ミニレビュー
LUMIX DC-L10を連れて、初夏の小田原へ。“高校生だったあの日”を再現してみた
2026年7月28日 08:00
このところ、学生以来のカメラ熱が再燃していまして。時にオールドコンデジを、時におもちゃカメラを買っては、その魅力を語ってきました。
順調にカメラ沼へ足を踏み入れつつある中、春が始まる前に手に入れたのが、2014年発売のミラーレス一眼「LUMIX DMC-GM1S」(以下、GM1S)です。
手の小さな私でも片手に収まるコンパクトさが魅力で、最近の外出はもっぱらこの子と一緒。ときおり感じる古さも醍醐味として楽しんでいるのですが、やっぱり、「今のLUMIXだったら、どんなふうに撮れるだろう?」と思うこともあるんですよね。
そんなとき、タイミングよく発表されたのが、LUMIXの新コンデジ「DC-L10」(以下、L10)です。今回はシルバーモデルをお借りして、“最新LUMIXカメラで撮る楽しさ” を体験しに、旅へと出かけてきました。
LUMIXの最新技術が詰まった、みんなの相棒「L10」
今年6月18日、LUMIX25周年記念モデルとして登場したL10は、フォーサーズ(4/3型)センサーの高級コンパクトデジタルカメラ。前モデル「LX100 II」(2018年発売)から約8年ぶりの新シリーズです。
搭載センサーは「LUMIX GH7」と同じ有効画素数2,040万画素の4/3型裏面照射型(BSI)CMOS。ライカとパナソニックが共同開発した「L2 Technology」の最新エンジンにより、779点像面位相差AFや被写体認識も強化されているそう。
フォトスタイルも充実しており、新たに「L.クラシック」「L.クラシックゴールド」というフィルムライクな新しいスタイルも追加されました。
外観や質感にも、こだわりがいっぱい。ボディは凹凸の少ないスッキリしたフォルムで、主に右側に操作ダイヤルやリングが配置されています。
細かく見ていくと、レンズ鏡筒部も削り出し加工など、金属部分は高級感あふれる仕上がり。ボディは、ツヤ控えめの少し硬めの触り心地のサフィアーノレザー調。本体カラーはブラックとシルバー、そして特別仕様のチタンゴールドもあります。
持ち歩きやすさを重視しつつ、操作やデザインでどこか“アナログ感”も味わえる、そんな一台になっています。
思ったより大きめ?果たして「持ち歩きにぴったり」となるか
私がいちばん気になっていたのは、カメラのサイズ感。
実は以前、あるカメラを首から下げて出かけたら、しばらくして気持ち悪くなったことがありまして。自分の貧弱さを知るとともに、それ以来「小型軽量」は、私にとって譲れないポイント。GM1Sを愛用する理由もそこで、負担が少ないことで、カメラを持ち歩くハードルもぐっと下がるんです。
さて、肝心のL10はどうでしょうか。言うて “コンパクトデジタルカメラ” なわけなので、期待していましたが、箱から取り出した第一印象は……いや、まあまあ、大きいかも?
サイズは約127.1×73.9×66.9mmで、GM1Sよりひとまわり大きい感覚。クラシカルなデザインなこともあって、なんだか存在感がある感じです。
ただ、実際に持ってみると印象が一変。意外にも片手でしっかり握れて、約508g(バッテリー・SDカード込み)とそんなに重くない。重量バランスもよく、凹凸が少ないことで、カバンにも入れやすいんです。「これなら持ち歩けそう」と、また期待が湧いてきました。
パナライカのズームレンズ搭載。一台で「撮りたい」をカバー
L10はレンズ一体型のカメラで、パナソニックのライカブランドレンズ、通称・パナライカの「LEICA DC VARIO-SUMMILUX 24-75mm/F1.7-2.8」を搭載しています(※24-75mmは35mm判換算)。
初心者といえど、カメラ好きにとって「LEICA」の文字は憧れそのもの。簡単に手の届かない存在だけど、そのLEICAのエッセンスに触れられるのが、パナライカのレンズだと思います。
普段GM1Sにつけているのも、パナライカの単焦点「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」(※こちらは35mm判換算で約30mm)。細部もパシッと描写してくれて、お気に入りの1本です。
だけど、たまに「ズームしたいなあ…」と思うときも。買い足せばいい話ではあるんですが、複数持ち歩くのは、せっかくの身軽さが損なわれる気もしていました。
その点、L10のレンズはF1.7-2.8と明るく、標準的なスナップから中望遠のポートレートまで、1本でカバー。最短3cmのAFマクロ機能も備えていて、幅広い撮影に対応していて、より便利に使えそうです。
自宅で試し撮り
まずは家で試し撮り。最初はLUMIXの基準フォトスタイル「スタンダード」に設定しました。
私のなかでLUMIXの写真は、派手すぎず、目の前にある色を素直に写してくれるイメージ。L10でもその印象は変わらず、とても好みの写り。その場の空気ごと写真に残せる感覚があって、日常の相棒としてぴったりな一台だと思います。
フォトスタイルを変えて、新しく追加された「L.クラシック」にしてみます。“彩度を抑えた柔らかなトーン”がベースになっているそうで、まさにふんわりした空気の写真になりました。「L.クラシックゴールド」はアンバーで少しコントラストの効いた仕上がりで、個人的にすごく好きなスタイル。選ぶだけで、手軽に自分好みの一枚になるのが楽しいです。
カメラに触れてまず好きになったのが、レンズの絞りリングの感触。軽すぎず重すぎず、動きは滑らかだけどカチッと小気味よく回るのが、心地いいんです。操作することで、「カメラで撮る」をより楽しめるところもお気に入りです。
ズームレンズも使いやすくて、快適。被写体に近寄れない距離だったり、この景色をいろんな画角で撮ってみたいと思ったりするとき、サクッと応えてくれるこの機動性は、どんなシーンでも頼りになります。
例えば、家の中で。私が「寄りたい」瞬間というと、大切な猫たちの姿を撮るとき。いつも「今の撮りたい」と思って近寄ると、どこかへ行ってしまったり、表情を変えてしまったり。L10は75mmまでぐいっと寄って撮れるから、日常の記録がまた一段と楽しくなりました。
なんだか無性に、旅したくなった。L10と思い出の小田原へ
操作しやすく、手軽に使えるL10。街歩きや日常のスナップはもちろん、もっと相性が良さそうだと思ったのが旅先での撮影です。重すぎないボディに、幅広い画角と撮影機能が備えられたこの機動力は、身軽に動きたい旅にフィットすると思うんです。
そこで一緒に旅に出ることに。今回選んだ旅先は、小田原です。
小田原は私にとって、高校生の頃に友達と初めて旅をした、ちょっと特別な場所。学校帰りに電車で向かい、湯河原で一泊。翌日移動して小田原城に登るという、少し渋めの旅でした。
天守閣から見えた海がすごく近く感じて、歩いて向かうことにした2人。まだガラケーの時代、地図アプリもろくに使えず、「あっちに見えた」という勘だけで突き進みます。最終的には、なぜか靴のまま川をザブザブと渡って砂浜に辿り着いたのを、今も覚えています。
2026年の今は、もう違います。スマホで最適なルートを調べられるし、海の近くまでバスが走っていることも知っている。今度は若きあの頃の冒険とは違って、大人の余裕ある旅として、L10と一緒に当時の記憶をなぞることにしました。
小田原のシンボル、天守閣に登る
駅に着いてまずは、小田原城へ。当時から思っていましたが、城ってかっこいいですよね。眺めているだけでも楽しい。以前の旅もたしか晴れた暑い日で、何が楽しいのかわからないまま、笑いながらここまで来た気がします。
思い出を巡る旅なので、回想っぽいイメージで撮りたくて、お気に入りの「L.クラシックゴールド」を使ってみました。その他の設定が下手すぎて性能を活かしきれていないことは、ご勘弁ください。
カメラの操作自体は、どこに何があるか分かりやすく、特にディスプレイ右上の「Q」ボタンが便利。押すだけで撮影設定を変更できるクイックメニューが開いて、慣れればそこから手早く調整ができそうです。
今回も天守閣を登って、展望スペースから外を眺めることに。この日も海は、手の届きそうな距離にあって、気持ちが高まります。本当は写真に残したかったけれど、高所恐怖症で手すりや手を離せず撮影断念……。心のシャッターを切っておきました。
足じゃなく、バスを使って海へ
天守閣を降りたら、暑さで体力を消耗していたので、老舗の食事処で昼食を。落ち着いたところで、スマホアプリ「LUMIX Lab」を試してみました。
LUMIX Labは、カメラと連携させて写真・動画の編集や、「LUT」の作成ができるアプリ。LUTはLook Up Tableの略で、素人理解ですが、フォトスタイルと似たような感じで、より細かく、自由な調整ができるというイメージ。作ったLUTは、アプリからLUMIXのカメラに転送して使うこともできます。
面白いのが「Magic LUT」機能。スマホ内の写真を選んでONにすると、その色味に近いLUTをAIが自動生成してくれるというもの。作ったLUTはアプリ上でも、リアルタイムLUTに対応したLUMIXのカメラで撮影時にも使えます。
早速、好きなフォトグラファーの写真をイメージして調整した一枚を使い、Magic LUT機能で自分用のLUTを自動生成。「L.クラシックゴールド」と似た色味で、より明暗がはっきりした感じになりました。早速カメラに転送し、リアルタイムLUTを使って撮影を続けます。
昼食を済ませたら、海を目指して移動開始。記憶を辿りながら、スマホの地図アプリで川と海がつながっている場所を探し、最寄りのバス停までバスに乗ることにしました。
当時は「海はあっちの方だ」という勘だけを頼りに、さんざん遠回りしましたが、そこはもう大人。バスを使って10分とかからず目的地へ。到着したそこは、思い出の酒匂海岸です。
たくさんシャッターを切ったのは、海ではなく汽水域。この川みたいなところを渡って、やっと砂浜に着いたんだっけ。あのときは、この景色にたどり着くだけで精一杯だったけど、今日は同じ場所で、写真を撮る余裕まであるなんて。なんだか感慨深いものがありました。
朝から出かけること数時間、首が凝らないのが嬉しい
この日は10時半頃に家を出て、17時台のロマンスカーで都内へ帰還。約7時間、昼食で荷物を置いたとき以外は、L10をほとんど首からかけっぱなしでしたが、帰り際、あまり疲れていないことに気づきました。
軽量設計かつ重量バランスがいいからか、首の凝りや疲れはかなり抑えられた印象。以前に負担がかかりすぎて、気持ち悪くなった経験がある私には、この持ち運びやすさはかなり刺さったポイントです。
日常の記録にも、旅先の相棒にもぴったりハマる優秀コンデジ
LUMIX L10は、コンパクトさとレンズ一体型の手軽さ、そして妥協のない描写力を両立させたカメラだと思います。
アプリで“自分なりのいい感じ”を作って、カメラに反映できるから、写真映えする場所じゃなくても、日常のふとした瞬間も絵になりますし、荷物を増やしたくないけど写真もいい感じに撮りたいという旅好きにも、きっと相性がいいはず。
とことんこだわれる分、初心者向きの簡単カメラではないかもしれません。でも、操作はしやすく、あれこれと試すのも楽しい。私にとってL10は、もっと撮りたくなる気持ちにさせてくれるカメラでした。







































