ビクター、QXGAのプロジェクタ技術を開発


3月21日発表



1月に展示されたQXGAプロジェクタ

 日本ビクター株式会社は21日、QXGA(2,048×1,536ドット)のプロジェクタ技術を開発したと発表した。

 今回発表されたのはQXGAの表示領域を持つ同社独自の反射型素子「D-ILA」、各種フォーマットに対応できる「カード型入力インターフェイス」などの「新デジタルプラットフォーム」、コントラスト比1000:1の光学系などの技術。1月に行なわれた「新世紀・Newプロジェクター展」でも、QXGAプロジェクタが参考出展されていた。

 現行のD-ILA素子のSXGA(1,365×1,024ドット)を2倍以上上回る2,048×1,536ドットの表示を実現。1,920×1,080ドットのHDフルスペック表示も可能となっている。

 「新デジタルプラットフォーム」は、「カード形式入力インターフェイス」、「New DPC回路」、「専用デバイスドライバLSI」の総称。ボード間接続にはLVDSを採用している。これにより「10ビットデジタル入力が可能となり、入力からデバイス駆動までの全デジタル信号処理によって画質劣化が無く、高解像度のフィルムライクな高品位映像を実現した」としている。

 「カード形式入力インターフェイス」は、各種入力に対応させるためのカードスロット。RGBアナログ入力に対し10ビットA/Dコンバータを装備。HDTV信号に対しては色差アナログ入力と、HD-SDIデジタル入力をそれぞれオプションとして備え、1080/24pから1080/60iまでの信号を動き適応I/P変換により順次走査に変換する。

 「New DPC回路」は、様々な入力フォーマットをデバイスの画素に合わせ拡大縮小や位置合わせをする回路。10ビット入力で最大QXGAまでの対応が可能で、「初めてQXGAでのキーストン補正が可能となるなど、様々な用途への応用を容易にする」としている。

 また、QXGAデバイスを駆動するため、RGB各色10ビット入力に対応し、ピクセルクロック420MHzを可能とする「専用デバイスドライバLSI」を新たに開発。このLSIは面内均一性補正のためのビットマップテーブル3面と、ガンマ補正のためのルックアップテーブルを3面持っており、12ビット演算により高品位映像の表示が可能。また、FIFOコントロール回路、タイミング回路も集積し、周辺構成を合理化している。

 光学系は、1.3インチデバイスに対応したものを開発。「デバイスの放熱効果を改善して高輝度化、高コントラスト1000:1を実現した」という。

 同社ではこれらの技術について「QXGAは、HDTVフルスペックを完全に表示できるクォリティを持ち、デザイン、研究、シミュレーション、医療の分野で期待される超高精細グラフィックス表示に対応可能。さらにD-ILA本来の技術特性である高コントラスト、高いフィルムライク特性(動画性能、コントラスト比、暗部階調などの特性)により、将来の映画上映で主力方式となることが予想されるe-Cinemaの高画質ニーズにも十分対応できる」としている。

□ビクターのホームページ
http://www.jvc-victor.co.jp/index.html
□ニュースリリース
http://www.jvc-victor.co.jp/products/others/QXGA-PROJECTOR.html
□関連記事
【1月26日】ビクターが「新世紀・Newプロジェクター展」を開催
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010126/victor.htm

(2001年3月21日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]

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