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日立、黒画面を挿入して残像感を低減した液晶テレビ
―S-IPS技術で視野角による色調変化も抑える


プラズマテレビの「WOOO」シリーズと統一したデザインを採用

12月7日発売

価格:オープンプライス

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 株式会社日立製作所は、新開発のWXGA(1,280×768ドット)液晶パネルを搭載した20V型ワイド液晶テレビ「W20-LC3000」を12月7日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は20万円強になると見られる。

 W20-LC3000は、同社のフラットパネルテレビ「WOOO(ウー)」シリーズの液晶テレビ。株式会社日立ディスプレイズが開発した「アドバンスドスーパーピュアカラー液晶」を採用し、液晶ディスプレイ特有の残像感や、動画のぼやけといった問題を改善したという。なお、日立ディスプレイズは、10月1日付で日立製作所のディスプレイグループが分社、独立した新会社。

 新開発の液晶パネルには、日立製作所がPC用液晶ディスプレイで採用しているS-IPS(Super In Plane Switching)技術を導入。液晶分子を基板に平行な平面内でスイッチングさせるIPS方式を改良した技術で、電極をジグザグに配置し、視野角と階調変化に対する色調変化を低減するという。視野角は170度(上下左右)。また、ISP方式の欠点とされる開口率も改善し、輝度450cd/m2を実現した。

新開発の液晶パネル。PCのディスプレイとしても使用できる 斜め方向からでも、階調を保った画像を見ることができた

 加えて、液晶テレビの残像感を改善するため、CRTの瞬間的なインパルス型発光に着目。常に点灯している液晶の画面表示に、一定の間隔で黒の表示データを書き込む「黒挿入駆動技術」を導入し、残像感や輪郭のぼやけを低減したという。さらに、新開発のLSIを搭載し、中間階調の応答速度を最短10msと高速化。動きの速い映像にも対応するという。

左はホールドタイプと名付けられた従来の液晶の発光方式。インパルスタイプと比べると、表示データを書き込んでから次の表示データを書き込むまで、表示を保持することが残像感に繋がっていた。右が今回採用されたスーパーインパルス方式。黒い画面を挿入することで、CRTに近い動画性能を実現したという。なお、黒画面の表示時間は、1フレーム(17ms)中の30%以内

 また、同社のプラズマテレビにも採用されている画像処理プロセッサ、DIPP(デジタル・イメージング・ピクセル・プロセッサ)を搭載。1080i、720p、480p、480i、PC信号などの様々な映像入力に対応し、独立した色のコントロールや場面に合わせたコントラスト調節が可能。さらに、480iの信号を480pに変換し、さらに768pにアップコンバートして表示する「768プログレッシブ処理」機能も搭載する。

 PC入力として、D-Sub 15 ピン端子も装備。解像度は1,280×768/1,024×768/800×600/640×480ドットに対応。また、PCモニタモードの場合でも、テレビ画面を子画面で表示する「PCウィンドウ」機能も搭載する。液晶パネルの表面にはグレア処理が施され、ツヤのある映像表示を目指したという。

色調は若干異なるが、リモコンのボタン配置は同社のプラズマテレビと良く似ている 入力切替や音量調節のボタンは本体上部に設置 背面の入出力端子に加え、側面にも入力端子を装備する

背面のカバーを外すと、入出力端子が現れる PC入力用に、D-Sub 15 ピンと音声入力端子を備える 持ち運び用の取っ手も装備。重量は約8kg

【主な仕様】

表示素子アドバンスドスーパーピュアカラー液晶
画面サイズ20V型
解像度WXGA(1,280×768ドット)
輝度450cd/m2
視野角上下左右170度
チューナVHF 1~12ch、UHF 13~62ch、CATV C13~C38
入力対応信号1080i/720p/480p/480i
PC解像度WXGA(1,280×768)、XGA(1,024×768)
SVGA(800×600)、VGA(640×480)
音声出力3W×2ch、0.5W×2ch
入出力端子D4入力×1
コンポジット入力×3
S映像入力×2
アナログ音声入力×4
PC入力(D-Sub 15 ピン、ステレオミニ)×1
ヘッドホン出力×1
消費電力約89W
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
624×214.3×398mm
重量約8kg


【今後の液晶テレビ戦略】

ユビキタスプラットフォームグループ インターネットプラットフォーム事業部長 大石氏

 また、製品の発表会の席上で、日立製作所のユビキタスプラットフォームグループ インターネットプラットフォーム事業部長の大石氏は「今回製品を皮切りに、液晶テレビ市場へ本格参入する」と宣言した。

 今後は大画面のプラズマテレビに加え、プライベートサイズには液晶テレビを展開し、フラットテレビのラインナップの充実を図る。なお、液晶テレビはプラズマディスプレイとの境界線である、30インチあたりまで大画面化を予定しているという。


□日立製作所のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/2002/1017/index.html
□関連記事
【8月6日】日立、新ALISパネル採用のプラズマテレビ「Wooo」
―ブロードバンド接続モデルなど計10機種 」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020806/hitachi.htm

(2002年10月17日)

[yamaza-k@impress.co.jp]


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