MP3エンコーダ「午後のこ～だ」のバイナリが配布再開

　@MARINECATのホームページにおいて、特許侵害の可能性から配布を停止していたフリーのMP3エンコーダソフト「午後のこ～だ for Windows」の配布が、3月30日に再開された。現在公開されている最新バージョンはv3.10β2。対応OSについては特に明記されていないが、編集部ではWindows 98 SE/2000/XPでの動作を確認した。

　「午後のこ～だ for Windows」は、WAVEファイルをMP3ファイルに変換するフリーのMP3エンコーダ。エンコードエンジンのソースコードも公開され、日本におけるMP3の盛り上がりに一役買った。しかし、特許侵害の可能性についてトラブルが生じ、2000年内でバイナリの配布が中止された。

　MP3に関しては、ドイツのFraunhofer IIS-Aと、フランスのThomson Multimediaが各種特許を取得しており、MP3利用においてライセンス料を支払うよう主張。両社では、MP3再生のためのデコーダが1つにつき0.5ドル、エンコーダが2.5ドル、さらにMP3で音楽配信を行なった場合は1ダウンロードにつきその料金の1%、最低でも0.01ドルとしている。

　現在WindowsにもMacintoshにもMP3を再生する機能は搭載されており、MicrosoftもAppleも両社のパートナーとなっている。Fraunhofer IIS-Aと、Thomson Multimediaがこうした主張をはじめたのは、3年ほど前から。これにより、8hz-mp3や、午後のこ～だなどはバイナリでの配布を中止し、ソースコードでのみの配布とした。

　@MARINECATのホームページでは、この件について弁理士と相談した結果、配布側の論点として「ネットワーク上で配布する限りは無形物のため、法律で解釈されるところの『物』としての扱いにならないので、侵害行為とはならない」、また「そもそも『業』として配らないのならば侵害行為とはならない」という見解に達したとしている。これにより、今回のフリーウェアの配布再開となった。

　現在、公開されているバージョンでは、WAVEからのMP3ファイル変換に加え、マイクやライン入力からMP3で直接録音する機能や、エンコードエンジンによるベンチマーク測定機能「午後べんち」も搭載されている。

WAVE → MP3エンコード	ライン入力MP3録音	午後べんち

□@MARINECATのホームページ
http://member.nifty.ne.jp/~pen/mct_top.htm
□「(特設)午後のこ～だ3」のページ
http://member.nifty.ne.jp/~pen/free/gogo3/mct_gogo.htm
□関連記事
【2001年5月7日】パッケージソフト全盛時代の「現代MP3事情」～その1：MP3の概要と現状～
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010507/dal09.htm
【2000年12月12日】特許侵害懸念で配布停止していた「午後のこ～だ」が年内限定で配布再開(窓の杜)
http://www.forest.impress.co.jp/article/2000/12/12/gogonocoda.html

(2002年4月2日)

[furukawa@impress.co.jp]