生産しているという。
アキュフェーズ
アキュフェーズブースで最も注目を集めているのは、プリメインアンプの最上位機「E-800」。価格は98万円。プリアンプ部にはC-3850で採用した「Balanced AAVA」方式ボリュームを最適化して搭載。パワーアンプ部には「インスツルメンテーション・アンプ」や「パワーMOSFET」6パラレル・プッシュプルA級動作を採用。「本格的なセパレート・アンプに匹敵するクオリティを実現する」という。
純A級ステレオ・パワーアンプの「A-48」は、68万円。上位機種で開発された設計テクノロジーを基にA-47を一新したもので、出力素子にはパワーMOSFETを採用。チャンネル当たり6パラレル・プッシュプルの純A級駆動としている。入力回路には、インスツルメンテーション・アンプ構成を採用。入力端子からパワーアンプ段までの信号経路をフルバランス伝送化した。なお、A-48を2台使うことで、ブリッジ接続で、チャンネル当たり180W/8Ω、360W/4Ω、720W/2Ω(音楽信号)の大出力モノフォニック・アンプにアップ・グレードできる。
プリメインアンプ「E-380」は45万円。電力増幅部や電源部の強化により定格出力の20%アップを実現。進化した「AAVA」方式ボリュームも搭載。パワーアンプ部にはインスツルメンテーション・アンプを採用し、高いSN比を実現している。
ステラ
TechDASブランド、その技術の集大成と位置付けられた、超弩級アナログプレーヤー「AIR FORCE Zero」に大きな注目が集まっている。ポンプから送られた空気で、プラッターを浮かせて回転させるエアーベアリングと、高精度の金属ベアリングを組み合わせ、高精度な回転を実現したという。システムの総重量は300kg以上。
低振動で安定、なおかつ正確な回転を実現するため、電子駆動回路も新たに開発。価格も超弩級で、トッププラッターがチタン製のモデルは4,500万円、タングステン製のモデルは5,000万円となる。
スピーカーでは、Wilson Audioの新フラッグシップ「CHRONOSONIC XVX」、VIVID AudioのGIYAシリーズ「G1 Spirit」、TRINNOV「Altitude16/Amplitude8」などが注目を集めている。
アクシス
昨年、日本初上陸を果たしたスコットランドのスピーカーメーカー、Fyne Audio。そのハイエンドモデル「F1-12」が登場。なめらかなキャビネットフォルムは、スピーカーバッフルが派生させる回折作用と内部定在波を回避するため。素材には高硬度ウォールナットを、フロントとトップにはさらに硬度の高いバーウォールナットを採用。重厚なバーチプライ積層プレス構造としている。
LFとHFの各ドライバーの音軸の中心を完全に一致させたポイントソースドライバーシステム「IsoFlare」(アイソフレアー)など、ドライバー構成と回路、システム構造などに、独自の技術を投入している。
Dan D’Agostino(ダン・ダゴスティーノ)ブランドの新製品として10月から発売がスタートしたのは、プリアンプ「MOMENTUM HD PREAMPLIFIER」。価格は650万円。初代MOMENTUM PREAMPLIFIERの優れたデザイン・コンセプトを継承しながら、内部回路には全面的に最新テクノロジーを投入。6年ぶりとなる大規模なアップグレードが施された。