ビクター、QXGAの業務用D-ILAプロジェクタをデモ


劇場など業務用向けのD-ILAプロジェクタ「DLA-QX1」
7月18日開催


 日本ビクター株式会社は18日、解像度QXGA(2,048×1,536ドット)の業務用D-ILAプロジェクタ「DLA-QX1」の業者向け内覧会を都内で開催した。

 DLA-QX1は、6月12日発売の業務用D-ILAプロジェクタ。解像度2,048×1,536ドット、7,000ANSIルーメン、コントラスト比1,000:1というスペックで、同社のD-ILAモデル中、フラッグシップモデルにあたる。標準レンズが付属した場合の価格は4,000万円程度。内覧会では、ハイビジョン映像、静止画、3D映像などを投影し、QX1を使った様々なビジネス提案を行なった。

 ハイビジョンのデモには、すべてデジタルで24P撮影、編集を行なったという映画「星のレストラン」の一部分を使用した。また、ハイビジョンカメラから直接HDDに記録した映像も公開。東京・浅草の夏の風景だが、圧倒的な解像感とともに、色再現性の高さも感じられた。さらに、「陽はまた昇る」の一場面など、フィルムからHDでテレシネした素材も投射。フィルム、ビデオ、HDDと、撮影素材を問わないデジタルシネマの可能性をアピールしていた。

3D投影用に2台をスタックした状態。左はDLA-QX1の側面。HD-SDI入力はオプションとなる 静止画像などのデモには日本HPのビジュアルワークステーション「SV6」を使用

 次に、QXGAの静止画や3D映像、CADデータなどを投射した。PCからの映像のほか、日本ヒューレットパッカードのワークステーション「SV6」で再生したものも紹介。特に、QXGAによるCADデータの高精細さは他に類を見ないものだった。

 最後に、NHKが製作した3D映像「シミュレーションR」を鑑賞した。これは、D-ILAだけが実現できるという「明るい3D」をデモンストレーションしたもの。同社ではアミューズメント施設などに向けて「明るい3D」をアピールし、DLP採用機などの他社製品との差別化を図っている。

 「明るい3D」は、従来方式と同じく、2台のプロジェクタと3Dメガネを使用する。特徴的なのは、右目用と左目用とに偏光させる仕組みとして、光の向きを変える「波長板」を採用すること。このため、偏光板を用いるDLPに対し、透過効率が大幅にアップするとしている。

 また、水平(左目用)と垂直(右目用)に偏光する「ラムダ板方式」を採用し、95%の効率(DLPは45%)で偏光を変えることができるという。12,000ANSIルーメンのDLPプロジェクタ2台で3Dを構成した場合、10,800ANSIルーメンの光出力を得られるが、D-ILAでは7,000ANSIルーメン2台で13,300ANSIルーメンになるとしている。

偏光板を使わないことによる光効率のよさを説明。特に2台スタックする3DだとDLPとの差が顕著になるという

□ビクターのホームページ
http://www.jvc-victor.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.jvc-victor.co.jp/products/pro/DLA-QX1.html
□関連記事
【6月12日】ビクター、世界初の解像度QXGA D-ILA3板式プロジェクタ
-HD信号のリアル投影に初対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020612/victor.htm
【4月4日】コダック、D-ILAプロジェクタによるデジタルシネマをデモ
―携帯電話向け2.2型アクティブ型フルカラー有機ELも初出品
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020404/kodak.htm
【2001年3月21日】ビクター、QXGAのプロジェクタ技術を開発
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010321/victor.htm

(2002年7月18日)

[orimoto@impress.co.jp]

I
◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】

00
00  AV Watchホームページ  00
00

ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.