キヤノン、フルHD動画対応/バリアングル液晶の「Kiss X5」

-動画10倍デジタルズーム採用。ボディ実売9万円


EOS Kiss X5(EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II装着時)

 キヤノンは、フルHD動画も撮影可能なデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X5」を3月3日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はボディ単体が9万円前後。

 レンズキットとダブルズームレンズキットも発売。店頭予想価格は、「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS IIレンズキット」が10万円前後、「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II EF-S 55-250mm F4-5.6 IS ダブルズームキット」が13万円前後。なお、キットに含まれる「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II」は新レンズで、単体でも3万3,800円で3月に発売する。

 また、動画の撮影解像度が1,280×720ドットのみのエントリーモデル「EOS Kiss X50」も3月下旬に発売する。カラーはブラックとレッドの2種類を用意し、ボディ単体の店頭予想価格は5万円前後。


EOS Kiss X50のレッド(左)とブラック(右)。いずれもEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS IIを装着

 

 「EOS Kiss X5」は、APS-Cサイズ相当(約22.3×14.9mm)の1,800万画素CMOSセンサーを搭載するデジタル一眼レフカメラ。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードを使用する。

 映像エンジン「DIGIC 4」を搭載し、従来モデル「Kiss X4」と同様に動画撮影モード「EOSムービー」が利用可能。1,920×1,080ドットで動画撮影ができる。動画のフォーマットはMOVで、コーデックはMPEG-4 AVC/H.264で、音声はリニアPCM。フルHD撮影時のフレームレートは30p/25p/24pに対応する。また、1,280×720ドット時は60p/50p、640×480ドット時は30p/25pに設定できる。

 新たに、EOSシリーズで初という動画のデジタルズームに対応。フルHD撮影時に、画面の中心部を約3倍~10倍拡大できるようになった。また、約2/4/8秒の単位で撮影した複数のシーンをつなげて、BGMを付けたショートムービーを簡単に作ることができる「ビデオスナップ」機能も採用した。

バリアングル液晶を採用

 そのほか、Kiss X4との大きな違いは液晶モニタで、EOS Kissシリーズ初のバリアングルに対応。サイズ/解像度は3型/104万ドットでX4と同じ。

 静止画撮影はJPEG/RAW対応。動画撮影中の静止画の撮影も可能で、フルHD/HD撮影中は16:9、SD撮影中は4:3で静止画が記録される。なお、動画撮影中に静止画撮影を行なうと、動画の中に静止状態が約1秒間記録される。また、全自動撮影機能「シーンインテリジェントオート」を搭載し、「EOS シーン解析システム」により、人の顔や被写体の色などの状態を解析、露出(AE)やピント(AF)、ホワイトバランス(AWB)、明るさ・コントラスト(ALO)に、新たに色合い(ピクチャースタイル)を加えた5つのオート機能が連動し、シーンに応じた画像補正を行なう。

 上位モデルのEOS 60Dで搭載された「表現セレクト」機能を搭載し、「ふんわりやわらかく」、「くっきり鮮やかに」といったイメージを選択するだけで写真の雰囲気を設定することが可能。そのほか、撮影した画像に特殊効果を加えることができる「クリエイティブフィルター」や、EOSシリーズとして初めて採用した「魚眼風」、やわらかい写真表現が可能な「ソフトフォーカス」のほか、「ラフモノクロ」、「トイカメラ風」、「ジオラマ風」という5種類のフィルターが利用できる。

 バッテリは「LP-E8」を使用し、静止画の撮影可能枚数(常温)は約440枚(ライブビューは約180枚)。動画撮影(常温)は約1時間40分。外形寸法は約 133.1×79.7×99.5㎜(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は約515g。



(2011年 2月 7日)

[AV Watch編集部 中林暁]