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NHK“自然で疲れにくい”3D表示ライトフィールドHMD開発。28日からの技研公開で展示

NHK技研が開発したライトフィールドHMD(外観)

NHK放送技術研究所(技研)は、役割が異なる2種類のレンズを接触して配置する独自の光学系と、高精細なマイクロディスプレイを組み合わせることで、従来よりも大幅な薄型化と高精細化を両立したライトフィールドHMDを開発した。5月28日より開催するイベント「技研公開2026」で展示する。

内部構成のCGモデル

同研究所は、実世界に近い自然な見え方で、視覚疲労の少ないバーチャルリアリティー(VR)体験の実現を目指し、「ライトフィールド方式」を採用したHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の開発を進めてきた。

一般的なVRゴーグル(HMD)は、2枚のディスプレイの映像をそれぞれレンズで遠方に拡大表示し、左右の目に少しずれた映像(視差)を見せることで立体感を作り出している。

しかし、この二眼方式には“視覚疲労”という課題がある。

映像上の物体が前後に動いても、目のピント(焦点)はレンズで拡大されたディスプレイの位置に固定されたままであるため、「視差によって知覚される奥行き位置」と「目のピントを合わせている位置」が一致しない。このことが、疲労や不快感の要因になると考えられている。

一方、ライトフィールド方式は、物体から放たれて目に到達する“光線の集まり”を再現する技術。実世界で物を見るときと同じように、見たい位置に目のピントを合わせることができるメリットがあり、「長時間視聴しても疲れにくい」「自然な3次元映像の表示が可能になる」と期待されている。

ただし、従来のライトフィールドHMDには、装置が大きくなってしまう課題があった。

ディスプレイとレンズアレイで一度空中に中間像を形成し、それを接眼レンズで拡大することで遠方に3次元映像を表示するのだが、レンズアレイと接眼レンズの間に約4cmの間隔が必要になるためだ。

ライトフィールドHMDの光学系の比較

これを解決すべく、技研はレンズアレイと接眼レンズを接触配置する新しい光学系を考案。

接触配置とすることで実質的に1枚の光学素子として機能させ、光線制御と集光を同時に実現。さらに、この光学系に適した要素画群像の生成手法を組み合わせることで、中間像を介さず直接3次元映像を目に届けることに成功した。光学系の奥行きを従来比で79%削減したという。

今回の試作機(左)と前回の試作機(右)の外観比較

薄型化に加え、高精細マイクロディスプレイを採用。さらに、膨大な光線の計算を高速で行なう「レイトレーシング技術」による要素画像の高速生成と組み合わせることで、高精細な3次元映像をリアルタイムに表示できるようにした。

開発したライトフィールドHMDで見える3次元映像

今回の技術は、5月28日から31日まで開催する「技研公開2026」で展示する。

今後に関しては、「3次元映像の高精細化と表示範囲の拡大に向けた改良を進め、教育、医療、エンターテインメントなど、さまざまな分野で活用できる、自然で視覚疲労の少ない快適なHMDの実現を目指す」という。

技研公開2026「拓く、支える、これからも」概要
  • 開催期間:5月28日(木)~31日(日)
    午前10時~午後5時(入場は終了30分前まで)
  • 会場:NHK放送技術研究所
    東京都世田谷区砧1丁目10-11
  • 入場:無料(事前予約不要)