日立、110度CSデジタルチューナ搭載のプラズマテレビ
―チューナユニットを変更、480i→1024pへの変換が可能に


W32-PDH2200、W37-PDH2200、W42-PDH2200
4月15日より順次発売

標準価格:オープンプライス

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 株式会社日立製作所は、プラズマテレビ「WOOO(ウー)」シリーズの新製品として、BSデジタル/110度CSデジタルチューナを搭載した32V/37V/42V型の3機種を発売する。発売日は「W32-PDH2200」が4月15日、「W37-PDH2200」が5月20日、「W42-PDH2200」が5月24日。価格はすべてオープンプライスとなる。店頭予想価格は、それぞれ60万円、70万円、80万円。

 今回発表された「PDH2200系列」は、発売中の「PDH2100系列」のAVCステーション(チューナユニット)を新タイプに変更したモデル。BSデジタル/110度CSデジタルチューナを新たに搭載したほか、新開発の画像処理プロセッサ「DIPP(デジタル・イメージ・ピクセル・プロセッサー)」を採用し、480i→1024pへのアップコンバート処理を実現した。

 また、AVCステーションのサイズも容積比で約60%減とコンパクトになり、縦置きも可能になった。なお、プラズマテレビへの110度CSデジタルチューナの搭載は、業界初としている。

 ディスプレイ部はPDH2100系列とほぼ同じで、パネル、スピーカー部に大きな変更はない。従来モデルの5機種は今後も併売され、今回の3機種と合わせて計8機種のラインナップとなる。

 パネル解像度は、32Vが852×1,024ドット、37Vと42Vが1,024×1,024ドット。パネル輝度は32Vと37Vが650cd/m2、42Vが750cd/m2となっている。

 AVCステーションは32V/37V/42Vとも同一で、2端子のi.LINKのほか、映像入力としてD4×3系統、S2映像×3系統、コンポジット×4系統、アナログRGB×1系統を搭載。AACは光デジタル端子(1系統)からストリーム出力できる。

大きく変わったのがAVステーション。110度CSデジタルチューナを搭載するほか、厚みと奥行きが減り、縦置きも可能になった

従来512pだった480iからのアップコンバートを、DDIPにより1024pへと引き上げた

 DIPPプロセッサは、フォーマット変換、IP変換、スケーリング、エンハンス処理といった映像処理を1チップで行なう新開発の処理回路。同社の画像技術を集約した製品で、今後、様々な映像製品に搭載するという。

 最大の特徴は、地上波などの480i映像を1024pへとリアルタイム変換できること。これまでの同社製プラズマテレビでは、480iを512pへと変換後、1024iに合成表示していた。480iから一気に1024pへと変換できるDIPPの搭載により、斜め線のジャギなどを大幅に低減するとしている。

 さらに、プログレッシブ変換時のベクトル参照点を従来の8点から26点に増やした「マルチアングル補間処理」も搭載。「動画の斜め線を滑らかに再現する」という。また、「色合い」、「色の濃さ」などのパラメータを、色ごとに独立してコントロールできる「デジタルコントロールマネージメント」も使用できる。

リモコンは従来モデルとほぼ同じものが付属

 そのほか、メリハリのある映像を再現するという「ダイナミックコントラスト」、SD信号をHD信号に変換した際のノイズを除去するデジタルハイビジョン対応の「ノイズリダクション」、デジタルハイビジョンに合わせたという輪郭補正処理の「ダブルエッジエンハンサ―」などがDIPPにより提供される。

 パネルの前面フィルタも新開発のものに変更された。色選択性のコーティングが施されており、「黒の再現性が飛躍的に向上した」としている。

 機能面では、離れた場所の外部機器を操作できる「メディアパネル機能」が搭載された。これは、メディアコントローラーで接続した機器の簡単な操作メニューを画面に表示するというもので、PDH2200のリモコンで操作できる。ビデオデッキ、DVDプレーヤー、DVDレコーダなどが制御可能だが、対応機器は明らかにされなかった。

 再生・停止などの主要機能のほか、日立のビデオデッキなら「テープナビ」機能が使えるなど、特徴ある機能も操作できるようになるという。

「メディアパネル」は、メディアコントローラを介して接続した外部機器の操作を画面上で行なう機能 任意のチャンネルをプリセットできる「サテライト マイチャンネル」 EPGは日立オリジナル。ジャンル毎に色分けされている

 また、良く見るチャンネルを登録できる「サテライト マイチャンネル」も追加されている。サテライト マイチャンネルのメニューは5角柱で表現され、1面ごとにテーマを決めて登録できる。放送局別やジャンル別のほか、たとえば、家族別のマイチャンネルを構築するなどの応用が可能。プリセット数は最大45チャンネルとなっている。


デジタルメディアグループの百瀬次生CEO

 発表会で挨拶に立ったデジタルメディアグループの百瀬次生CEOは、同グループが4月1日より「ユビキタスプラットフォームグループ」に改編されることを発表した。これにより、従来のAV機器に加え、サーバーやPDAなども同グループの範疇となる。

 百瀬氏は「人とのインターフェイスをもつ製品を一手に引き受ける」と説明し、表示デバイスとなるプラズマテレビを、同社の考えるユビキタスネットワークの中核と位置付けた。

 また、2001年4月に発売した32V型のW32-PD2100、および同PDH2100が、「プラズマテレビ市場の起爆剤になった」とし、2001年をプラズマテレビ普及元年と説明。今後は、地上波放送の開始やブロードバンドの普及をにらみ、プラズマテレビを中心にした「エンターテイメントワールド」の形成に注力するという。

 なかでも、AVCステーションの役割が重要になるとし、文字通りの「ステーション」として機能が求められると予測。HDDを内蔵するなど、ホームサーバー的な進化を考えていると語った。また、DIPPの外販も視野に入れているという。

 なお、プラズマテレビの購入意向ユーザー100人を対象とした調査では、70%がディスプレイ・チューナー分離型を支持したと発表(日立調べ)。さらに、25型直視管テレビのユーザー100人についても、80%が分離型を受け入れたという。

発表会場には発売前の製品も並んだ。左から、BS/110度CSデジタルチューナ「BCS-DH2200」、DVDプレーヤー「DV-P500」、DVD+S-VHSデッキ「DV-PF2」

主な仕様
 W32-PDH2200W37-PDH2200W42-PDH2200
ディスプレイ部有効画面寸法
(縦×横)
39.9×71.6cm
(対角81.0cm)
46.1×82.9cm
(対角94.9cm)
52.2×92.2cm
(対角106.0cm)
パネル解像度852×1,024ドット1,024×1,024ドット
輝度
(白ピーク、パネル単体)
650cd/m22750cd/m2
視野角160度以上
出力端子サブウーファサブウーファ、スピーカー
消費電力260W315W360W
待機消費電力2.0W
外形寸法
(本体のみ、幅×奥行き×高さ)
97.4×9.0×50.1cm94.0×9.1×57.3cm103.0×8.9×71.3cm
外形寸法
(スピーカー、スタンド含む、幅×奥行き×高さ)
97.4×25.4×57.8cm114.2×25.4×65.1cm123.3×30.0×63.6cm
重量
(本体のみ)
23.1kg26.1kg29.8kg
重量
(スピーカー、スタンド含む)
26.2kg34.3kg38.8kg
AVステーション部受信チャンネルVHF:1~12ch
UHF:13~62ch
CATV:C13~C38ch
BSデジタル:000~999
110度CSデジタル:000~999
映像入出力i.LINK×2端子
D4入力×3系統
S2映像入力×3系統
コンポジット入力×4系統
アナログRGB入力×1系統
BS/モニタ出力×1系統
光デジタル音声出力×1系統
ヘッドフォン×1系統
消費電力40.0W
待機消費電力0.5W
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
43.0×24.0×8.5cm
重量4.0kg

□日立のホームページ
http://www.hitachi.co.jp
□ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/2002/0327/
□関連記事
【2001年8月30日】日立、ALIS方式の37V型と42V型プラズマテレビ「Wooo」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010830/hitachi.htm
【2001年4月12日】身近になった32V型ワイドプラズマテレビ 日立「W32-PD2100」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010412/npp07.htm
【2001年2月7日】日立、世界初の32インチプラズマテレビを発売
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010207/hitachi.htm
【バックナンバー】衝動買いしてしまいました!! プラズマテレビ「W32-PD2100」購入レポート
http://av.watch.impress.co.jp/docs/backno/pd2100.htm

(2002年3月27日)

[orimoto@impress.co.jp]

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