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衝撃コスパ! EarFun初ヘッドフォン「Wave Pro」、1万円以下でLDAC対応高音質

EarFun初のヘッドフォン「Wave Pro」

EarFunから、同ブランド初となるヘッドフォン「Wave Pro」が発売された。コストパフォーマンスの高い完全ワイヤレスイヤフォンで人気のEarFunが手掛けるヘッドフォンだけあり、LDAC対応でこだわりの音質、スマートなデザインと質感の良さ、快適な装着感を実現しながら、9,990円と1万円を切る価格なのだからコスパの良さは驚くばかりだ。

結果として、ワイヤレスヘッドフォン初心者からヘッドフォン好きのサブ機まで、幅広いユーザーにお勧めできる製品となっている。そんな「Wave Pro」をさっそく使ってみた。

「Wave Pro」

EarFunとは

そもそもEarFunは、完全ワイヤレスイヤフォンを得意とする新進気鋭のオーディオブランド。工業デザイナーや音響エンジニア、音楽愛好者たちによって2018年に設立されて以降、最新音響技術を積極的に取り込みつつ、ドライバーユニットやANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を自社開発するなど、ハードとソフトの両面で高性能さを誇る製品を矢継ぎ早にリリースし続けている。

その結果、音質の良さ、ANCの高性能さ、コストパフォーマンスの高さなどから、日本国内でも高い注目を集めるブランドに成長している。

そんなEarFunが初めて手がけるヘッドフォンが、いかなる製品に仕上がっているのか大いに気になるところ。そう思い詳細をチェックすると、随所にEarFunらしいこだわりが伝わってくる。

強力なノイズキャンセル性能

まず、EarFunが得意とするANC機能も、同社の最新技術が盛り込まれた独自システムが搭載されている様子。密閉型ハウジングにハイブリッド式ノイズキャンセリング技術を採用することで、-45dBというEarFun製完全ワイヤレスイヤフォン(最新モデルで-43dB)を上回る数値を実現している。

正直、この数値は驚くべき高性能さであり、実際に外で使ってみても、その高性能さを体験できる。タイミング的に飛行機でのテストは行なえなかったが、騒音が大きい電車内でANCをONにすると、かなりの静粛性を保ってくれ、快適な時間を過ごすことができた。

屋外や電車の中でも騒音を大幅にカットし、静かな空間で音楽が楽しめる

ちなみに、ノイズキャンセリングはオン/オフや外音取り込み機能も備わる。さらに、専用アプリを活用することで「風のノイズキャンセリング」「快適なノイズキャンセリング」「深いノイズキャンセリング」という3タイプを、場所や好みに応じて切替えるられる。

加えて、専用アプリからは55msecの低遅延「ゲームモード」への変更や、+-ボタン・コントロールのカスタマイズを行なうことも可能だ。

もうひとつ、専用アプリにはプリセット&10バンド・イコライザー機能も用意されいて、好みの音色傾向にカスタマイズすることも可能となっている。こういったアプリの機能性に関してはEarFun製完全ワイヤレスイヤフォンとそう変わらず、既存イヤフォンのユーザーもスムーズに使いこなすことができるだろう。

専用アプリ「EarFun Audio」

なお、ヘッドフォン本体には左右合計5基のマイクを配置しており、これに音声通話用ENCノイズキャンセリング技術を組み合わせることで活用することで風切り音や周囲の騒音を低減。クリアな音声通話を実現しているとのこと。このあたりも、EarFunならではの独自技術が活かされているところだ。

ハウジングにはマイク用の穴も見える

機能面ではこのほかにも、最大2台のデバイスが同時接続できスムーズな切り替えが行なえるマルチポイント接続や、800mAh大容量バッテリーを搭載し2時間のフル充電で最大80時間(ANCオンでも最大50時間)の連続再生が行なえるバッテリー持続時間の確保など、日常ユースでの利便性に充分な配慮が為されている。

底部にUSB-Cの充電端子。ステレオミニケーブルも付属し、有線接続も可能だ

デザインはシンプルで、価格からは考えられないほど質感も良い。全体的に落ち着いた大人っぽいカラーリングだが、ハウジングの外周がダイヤモンドカットされており、角度を変えるとロゴと共にキラッと光る。これがシンプルなデザインに、良いアクセントになっている。

ハウジングの外周がダイヤモンドカットされており、角度を変えるとロゴと共にキラッと光る
ハウジングを平らにできるだけでなく、バンドの内側に曲げてコンパクトに収納できる。キャリングケースも付属している

低価格でも質感・装着感は良好

装着感も、なかなかに好印象だった。

肌に触れるイヤーパッドとヘッドバンドの内側には柔らかい肌触りのプロテインレザー表皮と、低反発クッション素材を採用。しっかりとした遮音性を保ちつつ、違和感や不快感のない装着を実現している。

263gという、オーバーイヤー型ワイヤレスヘッドフォンしてはかなりの軽量さも相まって、取材時に3時間ほど装着し続けても、とても快適だった。

イヤーパッドとヘッドバンドにはプロテインレザー表皮と低反発クッション素材を採用。しっとりとした肌触りで、質感も良い

機能性、装着性だけでなく、サウンドにもかなりのこだわりを盛り込んでいるのが「Wave Pro」のEarFunらしさといえる部分だ。音質の要となるドライバーユニットは、歪みの少なさで優位性のあるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)複合膜振動板を採用する40mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載し、パワー感のある低音と明瞭で透明感のある中高音を両立したとアピールする。

40mm口径のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)複合膜振動板ユニットを搭載している

また、BluetoothコーデックもSBC、AACに加えてLDACにも対応。ワイヤレスヘッドフォンでありながら、ハイレゾ級の高品位サウンドを楽しむことができる。

ナチュラルで聴き心地の良いサウンド。空間表現もハイレベル

ということで、Androidスマホ「Nothing Phone(2)」とLDACコーデックで接続、実際のサウンドがいかなるものかを確認してみた。

一聴して感じたのが、音色の自然さだ。密閉型ならではの肩に力の入った表現とは違う、開放型ならではのスムーズな広がり感とも違う、クセのないニュートラルなサウンドに仕立てられているのだ。

帯域バランスも、最近のトレンドにあわせて低域こそしっかりとした量感を持つもののウェルバランスな範疇に収まっているし、高域も充分な伸びを持ちつつ、丁寧な表現で纏められていて過剰な鋭さがない。総じて、印象的でありつつも聴き心地よいサウンドとなっている。

おかげで、宇多田ヒカル「BADモード」は、自然で優しげな歌声を聴かせてくれるし、演奏との融和も抜群。音色の違和感もいっさいない。米津玄師「KICK BACK」は、わざと汚した音色のイメージはそのままに、聴き心地だけが向上している。なかなかに絶妙なサウンドチューニングと思える。

空間表現の巧みさにも驚いた。オーケストラ演奏、たとえば小林研一郎指揮「新世界」を聴くと、定位感がよく、同時に広がり感のスムーズな音場表現を体感できる。J-POPでもこういった傾向はしっかり活かされ、YOASOBI「勇者」はトリッキーな空間表現を、米津玄師「M八七」は壮大なスケール感をもつサウンドを楽しませてくれた。

余談になるが、AACコーデック接続も試してみたところ、こちらも良好だった。LDACに解像感は劣るし音場的な広がり感も曖昧になるが、聴き心地のよさ、という点では勝るとも劣らず。iPhoneとAAC接続して楽しむという使いこなしもオススメできる。

もうひとつ、接続性の良さも特筆すべきレベルだ。試聴では、接続安定性についてあまり評判のよろしくないLDACコーデックで、しかも“安定した接続優先”にせず試したが、ドアのない隣の部屋に行っても接続は保持され、仕事場から外に出ても直線距離で10mほど離れた場所まで接続を維持してくれた。電場状況のよい市街地とはいえ、ここまで接続性のよさを確保しているのは嬉しいかぎり。大いに魅力的に思える。

この機能、この質感、この音質で9,990円

このように「Wave Pro」は、EarFun初としては望外といえる完成度を持つ製品に仕上がっていた。何しろ、この機能性、この質感、この音質が1万円未満で入手できるのは驚くばかり。

コストパフォーマンスの高さも含めて、幅広いユーザーにお勧めできる製品だ。その実力を体験して欲しい。

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野村ケンジ

ヘッドフォンからホームシアター、カーオーディオまで、幅広いジャンルをフォローするAVライター。オーディオ専門誌からモノ誌、Web情報サイトまで、様々なメディアで執筆を行なうほか、レインボータウンFMの月イチ番組「みケらじ!」にレギュラー出演、YouTube「ノムケンLabチャンネル」を運営するなど、様々なメディアで活躍している。最も得意とするのはヘッドホン&イヤホン系で、年間300モデル以上の製品を10年以上にわたって試聴し続け、常に100製品以上を個人所有している。一方で、仕事場には100インチスクリーンと4Kプロジェクタによる6畳間「ミニマムシアター」を構築し、ステレオ用のプロフェッショナル向けTADとマルチチャンネル用、2系統のスピーカーを無理矢理同居させている。