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NHK、立体映像カメラ実現に向けた3次元構造撮像デバイスを開発

 NHKは、眼鏡なしで視聴可能な立体映像を撮影できるカメラの実現を目指した「3次元構造撮像デバイス」を開発した。東京大学生産技術研究所と共同で開発し、米国で開催されている2014 IEEE International Electron Device Meetingで報告した。

従来の撮像デバイス(上)と3次元構造撮像デバイス(下)
出典:NHK

 立体映像の撮影には、2次元の映像をはるかに超える画素数が必要になるが、一般的な撮像デバイスでは画素数を増やすと信号出力に時間がかかり、フレームレートが低くなる。新デバイスは、高画素と高フレームレートを両立できることが特徴。

 撮像デバイスは、光を電気信号に変換する画素と信号読み出し回路で構成される。従来のデバイスでは信号読み出し回路が画素1列ごとに平面的に配置され、1列分の画素の信号を順次出力するため、画素数が多くなると信号出力に時間がかかり、フレームレートが低くなる。

 3次元構造撮像デバイスは、半導体回路を接着層無しで積層し、画素の直下に各画素専用の信号読み出し回路を3次元的に配置。これにより、1画面を1回の信号読み出しで出力でき、画素数にかかわらず高いフレームレートを実現できるという。

 NHKでは、この技術を「立体映像を活用した新たな放送サービスの可能性を開くもので、今後も実用化を目指して研究を進める」としている。

(臼田勤哉)