ソニー、高効率「ワイヤレス給電システム」を開発

-磁界共鳴型で、60Wの電力を50cm離れた機器に伝送


10月2日発表


 ソニーは、電源コードを接続することなく、テレビなどの電子機器に離れた場所から電力供給できる「ワイヤレス給電システム」を開発した。60Wの電力を50cm離れた電子機器に高効率で給電できるという。

「ワイヤレス給電システム」の原理ブロック図

 送電/受電デバイス間で約80%、整流回路込みで60%という高効率ワイヤレス給電が可能。この、ワイヤレス給電システムの実現のために、磁界共鳴型の非接触給電技術を採用。磁界共鳴型とは、送電デバイスから供給された電力エネルギーが空間を介し同じ周波数で共鳴している受電デバイスのみに伝播する方式。

 今回、同方式を元に、新たに最適な素子を用いて高速、高効率な整流回路を開発。これにより送電デバイスから受電デバイスに伝送された高周波電力を電力ロスの少ない高い効率で整流することができ、テレビやノートパソコンなどの電子機器を動作させることができるという。

 加えて、送電/受電デバイスと同じ周波数で共鳴するレピータデバイスを開発。これをデバイス間に配置することで、給電効率を維持したまま給電距離を50cmから80cmまで伸ばすこともできる。

 実用化の時期については「未定」としているが、ソニーは、数cm以下から数10cm以上の広い範囲、小電力から大電力まで、ワイヤレス給電技術の電子機器全般への応用の可能性について研究開発を続けていくという。


(2009年 10月 2日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]