パナソニック、60p記録の3MOS高画質ビデオカメラ
-Z1000の機能を継承。別売レンズでフルHD 3D対応
HC-X900M |
パナソニックは、新3MOSセンサーを搭載し、別売レンズによりフルHD 3D撮影に対応したAVCHDビデオカメラ「HC-X900M」を2月15日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は14万円前後。
同社の民生用フラッグシップビデオカメラ「HDC-Z10000」と同等の4K映像処理可能な映像エンジンや、有効画素数657万画素のセンサーから構成される「3MOSシステム」を搭載し、AVCHD Progressive記録に対応。さらに、別売の3Dコンバージョンレンズ「VW-CLT2」(実売38,000円)を装着することでAVCHD 3D撮影も可能となる。内蔵メモリは64GBで、SDXC対応のSDカードスロットも装備する。
HC-X900M |
1/4.1型305万画素のMOSセンサーを3枚搭載し、総画素数は915万画素。動画撮影時の有効画素数は621万~657万画素(動画)、711万画素(静止画/3:2)。3センサーの搭載により正確な色分解や、色鮮やかな描写、高い色ダイナミックレンジを実現する。
映像処理エンジンは、「クリスタルエンジンプロII」を搭載。3色センサーのうちグリーン(G)のセンサーを上下左右に画素ずらしし、合計4倍にする「ピクセルシフト(4倍密度画素配列技術)」により、従来比で4倍相当の828万画素の映像として処理し、SDカードに記録する。これにより2Dだけでなく、3Dの画質も向上しているという。
3MOSシステムを搭載 | 映像処理は「クリスタルエンジンプロII」 |
レンズは、ナノサーフェイスコーティングを施したLEICAレンズで、一般的なマルチコーティングと比べ、反射光を約0.5~0.25%抑え、ゴーストやフレアを低減。ズーム倍率は光学12倍(3D撮影時は1.5倍)で、35mm換算で29.8mm~368.8mm(16:9)。さらに、超解像技術を使ったiAズームにより、約700mm(23倍)のズーム撮影が可能となる。
2D撮影時は5軸ハイブリッド手ブレ補正に対応。同社の従来製品では手首の縦、水平と、腕の左右、上下の4軸手振れ補正に対応していたが、新たに歩行時に発生する回転方向の手振れを補正する「5軸方向の手振れ補正」を実現した。なお、3D撮影時は「POWER O.I.S」となる。
AVCHD Progressive記録に対応し、1080/60pのプログレッシブ/フルHD撮影が可能。記録モードは1080/60p(最高28Mbps)、HA(平均17Mbps)、HG(平均13Mbps)、HX(平均9Mbps)、HE(平均5Mbps)。AVCHDのほかMP4(iFrame)記録にも対応し、ビットレートは最高28Mbps。
VW-CLT2を装着し、フルHD 3D撮影が可能 |
別売の3Dコンバージョンレンズ「VW-CLT2」(実売38,000円前後)を装着することでAVCHD 3D撮影にも対応。同社民生用ビデオカメラの3D撮影は、2眼カメラの「HDC-Z10000-K」以外はサイドバイサイド形式での3D記録のため、縦解像度が半分となっていたが、HC-X900MはAVCHD 3Dに対応し、フルHDでの3D撮影が可能となった。
また、VW-CLT2は大幅に小型化し、ワンタッチでのカメラ装着が可能になったほか、クリスタルエンジンプロIIの搭載により、低照度時の画質も向上しているという。なお、'11年モデルのHDC-TM90と同時に発売された3Dコンバージョンレンズ「VW-CLT1」はX900Mには装着できない。
5.1chのドルビーデジタル音声記録にも対応。また、新ズームマイクにより、狙った場所の音をピンポイントで記録できる「ガンマイク」が選択可能になった。待機電力ほぼゼロで液晶の開閉にあわせて電源をON/OFFする「クイックパワーオン」も搭載。液晶モニターは3.5型115万画素。
撮影した映像を1/3/5分など、任意の分数でハイライトシーンに合わせて自動で編集する「新おまかせムービースライドショー」も搭載。従来はおまかせムービーの保存ができなかったが、X900MではSDカードへの保存に対応した。HDMI出力やAVマルチ出力、ヘッドフォン出力、外部マイク入力、ミニUSB端子などを装備する。
バッテリはVW-VBKシリーズ。外形寸法は67×150×72mm(幅×奥行×高さ)、重量は約430g。編集ソフトは「HD Writer AE 4.1」を同梱。新たにタイムラインモードでの編集に対応したほか、3D映像でのタイトル入力やトランジションなどを利用可能になった。FacebookやYouTubeへのアップロード機能も搭載している。対応OSはWindows XP/Vista/7。
(2012年 1月 11日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]