NEC、現行DVDと互換性の高い次世代DVD技術を開発
―パソコン用としてカートリッジなしを実現


 日本電気株式会社(NEC)は、次世代DVDとして現行DVDと互換性の高い技術を開発したことを明らかにした。パソコン用の規格としてDVDフォーラムに提案する。なお、Blu-ray Discは「ビデオレコーダ規格」とされており、パソコン分野でも使用されるかは明らかにされていない。

 今回NECが開発した方式は、レーザーの波長は405nm、対物レンズのNA(開口数)は0.65。直径120mmで基板厚0.6mmのディスクを2枚貼りあわせる。容量は片面20.5GBとBlu-ray Discの23.3/25/27GBより少ないが、「2層にすることで35GBも実現可能」としている。

 Blu-ray DiscではNAが0.85の対物レンズを使用するが、NEC方式ではNAが0.65であり、分解能が低くなってしまう。しかし、ヘッドと基板との間隔が広くとれるため、多少ディスクが汚れても影響は小さく、カートリッジが不要になるというメリットがある。同社では、「ノートPCなど薄型のドライブが求められる分野では、カートリッジが不要であることは重要」としている。

 また、NAや基板厚が現行DVDと同じであるため、1つのモジュール(ヘッド)でCD、DVD、次世代DVDと互換性をとることもできる。

 次世代DVDとしては「Blu-ray」と、東芝方式が発表されており、今回新たにNEC方式が加わった。現行DVDは、書き換え型はDVD-RW、DVD-RAM、DVD+RW、追記型はDVD-R、DVD+Rと混沌とした状況にある。次世代DVDでは統一規格になることが期待されているが、このままで逆の方向に進みそうだ。

【主な仕様】
NEC方式東芝方式
(参考)
Blu-ray Disc
(参考)
記録容量
(片面1層)
20.5GB再生専用 15GB
書き換え 18~20GB程度
23.3/25/27GB
レーザー波長405nm
青紫色レーザー
405nm
青紫色レーザー
405nm
青紫色レーザー
レンズ開口数(NA)0.650.650.85
ディスク直径120mm120mm120mm
ディスク厚0.6mm貼りあわせ0.6mm貼りあわせ1.2mm

□NECのホームページ
(7月16日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.nec.co.jp/
□関連記事
【6月12日】東芝、次世代DVDはDVDと互換性の高い0.6mm貼り合わせに
 ―2003年を目処に製品化を目指す
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990722/nec.htm

(2002年7月16日)

[furukawa@impress.co.jp]

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