◇ 最新ニュース ◇
|
||
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
NECビューテクノロジー株式会社は、100型(4:3)を65cmの距離から投影できるミラー投写方式のDLPプロジェクタ「WT600」を7月中旬に発売すると発表した。価格は80万円程度を予定している。 WT600は、解像度1,024×768ドットの0.7型DMD素子を搭載したデータ向けDLPプロジェクタ。最大の特徴は、レンズではなく、非球面ミラー4枚で拡大投影する「ミラー投写方式」を採用したこと。同社では世界初の非球面レンズを使ったミラー投写式としている。 ミラー投写方式は、DMDからの画像を非球面レンズ4枚に反射させ、斜め上方55度に拡大投写する方式。フォーカスは3枚目のミラーの移動で調整する。レンズ方式に比べて投写距離を大幅に縮めることが可能で、フロントプロジェクタの弱点だった設置の問題を解消したとしている。投写距離は、40型が6cm、60型が25cm、80型が45cm、100型が65cm。 プレゼンテータが投写光をさえぎる心配がほぼ必要ないため、同社では「プレゼンテータが主役になれる真のプレゼンテーションが可能になる」(松本隆幸プロジェクタ応用開発本部長)と利点を強調している。
さらに、コントラスト、重量などの面で有利とし、将来的にはコスト面でも期待できるという。コントラスト比は2,500:1で、色収差も少ないとし、「非常に良い黒が出る」(同)という。なお、ミラーのうち2枚は、成形したプラスチックに蒸着処理を施したもの。 現時点ではレンズより割高だが、将来、量産効果が出れば低価格化に期待できる。成形技術では、富士写真光機の協力を得たという。また、デジタルでの補正は行なわず、ミラーだけで台形歪みのない画像を実現している。 ランプは220W NSHランプで、明るさは1,200ANSIルーメン。ただし、ANSIルーメンは正面の明るさも重視するため、斜め上に投写するWT600では、1,200ANSIルーメン以上の明るさが得られているという。動作音は、ランプエコモード時が32dB、標準時が35dB。 映像入力は、DVI、アナログRGB、S映像、コンポジットを各1系統搭載。最大1,600×1,200ドットの表示解像度に対応している。
そのほか、PCカードスロット経由で有線・無線LANに対応し、PCレスでのプレゼンも可能。最大3つのアドレスにランプ寿命やエラーメッセージを通知する「メール通知機能」も備えている。 外形寸法は390×313×313mm(幅×奥行き×高さ、投写時)、390×296×227mm(同、ミラー収納時)。重量は5.9kgとなっている。 発表会で挨拶した雄川孝志社長は、「プロジェクタ市場は順調に伸びているが、参入企業が増え、競争が激しくなった。将来を見据えた製品が必要になる」と述べ、今回の新製品を「事業の柱として展開していく」と語った。 また、ミラー方式の設置の自由度については「真の設置フリーが可能になった。以前から提唱していた『人に優しいプロジェクタ』を実現できた」と成果を強調した。 また、松本本部長は「ミラー方式の投入で新しいニーズが起こるだろう。いままでにないスマートなホームシアターも可能になる」と言及。「ミラー方式を今後の本命」とした。ただし、WT600にはズーム機能がないため、現時点では画面の拡大縮小が気軽にできないという欠点もある。また、すべてがミラーに代わるわけではなく、「広いスペースに設置する大型機などではレンズが残る」(同)という。
□NECビューテクノロジーのホームページ (2003年3月6日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved. |
|