三洋、業界最大の16GBメモリ内蔵ポータブルナビ「ゴリラ」

-ワンセグやフォトフレーム機能搭載。5.2型/7型で3製品


ゴリラの新イメージキャラクターとなった関根麻里さん

4月22日より順次発売

標準価格:オープンプライス


 三洋電機は、ポータブルナビゲーション「ゴリラ」3機種を4月22日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、7型液晶搭載の「NV-SD740DT」が8万円前後、5.2型の「NV-SB570DT」が7万円前後、同じく5.2型でFM VICSを搭載しない「NV-SB550DT」が6万5,000円前後の見込み。7型モデルは4月28日に、5.2型モデルは4月22日に発売する。

 大きな特徴は、内蔵メモリを従来の8GBから16GBに増強したこと。同社は'09年春モデルでそれまでの4GBから8GBに強化しており、それから1年でさらに容量が2倍となった。容量増加に伴い、地図がより詳細になっただけでなくAV機能も強化。新たにSDカードから本体メモリへのコピーに対応したほか、スライドショー再生の「フォトフレーム機能」を採用している。さらに、バッテリ駆動時間もアップした。なお、画面サイズ以外のAV機能面については3モデル共通。

7型液晶の「NV-SD740DT」5.2型の「NV-SB570DT」5.2型でFM VICS非搭載の「NV-SB550DT」
新モデルの主な特徴

 ディスプレイの解像度は7型/5.2型ともに480×240ドット、バックライトはLEDで従来モデルと同じ。ワンセグチューナを搭載し、ワンセグ番組を1週間で10番組までSDカードに予約録画可能となっている。EPGやデータ放送にも対応している。なお、本体メモリへのワンセグ録画は行なえない。SDカードスロットは本体側面に装備。

 7型モデル「NV-SD740DT」には動画/静止画画質を向上させる半導体「SDPIC(Sanyo Digital Picture Improvement Core)」を搭載。輪郭/階調/色補正やノイズ除去などで画質を改善しながら省電力化も実現するLSIで、字幕やテロップなども見やすいという。


「NV-SB570DT」の側面。SDカードスロットやヘッドフォン端子などを備える背面にスタンドを備え、自立が可能ワンセグ用のロッドアンテナを備える

 動画再生は、従来のMPEG-4(Simple Profile)に加え、新たにMPEG-4 AVC/H.264にも対応。720×480ドット、15/30fps、216kbps~2Mbpsまでのファイルに対応する。音楽はWMA/MP3再生に、静止画はJPEGに対応。

SDから本体に動画や音楽をコピーできるMyストッカー機能

 新たに、SDカードから本体メモリにデータをコピーできる「Myストッカー」機能を搭載。Myストッカー用の記録領域は3モデルとも約1.5GBで、128kbpsのMP3/WMAでは約400曲、ワンセグ画質のAVC動画で約400分、JPEG静止画(600万画素)で約750枚を記録できる。なお、本体メモリからSDカードへの書き出しは行なえない。

 また、「フォトフレーム機能」は、JPEG静止画をスライドショー表示できるもので、リビングなど車以外での利用を想定。背景に時計やカレンダーを同時表示することもできる。画像を切り替える間隔は3秒~60分の6段階から選べる。

 内蔵スピーカーは7型モデルが1W×2ch、5.2型が1Wモノラル。いずれもステレオミニのヘッドフォン出力を装備する。そのほか、FMトランスミッタ機能も備えている。

Myストッカーで記録できるおおよその容量SDから本体へのコピー画面Myストッカーでの使用領域表示画面
フォトフレーム機能を搭載画像の切り替え間隔の設定画面時刻やカレンダーとの同時表示も

 ナビ機能の大きな特徴は、起動時の位置情報表示を高速化する、国内で初という「クイックGPS」の採用。従来は測位に必要な位置情報/時刻情報/軌道情報全てを取得するために約30秒~数分を要していたが、クイックGPSでは前回受信時のGPS情報を利用し、衛星からの取得は時刻情報のみとすることで約10秒で測位できるという。なお、前回の受信時から3日以上経つと誤差が大きくなるため、3日を過ぎるとこの機能は動作しない。GPSのほか、上下/左右のジャイロセンサー、加速度センサーも搭載。NV-SD740DTとNV-SB570DTのみ、FM-VICSも内蔵する。

 そのほか、NV-SB570DT/SB550DTは歩行者専用の地図データを収録し、地下街や駅の連結路、歩道橋、地下通路、公園などを歩行用ルートとして表示できるようになった。階段や歩道橋などの専用アイコンも採用している。また、本体を縦に持つことで歩行向けの縦画面表示に切り替わる自動切り替え機能も採用。従来のボタン押しによる切り替えも行なえる。

 動作速度を400MHzから500MHzに強化したCPUなどから構成される「GorillaエンジンII」を搭載。目的地検索などが素早く行なえるという。メモリ容量の増加に伴い、郊外や山間地の道幅表示対応や、4段階の詳細市街地図など、より詳細なデータを収録している。従来と同様にエコドライブ機能も搭載。そのほか、新たに1年間の盗難補償を採用。ユーザー登録しておくことで、車上荒らしでナビが盗難された場合、同モデルまたは後継モデルが無償で提供される。

クイックGPSを搭載歩行向けの機能を強化市街地図の縮尺は4段階から選べる

バッテリの連続使用時間も大幅に強化した

 5.2型モデルはバッテリを本体に内蔵。「NV-SB550DT」でワンセグを連続視聴した場合、'09年モデル「NV-SB531DT」の3時間20分から、4時間30分にアップした。電源スイッチの単押しで表示画面とタッチパネル動作のみをOFFにでき、こまめな節電も可能にしている。なお、7型モデルは別売で電池パック「NVP-DP20」を用意している。

 外形寸法と重量は、7型モデルが109×179×23.4mm(縦×横×厚さ)、約400gで、5.2型モデルが86×139×21.5mm(同)、約260g。吸盤タイプの車載キットやシガーソケットアダプタ、ACケーブルなどが付属する。



■ '09年国内PNDシェアで50%を獲得。イメージキャラクターには関根麻里さん

専務取締役 車載機器事業部 事業部長の大庭功氏

 三洋電機コンシューマエレクトロニクスの専務取締役 車載機器事業部 事業部長の大庭功氏は、ポータブルナビ(PND)を取り巻く環境として、大型車から小型車への移行、ETC特需、デフレなどの影響でより低価格なPNDが好調に推移していると説明。国内市場における'09年度のPND販売は100万台を見込んでおり、'10年度は125万台、'11年度は130万台と予測。一方でポータブル以外は'09年度の400万台を頭打ちに、'10年度と'11年度は375万台に減少すると見ている。

 そういった中で、同社は'09年度より「探すナビから、楽しむナビへ」を新コンセプトにゴリラを展開し、'09年度国内売上見込みでPNDシェアの50%を獲得したという。'10年度の新モデルでは業界初という16GBメモリ内蔵とすることで、「PNDの大容量化の扉を開ける」と宣言した。


「探すナビから、楽しむナビへ」をコンセプトに訴求国内のナビ市場の現状と予測(三洋調べ)。緑色がポータブル、青色がその他

縦横画面の自動切り替え機能に感心した様子
 発表会には、新たにゴリラシリーズのイメージキャラクターを務めることになったタレントの関根麻里さんが登場。ひと足先に新モデルを試した感想などを語った。

 関根さんは、ゴリラのブランドカラーであるグリーンに、「Gorilla & Mari」の文字が入ったTシャツを着用。製品キャラクターのゴリラと同様に、アンテナを立てたような髪型で、まさにブランドにぴったりの姿で登場した。

 NV-SB570DTを使った感想は、「コンパクトなのに、ナビ以外にも音楽やテレビなど機能があって驚きました。軽いので、持ち歩きにも便利。タッチパネルで使いやすく、ゴリラのキャラクターもかわいい」とのこと。

 新機能のMyストッカーや、フォトフレーム機能について説明されると「家でライルという名前のゴールデンレトリバーを飼っているのですが、その写真や動画は癒されるので、いつでも見たい。ライルの写真をいっぱい入れて、フォトフレームとして使えるのはうれしい」と話した。

 また、散歩も好きという関根さんは、歩行向けの機能についても気に入ったようで、特に画面の縦横自動切り替え機能に驚いていた。一方、デザインについては、「ブラックもかっこいいですが、パールホワイトやピンクなどがあると、女性もきっとかわいいと思う」と話すと、三洋電機の車載機器事業部 事業統括部 ポータブル開発部の山下隆弘部長は笑顔で「麻里さんのような元気な女性に是非とも使っていただきたいので、検討してみます」と前向きに応じていた。

緑のTシャツと、アンテナが立ったような髪型で登場した関根麻里さん


(2010年 3月 26日)

[AV Watch編集部 中林暁]